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03
Apr.2024
HOW TO

BUILD UP YOUR STUDIO 2024!モニターキャリブレーション比較 by PD安田

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みなさんこんにちは、PD安田です。
最近発売となりました注目のIK Multimedia ARC STUDIOですが、今までモニターにマイクを接続し、本体のスピーカーをキャリブレーションできるiLoud MTMが注目を浴びておりましたが、その機能をハードに詰めたのがこの機種になります。

おそらく本製品のレビューは多方面から上がってくるかと思いますので、このキャリブレーションできるシステムの初期設定から測定内容まで比較をしていきたいと思います。

目次

0:まず初めに

1:セッティング編

2:セットアップ編

3:無事に測定できたら、結果を見つつ、どのようにEQの調整が可能か見てみましょう!

4:大きく4つの分類にまとめ

0:まず初めに

IK Multimedia
ARC Studio
¥38,500
本体価格:¥35,000
480ポイント還元
IK Multimedia
ARC Studio アップグレード
¥44,000
本体価格:¥40,000
660ポイント還元

まず初めに新製品ということでIK Multimedia ARC STUDIOからみていこうと思いますが、ARC Systemは以前からマイクとプラグインソフトのセットで展開されており、割とその歴史も古く、長年愛用されている方も多かったのではないかなと思います。(今のバージョンはARC 4になります)

これまでは記載の通り ”プラグイン” でしたので、DAWで使用する際はプラグインとしてインサートしなければなりませんでした。それでも測定後のスッキリさや、モニターのシミュレーションなどが初期からありましたので、愛用している方は多いのかなと思います。

しかしその弊害として、DAWで書き出す際はバイパスにするなど注意点がありましたが、そのデメリットを解消したのが iLoud MTMシリーズに始まり、そしてこの本機「ARC STUDIO」が、モニタースピーカーの自由度を上げてくれました。

私自身、GENELECのGLMやSonarworksの測定は実演もしたことがありますが、ARC STUDIOは初めてなので実際に触って、加えて他社の違いなどのコメントを交えてみたいと思います。なお、この記事とはまた別に他社も個別にレビューしていきますので、それではいざ!

1:セッティング編

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さてやって参りました、セッティング編です。ARC STUDIOというハードが存在しますので、インターフェースから本機の接続、そこからさらにスピーカーに繋ぐ必要があるので、最低でも出力で4本のケーブルが必要になります。

そして、測定するARCマイクもファンタムが必要で、当然ではありますがインターフェースに接続用に1本が必要になります。今回はRME Babyfaceでやってみました。

ここまでインターフェースを常設している方はモニタースピーカーへの接続に中間点がくるのと、インプット用にマイクを接続する必要があるので、ケーブルなど用意を事前に行ってください。(結構忘れがちかも?)

★この段階で他社との比較

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【GENELEC GLMシリーズの場合】

  • 対応しているGENELEC 83xxモニターが必要(GENELECのみ)
  • 測定するために専用のハードが必要(GLM Kit)
  • インターフェースから接続するケーブルはスピーカーへ繋ぐ最低2本でOK(マイクなどはインターフェースに繋ぐ必要なし)
  • 測定結果はプラグインとしてインサートしなくてもOK
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【NEUMANN Automatic Monitor Alignment】

  • NEUMANNのDSP搭載モニターが必要
  • 専用マイクが別売り
  • インターフェースにマイクを接続する必要がある
  • Mac/PCとはLANでも接続をする必要がある
  • 測定結果はプラグインとしてインサートしなくてもOK
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【Sonarworksの場合】

  • ARC 4と同じくプラグイン管理のため、基本はDAWにインサート
  • インターフェースにファンタム供給&接続が必要(測定マイク用)
  • 専用のマイク(基本はソフトと一緒に購入可能)本体とそのシリアルが重要
  • スタンドは不要で、手に持ちながら測定が公式(いろんな個所で測定があるため)

2:セットアップ編

アカウントの登録からインストールの手順は割愛しますが、IK Multimedia製品は基本的に「IK Product Manager」にてシリアルの登録、インストールを行います。

アクティベーション回数などの管理もこのマネージャーアプリで管理ができますが、十分すぎるほどの回数があるので複数のサブMacなどで管理しつつ、運用できるのはポイント高いです。

それでは無事にインストールが完了したら、アプリの動きを見ていきましょう!

