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HOW TO

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29
May.2024
HOW TO

BUILD UP YOUR STUDIO 2024!和賀裕希プライベートスタジオ・インタビュー

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ーーー 簡単な自己紹介をお願い致します。

みなさんはじめまして。作編曲家・ギタリスト・プロデューサーの和賀裕希です。

今回はオファーをいただけて嬉しいです! 綺麗なスタジオというよりコンパクトでクリエイター部屋感が強い部屋ではありますが、どなたかの参考になりますと嬉しいです。

ーーー スタジオのこだわっているポイントを教えてください。

制作する上で必要な良い音がする部屋ではありつつ、あくまでも趣味部屋の延長のような環境にしたいなと思ってます。作業に仕事感をあまり出したくないというのと、開けた感じの良い感じの部屋っぽい明るいスタジオに憧れてるのも大きいです。

Neumann KH750 DSP DGのDSP補正の恩恵も受けつつ、しっかりと曲の判断が出来る環境にはなっています。

仕事の内容が今は多岐にわたり、所謂自分の楽曲制作の時はリラックス出来つつ、テンションの上がる音でしっかり音作り・曲作りに集中したいですし、逆にディレクター・プロデュース案件の場合は他のクリエイターに作ってもらった楽曲のチェックや、Audiomoversなどを使ったオンラインでのミックスチェックなども多く、そういう場合は自分が好きな音ではなく、しっかりと全力の自信を持って良し悪しを判断できる、フラットな出音が求められるので、そこのバランスは気を遣っています。

一日の殆どを過ごす部屋なので、自分が一番落ち着く環境で、自分のやりたいこと自分の好きな音・必要な環境をすべて満たす部屋でありたいなと思っています。

ーーー 自分にとって欠かせない機材たちとその理由を教えてください。

Prism Sound Lyra 1

まずはMac用に使っているオーディオインターフェースです。以前は別製品を使っていたのですが、壊れたのをきっかけに「音が良い」と噂のこちらのオーディオI/Oに変えたところ、全帯域にわたって解像度が高く、ミッドハイはもちろんですが、特にローの太さや輪郭が見えやすくなったのに感動を覚えました。機械的に・分析的にただ音を鳴らすというより、聴いていて楽しい音の太さやニュアンスがちゃんとあるのが好みです。

ATC SCM20ASL Pro mk2

実はこのインタビューの原稿を書いてる期間の最中にRock oN Companyで購入、到着したのですが、スピーカーをこちらに新調しました!


KH750DSP_w1400

執筆中に届いたATC SCM20ASL Pro mk2。こちらをNeumannのサブと併せて使っています。以前はPMC Result6を使っていました。

自分の制作する楽曲やプロデュース案件で、歌の中域のディテールがよく見えるものが良いなと思って選んでみたのですが、小さなブレスのニュアンスから歌の表現、ダイナミクスなど、歌に限らずではあるのですが、やっていることが精細に見えるのが素晴らしいです。

かけたエフェクトも、かけた分だけ見えてくれるので素晴らしいですね。こいつに色々教わりながら自分のスキルを上げていければと思います。

また、エンジニアさんがATCをよく使っていることが多いので、そちらと揃えておきたいな、というのも選んだポイントです。

Ultrasone Signature MASTER

ローエンドからハイの伸びまでめちゃくちゃ良く見える素晴らしいヘッドホンで、導入して本当に良かったものの一つです。基本的にはスピーカーでミックスや音作りをするようにしているのですが、サブウーハー込みでのスピーカーで鳴らすのとバランス感などが近いので、特に深夜に作業している時は相当頼りになります。出先での、特に音の質感が分かりにくい・知らないスタジオでのミックスチェックの際に用いることも多いです。

因みに楽器の録音時はYAMAHAのMT8を使うことが多いです。軽いので。

Headphone_w1400

Ultrasone Signature MasterとYAMAHA MT8

Neumann KH750 DSP DG

部屋の環境を整えていて、買ってよかったものナンバーワン機材はこちらです。


KH750DSP_w1400

とても音が良いので皆さん買いましょう

ウーハーの価値は一度知ってしまうと戻れないです。ガンガンローを出すぜ!というわけではないのですが、あくまでもメインスピーカーを補助する役割で入れています。ローエンドで鳴っている音が聴こえるのが大事。

