ADAM AudioのD3VとS2Vを試してみてほしい!ということでデモ機を借りる機会がありまして試してみました。
先に結論を言ってしまうと「かなりよかったです」。
ADAM Audioのラインナップ
ADAM Audioのスピーカーラインナップは基本的に大きく分けて3つのラインナップがあって、
Tシリーズ → エントリークラス
Aシリーズ → ミドルクラス
Sシリーズ → ハイエンドクラス
と用意されていて、さらにそれぞれのシリーズで様々なサイズが展開されており「それぞれのシリーズのなかから、部屋に合った大きさを選んでね」という具合になっています。
これに加えて、D3Vという机の上に置いて使うようなことを想定されて作られた小さなスピーカーがリリースされて、これが結構良いみたいでSNSを見ていると音楽制作ではもちろん、それ以外の方々も含めて話題になっていますね。
まずはD3Vを
箱から出しての印象が「軽っ、ちっちゃ!」です。ほんとにこんなので良い音するのか!?と不安になるレベルです。笑 大きさ的には、男性の手の大きさなら片手でぎりぎり鷲掴みできるくらい。この手の小さなスピーカーだと、入力がアンバランス接続仕様になっていることが多いのですが(平たく言うと、ノイズ耐性があまりなくてプロオーディオではあまり採用されていません)しっかりとバランス接続仕様なのは嬉しいですね。
なにやらUSB Type-Cのポートもあるのでなにかな?と思ったらType-Cでコンピュータやスマートフォンに接続すれば、オーディオインターフェイス要らずでそのまま音が出ちゃいました。これからDTMを始めたい、という人にはオーディオインターフェイス買わなくても済みます(下手に安いの買うよりD3VにType-Cで直接接続のほうが音が良い可能性もあります!)。出張先のホテルに簡易な制作環境を持っていきたい用途とかにも良い感じですね。ただしType-Cで接続する場合のサンプリングレートは48kHzまでの対応なのでそこだけ注意が必要です。
また、本体底面にはネジ穴があり、マイクスタンドをスピーカースタンド代わりに利用することもできます。とはいえこのスピーカーのユーザーはたぶん「気軽に机の上に置いて、そのまま使う」という方が多いと思うので、それ用の台座(机など低い位置に置いたとき用のもので、傾斜がつきます)も同梱されていました。
背面にはEQスイッチがあって、「机の上に置いたときに膨らみがちな帯域を補正してくれるスイッチ」「壁際に置いたときに膨らみがちな帯域を補正してくれるスイッチ」などがあるので、作業環境に合わせて多少の補正が本体でできます。
肝心の音質は、見た目に反してかわいくないというか、しっかり低域まで出ています。音量的にも自宅で使う分には結構大きな音量まで出せちゃいます(さすがに、ある一定の音量を超えると無理して鳴らしてる感は出ちゃいますが近所迷惑にならない範囲で鳴らしてる分には問題ないと思います)。
ツイーター(スピーカーの、高音域を担当している部分)がリボンツイーターになっているというのがADAM Audioの特徴なのですが、これのおかげか演奏のニュアンスが分かりやすい印象があります。なによりこの気軽に使える感じは、ゆくゆくはハイエンドなスピーカーを買ったときにもサブモニターとしても使えるのがいいな、と思いました。
続いて、ADAM AudioのフラッグシップシリーズにあたるSシリーズのS2Vを聴いてみます。
S2VにはEQ機能が搭載
S2Vには6バンドの(6ポイントの)EQが搭載されています。プリセットをいくつか保存したりすることもできるのでシチュエーションに応じて切り替えしたりこともできるようです。
我が家では142Hz辺りがブーミーになる傾向にあるので、その辺りの周波数を内蔵EQで下げました。この辺りがコンピュータやI/Oではなくスピーカー側で調整ができるというのがポイントで、うちのシステムだとI/O → モニターコントローラー → ヘッドホンアンプというふうに繋いでいるので、コンピュータやI/Oで調整してしまうとヘッドホンの音にも影響が出てしまうんですよね。スピーカー側で解決できるのはありがたいです。
実際にミックスで使ってみました
D3Vと同じくリボンツイーターのおかげか、演奏の細かいニュアンスが非常にわかりやすかったです。生演奏のレコーディング/ミックスをやることが多いのでこれは結構良い印象。これはレコーディング用のモニターとして使っても良い働きをしてくれそうです。D3Vも良かったのですが値段分の違いというか、S2Vは何段も上のレベルでそれを聴かせてくれる感じです。
ローは非常に締まった感じで、音の長さを正確に伝えてくれている感じがします。ローがだらしない感じだと量感を見誤ることがあるのでとても大事なポイント。
そのあと書き出したものをほかの環境で聴いてみても大きく印象が変わることはなく。パッと聴いた感じ良いスピーカーだなと思ってもバランス感が分かりにくかったりするとほかの環境で鳴らすと「あれ?」ということがあるのですがそういうこともとくにありませんでした。
そして価格を調べてみたら意外と思ったほどではなく。発売からそこそこ経っているのにあんまり話題になっていない印象があるのはやっぱり補正がないから?笑 でもそんなにそこは問題にならないスピーカーだな、と感じました。欲しいですw
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記事内に掲載されている価格は 2025年9月30日 時点での価格となります。
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