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アプリを立ち上げる前に、ARCの場合は2つのアプリがインストールされまして、ARC4というのと、ARC 4 Analysisがあります。測定の方は後者の「ARC 4 Analysis」になります。

ここから進んで行くと、まず初めにマイクの選択があります。そういえばARCシリーズは、前はARC Systemというソフトとマイクがバンドルされて売られていた時期から、今は同社のスピーカー「iLoud MTM」にも測定マイクが付属されております。なお今回のARC STUDIOは新規の方はマイクもセットですが、iLoudを持っていたり、過去のARC Systemをお持ちで、マイクをすでに持っている方はアップグレードが用意されております。

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ここでどのマイクを持っているか選びますが、最近のは黒いやつになりますね。
続いて、キャリブレーションすべくインターフェースの設定です。ここはSonarworksと近い部分がありますね。普通にお使いのインターフェースを選びます。

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続いてマイクの設置についてイラスト付きでわかりやすく説明がされます。

ここはSonarworksでも同様な説明がアプリ上で言われますが、IK Multimediaは割とシンプルではないかなと思っております。

この先に進むと、実際にスピーカーのレベル、そしてマイクの入力レベルを調整する項目に進みますが、適切なレベルに合わせれば何回かのOKが出て次に進めます。

ここも割とSonarworksと近い部分があります。なおGENELEC、NEUMANNにはこういうガイドはなく、GLMに至ってはこういったポイントを知ってるが前提としているので、アプリ上においては説明はないかと思います。別に難しいことはなく、耳の高さにマイクをセットしてねという感じで、理想の位置は下の画像の通りです。

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さあ、やって参りました本製品のメインとなるイベントですが、ARCでは早くて気軽な7ポジションか、3レイヤーの21ポジションか選択可能になっております。

部屋の反響具合もありますので、よりレイヤーが多い方がデーターもより正確性が増すかなと思います。ちなみにARCの場合はこの21ポジションというと、高さ違いで低、通常、高という具合のそれぞれ7ポジションという内容で測定を指示されます。

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★ここから他社製品とのセットアップとの違いを比較

【GENELEC GLMシリーズの場合】

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  • まずGLM KitをMac/PCにUSBで接続し、そこからLANケーブルで数珠繋ぎにてGENELECのモニターに接続します。(もちろんですがGLM対応のモニターに限ります)
    →ちなみにLANケーブルは83xxないしは73xxシリーズには付属しております

  • 83xxの配置状態をアプリ上でも設定をする、選んでいる時ノイズがなります。(サラウンドをやるには便利な機能ですね!加えてモニター識別も可能)
  • オーディオインターフェースはキャリブレーション時には経由しないので、音量調整などは存在しない。(詰まるところ識別時やキャリ部レーションの時、一定のサウンドが再生されます。)
  • スピーカーのファームアップが存在する
  • ステップ毎のキャリブレーションはなく、スイープ音、各モニター一回のみという、とても簡単
    →そもそもインターフェースを使用しないので、マイクのレベル調整など不要なのもポイントです。

【NEUMANN Automatic Monitor Alignmentの場合】

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  • LANケーブルと、LANのハブが別途必要になります。
    →GENELECの場合は専用のGLM kit自身にLANポートがあり、そこから数珠繋ぎでOKですが、NEUMANNの場合は各スピーカーにLANポートが一つになっているためハブが必要です。

  • スピーカー本体背面の右側にLocalで使用するかNetworkを使用するかのスイッチ切り替えがあります。MA1を使用される際はNetworkに切り替えてください。
  • NEUMANNのキャリブレーションは7回行われます。位置などは動かす必要はないので、ちょっと時間かかりますが、こちらも割とシンプルかなと思います。
  • ARCと同様にマイクのファンタムが必要で、マイクの入力レベル、スピーカーの出力レベルを事前にコントロールする必要があります。

【Sonarworksの場合】

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  • 専用のマイクをお使いのインターフェースに接続し、ファンタムを送り使用する(ARC、NEUMANNと同様ですね)
    →アプリのセットアップ段階でマイクの入力レベルやスピーカーの出力レベルが適切かの調整する項目があります

  • さらに他社と違う点では、マイクの特性もしっかりデータ化されており、シリアルを入力して進むと画像のようなマイクの特性結果も現れます。
  • 案内が映像付きでわかりやすい。
  • 測定のポイント数が多い!細かく測定します。

3:無事に測定できたら、結果を見つつ、どのようにEQの調整が可能か見てみましょう!

