この春人気を博したBuild Up Your Studio企画が2016Summer版として復活!第一弾ではAiji氏のWonderHolic Studioが登場! 同スタジオ施工を担当したアコースティックエンジニアリング社 入交氏を迎え、施工観点からスタジオを解説!制作される音楽とのマッチングを前提に、スピーカーのポテンシャルを最大限引き出すスタジオコンセプトに迫ります!
集合住宅内の24時間稼働の制作スタジオとうことでフローティング構造とし隣接住戸に対してはD-75以上の遮音性能となりました。モニターSPはGenelec1030AでMax90dB程度の音量を想定しています。
スタジオの形状については固有モードが分散するよう最適化しました。また吸音面に関してはある程度の厚みを持たせ極力中低域まで吸音できる構造としています。これにより大きなピークディップのない比較的フラットな音場が得られています。
モニタリングポジションに対する一次反射面を中心に吸音材を配置し、影響のない壁面に関しては極力反射面としました。これにより平均吸音率0.4程度のモニタールームとしては比較的ライブな音響となっていながら、明確な音像と定位感が得られています。
バッフル面に関しては吸音面と剛性が高く厚みと凹凸のある大理石の割石タイルとし、吸音と拡散の混在した構成としています。その他の反射面も材質に拘り、堅木の無垢フローリング、漆喰塗り、大理石タイルとしています。
これによりソリッドで立ち上がりの早い響きが得られ、特にバッフル面の大理石はGenelec1030Aの抜けがよく解像度の高い音質と非常にマッチしています。
アイソレーションダウントランスを導入し100V、117Vを取り出し、ケーブルに関してはCV-S3.5としグランドノイズを押さえた解像度の高い太いコシのあるモニター音が得られました。
制作スタジオとして真っ白なキャンパスに自由に絵を描いてもらうように音楽を制作してもらうイメージですべてを白としました。
そしてLEDのマルチカラーストリップにより自由に色付けができるようにしてあります。また、同じ白でありながらも素材の違いにより決して一様ではなくメリハリのある空間となっています
プライベートスタジオの場合そこで制作される音楽、システムとどこまでシンクロすることができるかということになります。例えば今回のモニターSPはGenelec1030Aであり、そこで制作される音楽とのマッチングを前提にそのSPのポテンシャルを最大限引き出せるスタジオを目指しています。
平均吸音率、周波数伝送特性といった数値で推し量れるものをバランスよく整えた上で吸音面以外の反射材、拡散材といった部材の持つ固有の響きをコーディネートし理想的なルームアコースティックとなるようにします。例えば同じ木材でもシダーやパインのような針葉樹系の柔らかい木とアッシュやメイプルのような広葉樹系の堅木では持っている響きが異なりますし、素焼きのレンガと大理石のような石材では同じ反射材でも響きが異なるわけです。こうした様々な素材を組み合わせて、モニタールームに関してはモニターSPやモニターアンプに対して、レコーディングブースに関しては使用する楽器やマイク、HAに対して最適な提案をしたいと思っています。
Build Up Your Studio 2016 Spring
DaisukeSuzukiStudio
OM FACTORY/SimokitazawaStudio
soundzone/MITOMOSTUDIO
株式会社 松竹映像センター
記事内に掲載されている価格は 2016年7月16日 時点での価格となります。
最新記事ピックアップ