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AES2019

21
Oct.2019
REPORT

AES2019 DAY4 : テクニカルプログラム

連日大盛況だったAES NY 2019。3日間のメーカー展示会終了後にもテクニカルプログラムが開催されました。その模様をレポートします。

音楽における Dolby Atmosミキシング

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AES4日目ということで、各メーカーの展示会は昨日まで全て終了し、本日はテクニカルプログラムのみの日になります。

Dolby Atomosは映画館によく足を運ぶ方でしたら、きっとなんとなくご存知のはずです。Dolby Atmosというのは、イマーシブオーディオの規格で、ステレオからさらに拡張した最先端のオーディオ規格の一種になります。今東京にもいくつかの映画館でDolby Atmosでミキシングされた映画を見ることができますが、実は世界中のエンジニアたちが音楽におけるDolby Atmosミキシングに挑戦しています。

今回のAESでは、スイスからきたLasse Nipkow氏が彼の最新プロジェクトを解説してくれました。Nipkowさんはもともとクラシックのレコーディングエンジニアで、スタジオのほか教会やホールなどでのライブレコーディングが一番得意です。

彼が今回の講座で最初に公開したのが、まさかのEDMのプロジェクト!イマーシブオーディオでミキシングする場合、実は2種類の考え方があります。まず一つがいままで通りチャンネルベースのミキシング方法で、もう一つがひとつひとつの音を対象としたオブジェクトベースのミキシング方法です。皆さんも馴染みのあるチャンネルベースのミキシング手法はわりと万能ですが、後者のオブジェクトベースはEDMなどの電子音楽に適した手法で、自由自在に音の位置を決められる点では一般的にいうパンニングの可能性を一層広げます。

今回チャンネルベースの作品としてNipkowさんが解説してくれたものは、とある教会でレコーディングした讚美詩の作品でした。この作品はミキシングやマスタリングによって後から色々なものを調整したものではなく、マイクポジションを工夫することによってDolby Atmosの優位性を表現した作品になります。

作り方としては教会の天井の高さと角度を計算し、いくつかのマイクを垂直に吊り下げてルームの音をよりクリアに録ることがポイントです。なぜならば、たとえDolby Atmosでミキシングするとしても、決して楽器の並べ方を乱雑にすることはNGで、あくまでもステレオから拡張したものとした考えた方が正しいからです。特にキックやベースなどの低音楽器はトップにパンニングしてはいけません。Dolby Atomosの規格上、後ろにもいくつかのスピーカーがあるので、ここで注意すべきなのは、音響心理学上、もし後ろから大きい音が継続的に来ると、人々は恐怖を感じて本能で部屋から逃げたい気持ちになります。ですので楽器は基本的に前方にパンニングするのが普通で、ルームなどの空間音はリアスピーカーを使えることになります。

Nipkowさんは同じ手法であるEDMの曲をミキシングし、講座の最後で公開しました。Nipkowさんの説明では、この作品はもともとステレオ仕様だったものをパンニングだけを変えて、Dolby Atmosに仕上げたということです。個人的には結果として想像以上のサウンドを体験できて、EDMの曲なのに、何故かまるでクラシックのホールで聞いているような感じがしました。

これからDolby Atmosの音楽作品がどんどん増えると思いますが、みなさんもぜひ体験してみてください!
 
 

サウンドシステム構築の7つのポイント

  
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スタジオからコンサート、会議室から映画館、オーディオ技術が発展するにつれて、サウンドシステムもどんどん複雑化しています。今の時代ではどこに行っても、いろんなサウンドシステムが見受けられます。今回のAESテクニカルプログラムでは、より優れたサウンドシステムを構築するために、一体どんなことを考える必要があるのかを紹介してくれました。講師はミシガン工学大学のJash Loar氏です。

まず基礎として、どんなサウンドシステムにしても、以下の9つのパートに分けられます。マイクやパソコンなどのインプット、コンバータ、コンソールなどのプロセッサー、コントロール用のパソコン、DSPのようなプロセッサー、クロック、アンプ、そしてアウトプットです。たしかに技術的なスペックから考えるエンジニアさんたくさんいらっしゃいますが、実は技術の話をする前にシステム構築の目的やその対象をはっきりする必要があります。

実際にひとつのシステムを設計しようとする場合、まずそのシステムの用途を明確にしましょう。そのサウンドシステムで、メタルのライブをするのか、ミュージカルの劇場で使われるのかを考えるのが第一歩です。

次に考えるのが、どんな場所で設置するのかという問題。極端な例として、廃棄した工場でライブする場合、その工場の建築上の強度はいったい何Kgまでのスピーカーを天井から吊り下げられるかどうかを確認しないと大惨事になる可能性があります。また観客・リスナー、いわゆる客層も大事なポイントの一つです。年配のお客さんが多い場合、高域をあまり求めなくても問題ないですが、若い人が集まるパンクのライブでは、よりパワフルな音出せるスピーカーが好ましいです。

その次に予算をあらかじめ決めて、それを厳守する必要があります。

具体的にハードウェアを選ぶときにもっとも重要なのは、適切なスピーカーと正しいスピーカーの位置です。Loar氏は「スピーカー以外のすべてはあくまでもスピーカーのために存在し、アウトプットがすべてだ」とおっしゃっていました。その次に予算や周波数特性などに応じてほかの必要なものを選び、実際にシステムを構築して行きます。

最後にもう一度予算やお客さんのリクエストをチェックし、より低いコストで高いパフォーマンスを持つサウンドシステムを構築できたかどうか確認してください。

以上の7つのポイントを常に意識しながら、サウンドシステムを構築すればどんなリクエストにも対応できるでしょう。

Technical Program
http://www.aes.org/events/147/program/

Writer. Angela Shu

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記事内に掲載されている価格は 2019年10月21日 時点での価格となります。

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