まずはARCからになりますが、キャリブレーションアプリとは別に「ARC 4」というアプリを起動します。するととりあえずはEQ的な画面が出てきますが、ここでMEASUREMENTという項目がありますので、先ほど測定したデータを読み込みます。

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すると見慣れた部屋の特性が表示されますが、ARCの場合はLとRが一つの画面で表記されるので、慣れればとても見やすいです。なんということでしょう、BeforeとAfterと表示も色違いで確認でき、50Hzと180Hzあたりの癖が大きく変化しているのがみて取れます。Targetは結果に対してここを目指しますという感じになるかと思いますが、頑張ってフラットに近づけてくれているのがわかります。

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そしてARC 4の特徴でもあるこのTargetはプリセットが用意されており、自身でカスタムも可能です。

ARCの場合は、ちょっとホームオーディオ的な発想で、普段は通常のサウンドで聞いているが、より極端なシチュエーションで設定をしておき、この場合ではどう聞こえるか?的なセットでより比較環境を強化できるのが良い所かと思います。

★続いて他社製品の結果も見ていきましょう!

【GENELEC GLMシリーズの場合】

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GENELECの場合は最初に配置したスピーカーアイコンをクリックすると、それぞれの結果が個別に表示されます。

EQのポイント数は個体によって違うようですが、数値で調整していくイメージになります。これは個別表示にするにあたり、数値の方が複数個体を調整し易いからだとおもいます。なおARCの場合は6ポイント+High Pass、Low Passの仕様で、±6dbの調整が可能でした。

あと、GLMの特徴としては、レベルの個別調整とDelay機能があり、天井とメインのスピーカー距離とレベルに差が出た際に調整が可能です。

【NEUMANN Automatic Monitor Alignmentの場合】

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続いてNEUMANNになりますが、こちらはより細かくEQ設定が可能で、8ポイント+High、Low Shelfの設定になります。加えてQ幅も調整可能なため、よりルームチューニングの追い込みも可能となっております。従って、GENELECやNEUMANNの場合は、ルームに対してのその部屋の調整に限らず、キャラクターの付与など工夫も可能かなと思っております。

【Sonarworksの場合】

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最後にSonarworksですが全部で10ポイントのターゲットを作ることが可能です。プリセットにもMacBookの本体スピーカーとか日本のテレビ、韓国のテレビを想定したEQターゲット設定が可能で、既存の曲を変化させてリファレンスすることができます。ARCと比べると、EQのターゲットが細かく設定ができるのがこの製品の大きな特徴になるかなと思います。

4:大きく4つの分類にまとめ

以上、それぞれのアプリの動きや結果の比較をしていきましたが、ざっくり環境変化を求めるか、それともシビアに変化させて補正をするか。対応している専用のモニターを選ぶか、既存のモニターに対して行うか。大きく4つの分類に分けられるのかなと思っております。

まとめると


・気軽にモニタリング環境変化可、さらにモニタースピーカーの自由選択可(気軽)
ARC Studio(プラグインとして使用必須)


・環境変化とシビアに環境を向上が可、かつモニタースピーカーの自由選択可(万能)
Sonarworks(プラグインとして使用必須ではないが推奨)


・専用のモニターでシビアに、サラウンド路線も可、故にシンプル(複雑化に対応)
GENELEC 83xx & 73xx GLMシリーズ(*プラグイン不要)


・専用のモニターが必要だが、実は自由度が高い
NEUMANN MA1(*プラグイン不要)


*プラグインが不要なGENELEC、NEUMANNはレイテンシなど気にせずシステム化ができます。

こんな感じで差別化できるかなと思っております。ご参考いただければ幸いです。

測定の結果に関しての実際に聞いた感想としては、低域の聞こえ方がメーカーによって癖と言いますか、聞こえ方にこだわりを感じます。別にどれが良いとかはございませんので、現在使用中の機材に合わせて考えるか、あるいは新規で新しく揃えるかに合わせて検討いただければと思います。是非に楽しんでもらえたらと思います!

IK Multimedia
ARC Studio
¥38,500
本体価格:¥35,000
480ポイント還元
IK Multimedia
ARC Studio アップグレード
¥44,000
本体価格:¥40,000
660ポイント還元
GENELEC
8300-601 (GLM 2.0キット)
¥55,000
本体価格:¥50,000
825ポイント還元
NEUMANN
MA 1
¥41,580
本体価格:¥37,800
1247ポイント還元
Sonarworks
SoundID Reference for Speakers & Headphones with Measurement Microphone ★在庫限り特価!
¥39,798
本体価格:¥36,180
1990ポイント還元

記事内に掲載されている価格は 2024年4月3日 時点での価格となります。

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