また、これと測定用マイクのMA1があれば、DSP補正でメインモニターを部屋補正をかけた状態で鳴らせるのもオンリーワンの魅力だと思います。

ZVEX Vexter Box Of Rock

敢えての録音機材の一つとして紹介したいのですが、ギターを録る際にかなりの確率でプリアンプ代わりに、軽くドライブさせつつ通しています。

BoxofRock_w1400

ZVEX Vexter Box Of Rock:ギター録音のキモです

アンプシミュレーターにはFractal Audio SystemsのFM3を今は使っているのですが(卓上にポンと置けてお気に入りです)、デジタル感を抑えつつ、アンプを鳴らして録った時のローの厚みの質感やアナログ感・ざらつきの演出にかなり役に立っています。

GuitarEQP_w1400

API selectのプリとコンプは常時オン、Box of Rockはクランチになる程度にセット。
曲に合わせてSunfish Audio Tara、EAE model feTを通してからFractal Audio Systems FM3へ

ーーー スタジオでの普段のワークフローを教えてください。

曲作りのきっかけは机の前ではなく、散歩していたり、楽器をなんとなく触っていたり、はたまた寝転がっていたり、そういうときに出てくることが多く、そこで出てきたモチーフやメロディーをDAWにとりあえず打ち込んで作り始めることが大半です。最近は和音は最初そこまで考えず、ドラムベースメロで良い感じになるように組んでいくことが多いです。

PC本体はMac Mini、DAWはAbleton Liveを使って制作をしています。Liveには去年乗り換えたのですが、使い始めてすぐに直感的に制作をする自分には馴染みましたし、アップデートで12にしてからMIDI周りの機能が素晴らしく、あれがしたい。これがしたい。を大体全て叶えてくれるのですっかり必須のツールとなっています。出音も好みです。

メインモニターはUQWHDの34型モニターを使っており、制作時は2/3をDAWのアレンジメントビューで固定、1/3をミキサー画面にしたり、ブラウザや譜面等を表示しておくことが多いです。4Kに近い解像度なので多くの情報を一度に見られるのがお気に入りです。

デスクは横180cm x 奥行き75cmの大きめのものを使っており、制作用のMacとゲーム・プライベート用のPCの機材を同時に置いたりしても余裕があります。

Guitars_w1400

持っている竿の一部。10年以上愛用している、Psychederhythmのギターが多いです。

Pedal_w1400

DAWで表現するのが難しい飛び道具系が置かれています

ギター録音用の機材もすぐに触ることが出来るよう、デスク上に並べていて、空間系のエフェクトはDAWで掛けるので、歪みが多いです。FM3を通ったあとはHeritage Audio HA73EQ Elite → Warm Audio EQP-WA を通してからオーディオインターフェイスに行くようになっています。

今あるアウトボードはギターの機材の延長のつもりで使っているので、アンシミュを通った音を真空管とトランスに通して、ザラつきと立体感、暖かさを加えつつ音色の補正を掛ける、というイメージです。

Rack_w1400

電源は機材系にはGPC-TQ、その他にはTASCAM AV-P250と、裏にORBのDP-6 Nova Goldをセット

実機アンプのSunn The Twinは先輩から譲り受けたもので、クリーンのフレーズを録るときに使うことも稀にあります。

SunnTheTwin_w1400

【Sunn The Twin】先輩から譲り受けたアンプ。好きなギタリストも使っているお気に入りの一台

また、Windowsで流れている音はUA Volt 176からMacのオーディオインターフェースで一旦受けてからスピーカーにいっており、偶に音を送って録音することもあります。

Desk_new_w1400

ギターのピックやカポタストなどをすぐ手に取れるように置いてあります。あと趣味やリラックス用の諸々。UA Volt176はWindows用のAudio I/O

ーーー 創作意欲を高める工夫や煮詰まった時の対処法などを教えてください。

その時作ってる曲とはまた違うジャンルの良い音楽を聴いてインプットをしたり、横の部屋にあるDJ機材を使って1時間くらい曲を繋げて遊んだり、あと作業の休憩がてらYouTubeで配信なんかもよく見ますね。

