Pro ToolsのDOLBY ATMOS対応の詳細情報が入手できました!!!ファーストリリースとは思えない、しっかりとワークフローが考えられた素晴らしい仕上がり。リリースが待ちきれない新バージョンです。先ずは、プレゼンテーション資料を御覧ください。ここからも十分にその実力を感じることが出来るはずです。
いかがでしょうか?DOLBYとのパートナーシップがここに来て十分な実力を持ったソリューションとして実現しています。倒叙う当初より、S6はもちろんですが、S5,ICONとの互換も取れているというのが、プロマーケットを十分に理解したリリースだと思いませんか?
更に、実際にPro Toolsを動かしてのワークフローの紹介がありましたのでスクリーンショットと共に、詳細をお伝えしたいと思います。
まずは、ATMOSミックスを行うために重要なバス。従来の7.1chに追加して、7.1.2、7.0.2があることが確認できます。Top L/Rがこれによりバスとして存在することになります。
パンナーは、Pro Toolsに統合され、従来のサラウンドパンナーと同じように使うことが出来ます。3Dビューとフラットビューが用意され、好みの物で操作が可能です。また、F/Rパンの際に、TOPを自動で通過する山なりの移動を行うモードなど、DOLBYのATMOS Pannerに実装されていた機能も継承されています。
バスは、このようにI/O設定内で表示されます。Lts,Rtsが確認できますね!こちらはバスの画面ですが、アウトプットの画面でも同じように表示されていました。
こちらはDOLBYが提供するSoftware Rendererの画面。こちらをバックグラウンドで立ち上げて、Pro ToolsからBed + Objectを送り込みます。この接続は、内部バスで接続されるようになるということ。
Pro ToolsとATMOS Rendererの接続はペリフェラルで行います。LocalでSoftware Rendererを起動していれば、このようにlocalのものが自動認識されるということ。もちろん、ネットワーク上にRMUがあれば、それも自動認識するということです。
更に、I/O設定のバスの画面でオブジェクトのマッピングを行います。マッピングされた先は先程のATMOS Rendererとなります。この設定を行った後に、
Pro Toolsに新しく用意されたオブジェクト欄で、任意のオブジェクトバスを選択します。
オブジェクトバスを設定すると、アウトプットが自動的にATMOS Rendererに接続され、パンニングデータも同じようにRendererに送り込まれます。ATMOS Monitorで実際にPro Toolsのパンナーから動いていることが確認できました。
この機能は、Pro Toolsの標準のパンナーの機能拡張として提供されるため、パンニングオートメーションとしてダイレクトにそのデータへアクセスが可能です。従来のDOLBY ATMOS Pannerはプラグインであったために、オートメーションを書くためには各パラメーターをActiveにする必要が有りました。それがなくなるだけでも大きな進化だと思いませんか?
更に、これまでDOLBY ATMOS Pannerで制作したセッションは、このメニューによって、一気にプラグインのオートメーションデータから、パンニングオートメーションのデータへと変換が可能。新旧のシステムでミキシングされていたとしても、この機能により、解決することが出来ます。
更に、考えられている!と関心したのがこちらのFoldDownの機能。ATMOS Rendererも、RMUもない環境でATMOS用のパンナーを利用したセッションを開いた際に音が出なくなることを回避するために、こちらでベッドのバスを選択肢しておけば、オブジェクト用に書かれたパンニングデータを単純にベッドバスへとアサインされることで、再現性の高さは別としてもおおよそのモニタリングができるようになっています。モニター環境さえあれば、Renderer無しで簡易的に仕込むことが出来るということですね!
このATMOS機能を搭載したPro Toolsは6月末にリリース予定。HDユーザーに提供されることになる予定だということです。完璧とも言える機能を盛り込んだ、ATMOSミキシングを身近なものとする、非常に強力なバージョンアップ。遂にPro Toolsが3Dパンニングを手に入れたということだけではない非常に強力な新機能。ATMOS普及の鍵となりそうな新バージョンです。
余談ですが、AURO,22.2などへの対応は?と聞いてみました。明確な答えは得られませんでしたが、考えていると思わせぶりな回答。ここまでの完成度のものがあれば、それほど難しくはないのではないでしょうか?他の方からの「Ambisonicへは?」との質問にも「もちろん考えているよ!」と。General SessionでのVR/ARが将来のキーワードというプレゼンも有りましたが、これらの機能が組み込まれる日が近い将来来ることにも期待したいですね!
Writer. Yosuke
Avid
http://www.avidblogs.com/ja/
記事内に掲載されている価格は 2017年4月23日 時点での価格となります。
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