Cre8audioは全ての人が気軽に制作や演奏にモジュラーシンセを組み込めるように魅力的な価格で質の高い製品を提供することをモットーとしている新興モジュラーデベロッパー。
会場には新製品となるEast Beast、West Pest、NiftyKEYS、そしてコスパの良さと絶妙なサイズでユーザーを増やしているNiftyCASEに納められた、Capt’n Big-O、Mr.Phil Ter等のモジュールが展示されていました。Pittsburgh Modularが開発協力しておりアナログオシレーター等のサウンドは折り紙付き。
East Beast
その名の通り、東海岸スタイルのフルアナログのセミモジュラーシンセサイザー。MOOG等に代表される東海岸スタイルの特徴はファットなアナログオシレーターと、サウンドキャラクターを決定づけるVCFにあります。このEast Beastも小さな筐体の中でこれでもかと言わんばかりにフィルターのカットオフノブを大きく作っています。
さぁこのEast Beast。一見シンプルですが中身は豪華かつ高機能で驚きました!ポイントをご紹介します。
まずアナログOSCはPittsburgh開発の第5世代を搭載。巷に溢れかえるクローン、オマージュものではなく100%自社設計。Pittsburghらしい芯のハッキリとしたサウンドです。
そしてフィルター。一般的なトランジスタラダーフィルターをじっくりと追い込み、単なるMOOGサウンドのコピーとはかけ離れたクリーミーで暴れん坊なフィルターに仕上がっています。彼らはデッドスポット無しを強調しており、調整のシビアさが伝わってきます。LP/HP/BPのマルチモードフィルターになっている時点で従来の東海岸スタイルから一歩抜け出た表現が可能になってますね。これもPittsburgh謹製。
また本体に最大32ステップのステップシーケンサーが搭載されていたり、アルペジエイターはクロック出来たりとスタンドアローンの小型アナログモノシンセとしてかなりの完成度を誇ります。そしてMIDI-CVコンバーターが入っているので外部MIDI機器との連携やDAW環境にもさっと取り入れることができます。欲しい!
West Pest
もうお分かりですね。こちらはBuchlaに代表される西海岸スタイルです。西海岸スタイルにもコンプレックスオシレーターやローパスゲートなど著名な特徴がありますが、このWest PestではPittsburghカスタムのウェーブフォルダーや、ダイナミクスコントローラーを搭載し、その個性を決定づけています。ダイナミクスコントローラーはPitsburghのお家芸とも言えるものでENG/VCA/LPHを組み合わせて、ゲートが入ると打楽器が反応するような速度でフィルターが開き、色っぽく閉じていくローパスゲートのような特徴的な減衰を作り出します。
どちらもシャーシと取り外して40HPもユーロラックモジュールとしても使用できます。
どちらも実勢売価は249.99ドル
NiftyKEYS
これはすごい!4系統のCV/Gate出力があり、49鍵キーボードのゾーンごとに出力を分割できるようです。112HPなので好みのOSCを4発入れてポリフォニックにしたりもできます。そしてその特徴を活かす外部同期可能なマルチモードアルペジエイターやオートコードモードなども充実。モジュラーシステムでポリフォニックを実現するのはかなり面倒ですが、これで一段ハードルが下がりますね。バッファードマルチも二つついているのも痒いところに手が届いていますね。そしてMIDI、USB-MIDIも付いているのでかなりクリエイティブなマスターキーボードとしても使用できます。実勢売価 599.99ドル
NiftyCase
84HPで実勢売価199.99ドルの好コスパラック。NiftyKEYSもそうですが、CV/GateアウトとUSB-MIDI-CVコンバーターが標準で搭載されてるのでableton Live等のDAWからMIDIを送ってそれをCV/GateやMODに変換して出力できるのが非常に便利ですね。これはDAWユーザーがシステムに組み込むファーストセットに最適だと感じます。
Cre8audio、めちゃめちゃ良いですね!
Cre8audio
https://www.cre8audio.com/
記事内に掲載されている価格は 2022年6月4日 時点での価格となります。