1985年創業のApogeeが、今年30周年を迎えるということで、パーティーが開催されました。光栄なことに我々Media Integration も日本代理店ということで、輸入事業部のスタッフとともに御招き頂き参加してまいりました。
煉瓦造りの素敵な外観に光るApogeeのロゴ。こちらがサンタモニカにあるApogeeの本社。素敵な作りですね。本日のパーティー会場となります。
入り口はレッドカーペットならぬパープルカーペット。カンパニーカラーに揃えられていて素敵です。
中に入ると、綺麗に活けられた花と、エコバック。やはり、テーマカラーはパープル。花もパープル系で統一されていて綺麗です。そして、壁に飾られたゴールドディスク。もしかしてなんだか、ものすごいかしこまったパーティなのかとドキドキしながら入っていくと、そこはApogee Museumと化していました。
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紫の照明で各スペースに配置されたのは歴代のApogee製品と、それぞれの世代の代表的な製品たち。
Apogeeの全てはここから始まりました。1985年にDigital Filter である944-Sと944-Gを完成。翌年の1986年にアップグレードされ、Sonyやオタリ、三菱などのデジタルレコーダーへ搭載されました。当時はSony PCM3324が$130,000。それに対して944は$5,445。944 FilterはSony OCM 3324のためにアップグレードされたモデルだそうです。そして、944-Gおよび944Sは1988年にTech Awardを受賞しています。
そして、同じブースに展示されてるのがこちらのオープンリールテープと、SSLのフロッピーディスク。オープンリールはSonyの3324で使用されていたテープですね。そして、SSLのフロッピーディスクは名機であるSSL 4000EのCPU用ドライブ。オートメーションを書き込むためのフロップーディスクです。現在スタジオなどで使用されているSSL 4000シリーズはこの次のモデルのGシリーズですが、コンソールデザインは4000EからG Plusまで受け継がれることとなります。
そして、時代は1990年代に移ります。1991年、Apogeeは自身初のスタンドアロン機であるAD/DAコンバーターのAD-500、DA-1000を発表します。そして、見事に翌年の1992年にAD-500がTech Awardを受賞。DA-1000は遅れること2年、1996年にTech Awardを受賞しています。
ラックの上から2番目にラッキングされている一番左のつまみが5つ付いているのが、AD-500。真ん中のはDA-1000です。
この頃、録音メディはオープンリールのほか、DATが出て来始めた頃ですね。
そして、1994年、CDエンハンサーであるUV1000を発売し、Tech Award受賞。この頃音楽市場ではミリオンセラー、ダブルミリオン、トリプルミリオンなんて単語が聞こえていた頃ですね。Michael JacksonのBlack or Whiteがこのリリースされています。機材的には、Apple ComputerからはPower Book G3が発売されました。
そして、次に発売されたのがAD-8000。1997年にTech Awardを受賞しています。この頃、マルチ録音が一般的になってきた頃で、ハードウェアではTASCAM DA-88が出て来た頃です。AD-8000はこの頃からマルチレコーダー向けの商品を徐々に出してきています。
こちらの写真では、DA-88と組み併せた広告となっていますね。注目すべきは、もう1台展示されていたAD-8000の広告。「The Perfect compation for Pro Tools.」実は1998年にPro Toosに対応したDigiLinkポートを搭載したボードをリリースしました。
そして時代はいよいよ2000年に移り、怒涛のハードウェアリリースが始まります。まず2000年にApogeeからはTrack2がリリース。翌年の2001年にTech Awardを受賞します。さらに翌年には2001年にリリースされたBig BenがTech Awardを受賞。
そして同じ年の2002年、The Mini SeriesがBlue Ribbon Awardを受賞。
2005にはRosetta 200がTech Awardを受賞。
そして、Apogeeの代名詞とも言えるEnsembleがリリースされたのが2006年。翌年にはTechAwardを受賞。
翌年の2007年にduetがリリースされ、2008年にTech Awardを受賞しています。
2000年前半頃の機材といえば、Apple Composerからは持ち運べるiMacというコンセプトで作られたiBook (クラムシェル)が流行しました。今までのパソコンからは一線を博したデザインで大人気だったiMac。30代後半であれば、懐かしいモデルではないでしょうか?このデザインで、Appleコンピューターを使い始めたという人も多かったはず。
