こちらは昨年のSUPERBOOTH17でベータ版を取材したNERDSEQのトラッカースタイルのシーケンサーモジュール「Hybrid Tracker Sequencer」の完成版です。
すでに発売もしていて価格は470€。12のCVアウトプットと6つのTrigger/Gateアウトプットを持ち、さらにサンプラー用の2つの独立したオーディオアウトプットも備えます。12のCVアウトプットはCV6にMOD6という分け方がされており、つまり1トラックにつき1CV/1Trigger/1Modアウトという構成になっています。またサンプラーも備えており、6Trackシーケンサー+2サンプルシーケンサーとなっています。サンプルの読み込みやOSのアップデートはSDカードで行います。
シーケンサーは64ステップまで組めてトラッカータイプならではの素早い打ち込みやライブにも使えますね。面白いのがノート情報をエディットするときに、ノートとオクターブを別で変更できるところです。これのおかげでオクターブをいじった別バージョンのフレーズみたいなものが簡単に作れます。またシーケンサーはグライドやクオンタイズはもちろん、グルーヴや面白いところではPropabilityも操作することができます。偶発サウンドの面白さはシーケンサーにも必要ですよね!
また、モジュレーションマトリックスのような機能もあり、ソースのLFOなども波形の選択からオフセット、インバートなど細かく設定できます。インターナルコントロールだけでなく、MODアウトからソース波形を出力できます。さらに複数のLFOをマージしてMODアウトから出力することもできるので、複雑な波形を作り出すこともできます。
またこのNERDSEQはエキスパンダーが非常に充実しています。I/O EXPANDERを使えばMIDIのIN/OUTが拡張され、外部MIDIからのシーケンスレコーディングや、外部機器の演奏が可能になります。
さらにゲーム機のコントローラーでTrakerをコントロールしたりもできるとのこと。これは面白いですね。どうしてこの機能をつけたんですか?ときたら「僕がナードだから!」と仰っていました!
そしてTriggerとCVを拡張する「More Triggers 16」「More CV 16」が開発中で、これを付ければ非常にハイスペックなゲートシーケンサーとしてシステムの中核を担うようになりそうです。
また注目なのが「MATRIX INPUT」です。これはシーケンサーへのデータ入力に用に使うとの事。カーソル操作から離れて直感的に打ち込むことができるようになるみたいです。展示していたのはプロトタイプでまだできませんでした。
本当に作者の情熱が溢れている面白いブランドです!
XOR Electronics
https://xor-electronics.com/
Writer:Shibuya
記事内に掲載されている価格は 2018年5月4日 時点での価格となります。
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