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Focal CEOであるCedrick Boutonet氏が日本市場の更なる理解と今後の展開についての話し合いのために来日。その一環としてFocal CIセールスマネージャーXavier Grangier氏とLiam Conway氏とともにRock oN渋谷店に来店して頂きました。
渋谷店内の様子や配信スペースLUSH HUBなどを視察して頂いた上で、今回特別にインタビュー取材する機会を頂きました。
Focalといえば今年1月に開催されたNAMM Show 2025にてラージサイズのスタジオモニター「Utopia」を発表し、大きな話題となっていたことも記憶に新しいですが、今回はそうした新製品に関する貴重なお話を伺うことができました。
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●NAMM Show 2025で発表されたUtopiaについて
Rock oN : まず今年開催されたNAMM Show 2025でFocalはUtopiaを発表しました。業務レンジでフラッグシップとなるラージサイズモニターが登場するということには大変驚きましたが、この製品はどのような戦略から生まれたのでしょうか?
Cedrick Boutonet氏(以下、Cedrick氏) : Utopiaという名前はHi-Fiブランドのフラッグシップモデルですでにあったのですが、なぜプロ部門にはないのかということに気づきました。そこでプロにもフラッグシップモデルがあっていいんじゃないかなと考えて、今回最上位モデルとして発表しました。
Rock oN : 最上位イコールラージサイズと考えていいのでしょうか?
Cedrick氏 : サイズよりもむしろニーズに合わせて作った結果、フラッグシップモデルがラージサイズになったという感じです。業界のスタンダードを再定義するために出したというのがあって、サイズよりパフォーマンスを重視して設計しています。
●アナログポリシーについて
Rock oN:Focalは国内でHi-Fi、カーオーディオ、プロ、CIと様々なカテゴリを展開していますが、全ての製品でアナログコンポーネントの採用を貫いています。このFocalのアナログ・ポリシーはどのようにして生まれたのでしょうか。
Cedrick氏 : アナログポリシーはもちろんずっと貫いていますが、マーケットのニーズに合わせてデジタルの技術を取り入れていくということも考えています。アナログだけで構成することを諦めているわけではなく、新しいニーズや技術を搭載していくことも取り入れたいとも考えていますので、今後デジタル機能が搭載したFocalの製品が出てくることも当然あり得るでしょうね。
それとカテゴリの話について言うと、日本でディストリビューターを分けているのは理由があります。日本だけでなくアメリカでもカーオーディオやヨットなど移動するものに搭載する車載用音響機器部門と、プロフェッショナルオーディオ部門、そしてホームオーディオ部門とに分けられてます。アメリカだと販売拠点が約1000箇所あってそれらを一つのディストリビューターに任せることになるので、時にはその3つの部門をクロスさせてプロジェクトを実行することもありますが、通常はマネージメントできる範囲を効率化するためにも分けてやっています。
Liam Conway 氏(以下、Liam氏) :マネージメントするのに一つのディストリビューターで足りないことがあって、中国でも二つに分かれてます。エントリーレベルからミッドレンジまで、ミッドレンジからハイエンドと呼ばれるフラッグシップまでは別のディストリビューターと別にしています。これにはディストリビューターのキャパシティーや方向性を考慮してこのように分けているのです。
Cedrick氏 : 別々にしていてもなるべくなら一緒に働くことでFocalを一つのブランドとして提示するのが大事だと考えています。日本はFocalとNaimが分離しているのですが、本来なら繋がってないといけないと考えているので、もう少しこの2つをクロスさせていきたいと考えています。
●キャリブレーション機能について
Rock oN : 先ほどデジタルの話が少し出ましたが、日本ではスピーカーにキャリブレーション(音をマイクで集音解析し、理想的な周波数帯域に調整)する機能が流行しています。このような機能についてはどう思いますか?
Liam氏:実は既にDIVAというシステムとNaimのアンプの中でアプリケーションを使って補正ができるというのを導入しています。そもそもマーケットの欲求に対しては真摯に応えたいなと考えています。
例えば我々が作ったBATHYSも、Focalからワイヤレスでノイズキャンセリングがあるヘッドホンが出るということはかなり衝撃的だったと思います。このように新しい世代に向けて新たにHi-Fiでより進化した製品を届けたいと考えています。そこには例えばパッシブスピーカーやアクティブスピーカーなどもあるだろうし、イマーシブオーディオなども手掛ける可能性はあると思います。
●日本のFocalファンに向けてメッセージ
Rock oN : 最後に日本のFocalファンに向けて一言お願いします。
Cedrick氏 : 私にとって日本は特別な国です、というのも我々のプロフェッショナルとしてのキャリアはトヨタとの協業から始まっているからで、とても親しみを感じています。将来的にFocalのブティックを日本でも作って、そこでちゃんとブランドが求めているハイスタンダードな体験を提供したいと考えています。
Rock oN : 本日はありがとうございました!
Focal
https://www.focal.com/
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