そして、いよいよインターフェイスのフラグシップモデルであるSymphonyが2010年登場いたします。
その後、MicやJAMを経て、2010年代のハードウェアリリースラッシュへと突入します。
ONE for iPad & Macを掲げて、One、duet、QualtetがiPad対応しました。
そして、時代は今、Ensemble はThunderbolt対応、Symphony I/OはMK2となりました。
みなさん、どうでしょう?立派なApogee Museumが1日限定でオープンしていたんです。機材を見ながら、懐かしいなと思いつつ、ついつい「あぁ、懐かしいなぁ。あの頃こんな機材使ってたなー。」なんて思い出にふけってしまいました。極め付けだったのは、この写真。
新旧Symphonyが並べらています。なぜかこの写真を見た瞬間、「世代交代」の4文字が浮かんでしまいました。たった5年しか経っていないのですが、なんでしょう。哀愁を感じてなりません。
こんな展示もありました。「G4 グラファイトが起動してる!!しかも、Pro Tools動いてる!!」と驚きを隠せませんでした。先ほど展示にあったiBookもそうですが、Apogeeの方々の機材に対する愛情を感じられる展示で、無性に嬉しくなりました。
余談ですが、このPro Toolsのアイコンを見て、時代の流れを感じてしまいました・・・。
museumコーナーを抜けると、そこはAmerica’n Party!!な会場が広がっていました。
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壁面には、80年代から2000年代までのタイトルのポスターが貼られており、まるでその時代にトリップしたかのようでした。実はここ、普段は倉庫として利用されているそうです。先ほどのミュージアムは、営業フロアだそうです。デスクの間のパーテーションをうまく利用した展示でした。
そして、野外のスペースもとても華やかでした。100インチはあろうかというLEDスクリーンには、2000年代の音楽がエンドレスで流れており、とても楽しい雰囲気になっていました。
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実は、Apogeeは会社の中にスタジオを所有しています。ブースはステージスペースまであり、そこでは往年の名曲をカバーしたライブが行われておりました。
もちろん、音楽スタジオですから、コンソールもあればPro Toolsもある。ということで、このライブを収録していました。
手前のMacBook ProはLogicですかね。Altiverbも見えます。
Console上にはiPadが置かれており、PT | Controlが起動していました。モニタ代わりに使うとは、工夫されていますね。想像外の使用法でびっくりです。しかも、Old Neveのコンソールの上に置いてしまう感覚、好きです。
そして、そのOld Neveコンソールのフェーダーを握るのが、なんとあの有名なBob Crearmountain氏!!
とっても気さくな方で、カメラを向けると表情を作ってくれました!!実は、Bob氏の奥様はApogeeの創設者でCEOでもある、Betty Bennett氏だそうです!
さらにコンソール横で、見たことのある人物を発見しました。
そう、CHris Lord-Alge氏です!!Green DayやU2、NickelBackなどAlternative Rockのエンジニアですね。WavesのSignature Seriesで顔写真が載ってますので、「あれ、このキャップをかぶっている人、見たことある。」そう思った方も多いはず。
スタジオのロビーにはBon Joviの名曲「It’s My Life」やBryan Adamsの「Everything I Do I DO It for You」などで使用されたSony のPCM3348が鎮座していました。しかも、電源が入っているのがお分かりいただけますでしょうか?ミュージアムでの機材の保管状況の良さから推測するに、きっとこのPCM3348は完動品であることは間違いないでしょう!!リモコンも綺麗な状態を保っています。
ライブもパーティーも楽しく、これが本当の「パーリーピーポー」だ、と思いながら楽しいひと時を過ごさせていただきました。この場をお借りしてApogee社の30周年をお祝いするとともに、お招きいただいたことを感謝いたします。今後もより良い製品をリリースして、世界の音楽シーンを牽引くれることを期待します。
記事内に掲載されている価格は 2016年10月3日 時点での価格となります。
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