ついにこの時が来た! NovationがSUPERBOOTH17で2つの新製品を発表です。迷路のようになったブースを奥へ進むと…
PEAK
新製品の一つ PEAK がお出迎え。PEAKは3オシレータ、8ボイス・デスクトップ・ポリフォニックシンセです。
気になるのはオシレーターに採用された「Oxfordオシレーター」。これはNoavtionのNova/Super Nova IIの開発者であるChris Huggett 氏が立ち上げたOSC (Oxford Synthesizer Company)をうかがわせるネーミングです。どういったものなのかは続報でお伝えしますが、これは2つの方式を持ったデジタルオシレーターです。
一つはメーカー曰く「高品質のNCO(数値的に制御されるオシレータ)により完全なアナログサウンドになる」。というアナログシンセスタイル。そしてもう一つは17のウェーブテーブルを持ったウェーブテーブル方式となります。
アナログライクなNCOとウェーブテーブルはクロスモジュレーションによりさらに複雑なサウンドに変化させることができます。
8ボイスのPEAKはボイスごとにレゾナント・マルチモード・アナログフィルタを搭載。さらにボイスごとにプリフィルタ、ポストフィルタ、グローバルの3ポジションにディストーションを配備するという徹底ぶり。ソフトシンセとプラグインによるディストーションテクニックをそのままハードウェアシンセで活かせますね。
他にはアルペジエーター、コーラス、リバーブでサウンドをよりゴージャスにエディット。
PEAKは背面にMIDI In/Outと、他のモジュラーシステムとの統合を可能とするCVモジュレーション入力を装備。またUSB端子はパッチエディットのためのComponentsソフトウェアをインストールしたPC/Macと接続の為に使われます。
強力なウェーブテーブルオシレーターとボイスごとに置かれたフィルターとディストーションがPEAKの特徴でしょう。上記しましたが、PEAKはソフトシンセとプラグインを使ったテクニックがそのまま使える、ソフトシンセと張り合うハードウェアシンセだと思います。
Circuit Mono Station
こちらはマトリクスタイプのシーケンサー付き2ボイスモノシンセCircuit Mono Station。先に発売されている単体グルーブマシンCircuitとは似て異なるものです。
Circuit Mono Stationはインパクト大の32ベロシティ対応RGBパッドが合計32個並んだシンセサイザーとは思えないルックス。リズムマシンみたいでしょ?違うんです。シンセなんです!
Circuit Mono Stationはモノシンセサイザーを2基搭載。3つのモードを持つディストーションと、ハイパス、ローパスの12dB/24dBフィルター。
シーケンサーは3トラックあり、2つがモノシンセそれぞれ。もう一つがモジュレーションの為だけに使われます。このモジュレーショントラックはCV outを経由して外部機器へモジュレーションソースを届けます。
Circuit Mono StationにはAUDIO IN/OUT 、MIDI In/Out、USB、CV、GATEの入出力が備わっています。これでDAW、デジタル機器、アナログリズムマシン、モジュラーシンセ、エレキギターほかありとあらゆる楽器をつなぎ拡張することが可能です。メーカーもそういった使い方を推奨しているようで、その証拠にCircuit Mono StationにはなんとLive liteがバンドルされます。
まるでableton live9の専用コントローラーPUSHのようにマトリクスで入力するシーケンサーは、鍵盤を使ったそれとは違いDAWとソフトシンセを使った作曲に似ているかもしれません。Circuit Mono Stationはこれまでの枠からはみ出るライブスタイルのシンセサイザーと言えるでしょう。
新製品のPEAKとCircuit Mono Stationにたどりつくまで、歴代の有名シンセサイザーを時代順で展示していたNovationブース。
言葉は無くとも歴史の重みを感じさせる展示が印象的でした。
Writer.Tomtia
記事内に掲載されている価格は 2017年4月21日 時点での価格となります。
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