DJ_w1400

去年いきなりやることになって導入したPioneer XDJ-RX3。ハウスを流すのが好き

それとクリエイターはどうしても運動不足になりがちだな、と感じており、最近エアロバイクを家に導入しました。日課で軽く漕いでいるだけでもかなりリフレッシュになりますし、漕ぎながら色々考えたりも出来るので購入してよかったなと思っています。

また、人と話すのも本当に大事だなーと思うので、月に何度かは友人とご飯を食べにいったり、直接会えないときでもDiscordなどで一晩中ゲームや会話したりはよくするようにしています。シンプルに楽しいですし、たまに有用な情報の交換だったり、極稀に仕事に繋がったりもしたりして面白いです。

モノづくりをしているときはとにかく自分の内に、内に、と良くも悪くも狭く深くなりがちなのですが、この仕事を15年弱続けてきて、リフレッシュの仕方がうまくなり、そことのメリハリやバランスをうまく取れるようになってきた気がしています。また、極力ストレスを必要以上に掛けない、感じる環境にしないようにも心がけています。

あと、個人的に一番大事なのは自分も散歩!散歩中に良いメロディが出る確率はかなり高いです!傍から見て音楽から離れてるように見えるときが一番音楽を考えているときなのかもしれません。

ーーー スタジオの現在の課題、将来的にグレードアップしたい事や導入したい機材などがあれば教えてください。

アウトボード周りを極力シンプルかつ効果的なものにしたく、Rupert Neve Designs Shelford Channel や、API TCS-ii、Tree Audio Branch II、Tegeler Audio Manufaktur VTRCなどの、音の面だけでなく部屋にあって自分のテンションが上がりそうなチャンネルストリップ、または500シリーズの機材を少し導入しようかなと思っています。

Burl Audio B1-MIC-PREあたりも気になってます。自分の好きな海外の良質なインディー・ロックの質感が程よく出せるものを揃えたいですね。ただ、あくまでもあまり物を増やしたくはないので、必要なものを少数精鋭で少しずつ整えていくつもりです。

ーーー 最後に、告知などあれば教えてください。

7月7日より毎週日曜23:30から放送開始のTVアニメ「しかのこのこのここしたんたん」(原作:おしおしお)のOP楽曲「シカ色デイズ」の作編曲を担当しております!作詞はやぎぬまかなさんです。

作品URL https://www.anime-shikanoko.jp/

賑やかで明るいスカ・パンク × アニソンの聴いてて笑顔になるような楽曲になってますので、興味ある方は是非。

細かいリリース情報等は随時SNSで更新していますので、そちらをご覧いただければと思います。他にも色々仕込み中ですので、少しでも気にしていただけますと嬉しいです!

和賀裕希

Producer / Composer / Arranger / Guitarist


2009年4月よりVOCALOIDで楽曲発表を開始し、本格的な音楽制作の道へ進む。

VOCALOID楽曲制作サークル「s10rw」のメンバーや、幾つかのバンドを経た後、2012年より、所属していたユニットでメジャーデビュー。

自主制作盤1枚、シングル16枚、アルバム4枚、ミニアルバム2枚を制作、アニメ作品への楽曲提供、国内外でのライブ・コンサートやアニメフェス・ロックフェス等のイベントへの出演をしてきたのち、2023年1月29日をもって同ユニットを脱退。

作家・プロデューサーとして個人で活動開始し、今に至る。

メロコア・オルタナ・シューゲイズ・UKロック・エモ・ポストロック・エレクトロニカ等で培ってきた音楽感性をポップスに落とし込み、生まれ育った北海道の冬の暖かさのような、優しく、明るいけれど何故か泣けるようなエモーショナルなメロディや楽曲のアレンジを得意としている。

X 和賀裕希 @yuxuki

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    記事内に掲載されている価格は 2024年5月29日 時点での価格となります。

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