ミックス・マスタリング用プラグインで定評あるブランド
LAのカリスマ・ドラム・サウンド・クリエイターであるスティーヴン・スレートが革新的な新技術と科学に基づいてオーディオ処理における新たな技術の高さを実現したプラグインブランド「SLATE DIGITAL」
ミックス、マスタリングに向けたプラグインを始め、最近はマイクのモデリングやオーディオインターフェースもリリースしている同社から最新のイコライザープラグイン INFINITY EQ が発売されました。はたしてどんな機能とユーザービリティを持つプラグインなのか、SCFED IBEがさっそく試してみました!
特徴1:カーブを個別・全体で切り替え確認できる!
バンドごとにブースト・カットをしていると、近い周波数でブースト・カットをしている他のバンドとのクロスオーバーが見えづらいのですが、GlobalCurveモードにすると全体のEQカーブが視覚的によくわかります。上左の画像では3つのバンドそれぞれ同じブーストですが、上右の画像を見ると実際には真ん中のバンドがクロスオーバーの影響で余分にブーストされています。
そして便利なのが、GlobalCurveモード時、全体のEQカーブライン上でクリックするとそこにバンドが作成されるので、短時間で直感的なエディットを可能にしてくれます。
特徴2:バンドごとにMS調整、パンニング、ソロ試聴が可能!
バンドごとに、EQが適用された音に対するMS処理やパンニングが行えます。原理的には信号がパラレル処理され、複製された信号がMSやパンニングされているイメージです。例えばバスドラムの低音の芯を前に出したい場合には、100Hz近辺を3dbブーストしてMS処理でミッド成分のみに設定すれば、センターだけがブーストされ曲全体の重心がしっかりと見えてきます。
上の画像では、ブーストする割合が黄色のミッド成分が多く、青のサイド成分は1/3くらい適用している事が視覚的にわかります。
特徴3:チャンネル全体のMS処理とパンニングが可能で、ソロでも試聴可能!
個別バンドだけでなくチャンネル全体のMSとパンニング調整も可能。ミッドやサイド成分だけのソロ試聴などもできます。MS処理とパンニング処理の順番を入れ替えられるのもポイントです。
特徴4:最大120dB/octのスロープ!
デジタルEQのフィルターカーブは近年、かなりの急角度まで設定できるようになりましたが Infinity EQは最新プラグインだけあって 120dbまで可能。120dbという設定はほぼ直角のスロープとなり、スロープ設定値においては現在このプラグインが1位に躍り出ました。
バスドラムへの影響を最小限にするローカットやエイリアスノイズを防ぐための強烈なハイカットを可能にします。これは最新EQの大きなアドバンテージと言えるでしょう。アナログEQでは有り得ないEQカーブが、上の画像のようにまるで絵を描くように設定できます。
特徴5:グループが作れる!
各バンド間の距離を保ったままブースト・カットが可能です。例えば、複数バンドをブーストしてエキサイター的に使いたい時などは、バンドをグループ化して動かせばEQ適用量の「AMOUNTノブ」みたいな感覚で使えます。画面をドラッグしてバンドを同時選択し、グループボタンを押せばOKです。
特徴6:Immersive EQ Display!
美しいグラフィックと完璧に調整されたスペクトラムアナライザーによって直観的なイコライジングが可能。
Infinity EQは2種類のスペクトルアナライザーを搭載。
特徴7:著名なプロデューサーのプリセットが多数付属!
INFINITY EQには著名なプロデューサーによって作成されたプリセットが多数付属しており、プロダクションをネクストレベルに引き上げる手助けとなるでしょう。
プリセットは編集したり自分で作成したものをフォルダーで管理することができます。
これまでの内容をギュッと凝縮したムービー
INFINITY EQ を通ったサウンドがどのように音変化しているか、2つのアナライザーを下に表示しました。iZotope Insight2 Sound Field で音の広がり、Spectrogram で周波数分布の時間変化を表示しています。
記事内に掲載されている価格は 2020年3月6日 時点での価格となります。
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