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16
Jun.2026
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音にキャラクターを付加するDIの魅力 ~AURORA AUDIO GTP1 & Acme Audio Motown D.I. WB-3 レビュー by ベーシスト 湯浅 崇~

長年AVALON DESIGN「U5」を愛用し、第一線で活躍するプロベーシストの湯浅 崇さんに、今回は「音にキャラクターを付加するDI」として注目の2機種、AURORA AUDIO「GTP1」とAcme Audio「Motown D.I. WB-3」を試奏していただきました。

クリアでレスポンスの早いU5のサウンドを基準としつつ、クラスAプリアンプGTP1、そして伝説のモータウン・サウンドに迫るMotown D.I. WB-3。これらの個性豊かなDIが、プレイヤーのインスピレーションやレコーディング現場にどのような変化をもたらすのか。プロフェッショナルならではの実践的な視点と現場での使い分けについて、たっぷりと語っていただきました。ベースの音作りにさらにこだわりたい方や、新たなサウンドの可能性を探しているクリエイター必見のレビューです!

湯浅崇 Takashi Yuasa

electric/acoustic bassist, arranger, composer

1974年神奈川県横浜市生まれ
幼少期を米国NJ州、帰国後神奈川県茅ヶ崎市で過ごす。高校入学と同時に兄の影響でエレキベースを購入。
大学に入学しJazzに魅了されコントラバスを始める。現在、その経験を活かし様々なアーティストのツアーサポート及びレコーディング等に参加。並行して自身のバンドで精力的に活動中。

live/recording等 参加アーティスト
JUJU, 米倉利紀, 松崎ナオ, 渋谷すばる, 八神純子, 東京女子流, MayJ., 大森南朋, 由紀さおり, color filter, etc.

参加ミュージカル
『next to normal』
『you’re a good man Charlie Brown』
『RENT』

https://takashiyuasa.com

基準となる愛機 U5 と「キャラクターを持つDI」の違い

湯浅 : 過去の記事でもお話しした通り、私は長年AVALON DESIGN U5を愛用しています。U5の魅力は「抜群の安定感とレスポンスの速さ」にあり、音の立ち上がりが速く、出音がダイレクトに伝わる安心感があります。 今回試奏させていただいた「AURORA AUDIO GTP1」と「Acme Audio Motown D.I. WB-3」は、U5のクリアでダイレクトな印象を持つ特性とは少し異なり、音に独自のキャラクターや質感が付加されるタイプに感じました。

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密度と粘りが魅力の「AURORA AUDIO GTP1」

湯浅 : 「AURORA AUDIO GTP1」の第一印象は、とにかく滑らか、スムーズということです。U5と比べて、より音の粒がしっかりと詰まっているような「密度感」と音の立ち上がり時の「粘り感」を強く感じました。 U5ではTONE BANKの3番を使い、ベースの個人的には一番おいしいと感じるロー感を少し持ち上げて自然に抜けさせるイメージで演奏および音作りをしていますが、GTP1は特定の帯域を強調するわけではありません。しかし、音の密度が非常に高く感じるため、ゲインをそこまで上げなくてもオケの中でしっかりと存在感が出てきます。その上、他の楽器との馴染みや収まりが非常に良く、トラック数の多いレコーディングのミックスでも、まとまりやすい素直さを持っています。


AURORA AUDIO
GTP1
¥269,500
本体価格:¥245,000
2695ポイント還元

伝説の音に迫る甘くナチュラルな「Motown D.I. WB-3」

湯浅 : 「Acme Audio Motown D.I. WB-3」は、名前の通り1960~70年代のモータウン・サウンドを意識したDIです。今回は実際に自分のプレシジョンベースをフラットワウンド弦に張り替えてジェームス・ジェマーソンのような音を狙ってみましたが、当然ながらDIを変えるだけではあの音に直結するわけではありませんでした。当時の音を再現するには楽器の製造年代や弾き手のミュート具合、弦の経たり具合など、複合的な要素が不可欠です。 しかし、このDIを通した音色はとても甘く、すごくナチュラルな質感を持っています。まるで上質なエフェクターを通したかのように、自然にクラシカルな音色へ近づけてくれます。モータウン・サウンドの音色、質感をイメージしながら演奏できることは大きなメリットと言えるでしょう。これはベースに限らず、ギターのカッティング等をライン録音する際にも、あの時代のソリッドな質感が得られてすごく面白い結果になるのではないかと感じました。


Acme Audio
Motown D.I. WB-3
¥85,800
本体価格:¥78,000
1287ポイント還元

ライブとレコーディングでの使い分け

湯浅 : ライブの現場では、ステージ上の電源環境や他の音の被り、故障リスクなど様々な要素を考慮すると、U5のように頑丈でパキッとしたクリアな出音のDIがやはり好まれます。GTP1やMotown D.I.が持つ細かいニュアンスは、大音量のライブ環境では少し違いが見えづらいかもしれません。 一方で、これらのような「個性やキャラクターの強いDI」は、レコーディングなどの制作現場において絶大な強みを発揮します。特定の音色やニュアンスを明確に狙いたい時、宅録でライン録音した音をそのまま楽曲のカラーとして活かしたい時に、非常に強力で楽しい選択肢となるでしょう。

ベーシストにとって「DIを試す」ということ

湯浅 : 私は基本的に、楽器本来の原音が分かりづらくなるのを避けるため、プリアンプを積極的にはかませないタイプです。しかし、今回のように新しいDIを試すことは、自分の楽器の音色を再確認する素晴らしい機会になりました。 プロの現場でもエンジニアが楽曲やドラムのキックとの相性を考慮してDIを選ぶことがありますが、DIが変われば自分の耳に届く音も変わり、結果として演奏のニュアンスにまで影響を与えます。色付けの少ない機材も良いですが、今回のような「音色を持ったDI」をシステムに導入することは、間違いなくプレイヤーのインスピレーションを刺激してくれるはずです。

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記事内に掲載されている価格は 2026年6月16日 時点での価格となります。

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