Rycote/Schoepsのブース。技術者と思われる方が質問に受け答えをしている事が多く、来場者が気になる点を詳細に聞き込んでいました。新製品の発表はこちらもなかったのですが、やはり目を引くのはORTF-3Dでしょう。
Schoeps ORTF-3Dは小型化されたCCM41とCCM41Vを組み合わせ、3D Audio/VRに対応するAmbisonics方式での録音を可能にする物になります。
Two-channel ORTFは2つのカーディオイドカプセルを使い、17cmの間隔をはなすことで110°をカバー。Four-channel ORTFはサラウンドシステムに対応し、10/20の間隔をあけることでそれぞれ80°/100°をカバーする方式としてSchoepsが提唱しているものになります。
その上位にあたるのがORTF-3Dで方式としてはAuro3DとDolby Atmosに対応。L,R,LS,RSの4chのlower、Lh,Rh,LSh,Rshの4chUpperの8chをミキシングすることで、360°をカバーする音場表現が可能になります。方法に関してはSchoeps社から詳細なpdfが配布されていますので省略しますが、現状では数少ないVR用のマイクと言えるでしょう。
RycoteではCycloneシリーズが展示されいました。こちらで使用されているマイクはSchoeps社のものになりますので、こちらのサスペンションが展示製品となります。サスペンションアブソーバーで振動にも強く、屋外の劣悪な環境下でもマイク自体に影響を与えないための工夫がなされています。また、本来はこの周りにドーム型の風防が追加されており、そちらも優れた音響透過性をうたっており、2本のマイクへの影響は最小でしょう。
こちらは更にマイクが追加できるCyclone DMSになります。ドーム型風防の利点を生かし立体的に録音するためにマウントできるマイクの数が増えています。
今回のNAB2017の傾向としてですが、VR環境もさることながら、屋外での録音に重きを置いているところが多いように感じます。360°の集音で疑似体験できる音場を求めて、より自然環境へのフィールドレコーディングを意識した製品展開が、全体での傾向なのでしょう。
Writer : Yosuke
記事内に掲載されている価格は 2017年4月28日 時点での価格となります。
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