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今年7月に発売となり国内外で大きな反響を呼んでいるIK Multimediaの新製品リファレンスモニターiLoud MTMの内覧会が御茶ノ水RITTOR BASEで行われました。
2016年に発売されたiLoud Micro Monitorは小型ながらそのサイズを超えた低音域の再現力と正確なサウンドが話題となり、高い人気を博しました。それに続くiLoudシリーズの新製品MTMは、DSP技術による位相特性を考慮した精度の高い再現性を持つモニタースピーカーということで、早くも話題を呼んでいる製品です。会場にはその期待の高さを物語るように、多くの方が詰め掛けておりました。
正確な音の再現ができるモニタースピーカーを作るために用いた技術とは?
内覧会ではIK Multimediaの田村氏がMCを務め、創業者でCTO(最高技術責任者)のダビデ・バルビ氏がイタリア・モデナにあるIK Multimediaのスタジオよりビデオ通話システムにて登場し、iLoud MTMについての解説がQ&A形式で披露されました。
Q.iLoud MTM開発のゴールはどのようなものを設定されましたか?
ダビデ 氏「このモニタースピーカーは皆さんの音楽制作やミキシングが的確にできるための助けになるように考えて設計しました。たとえそれで音の粗が見えてしまうことがあっても、正確な音の再現ができるモニタースピーカーを作ることがそういった人達の手助けになるだろうと考えたためです。」
Q.この大きさで40Hzから24kHzまでほぼフラットな周波数特性を実現しているのはなぜでしょうか?
ダビデ 氏「スピーカーというものは物理現象を超えることができないのですが、DSPの技術を使うことでそれら物理現象の限界と求める特性のバランスを取ることが実現できたんです。」
Q.スピーカーの主な特徴はなんでしょうか?
ダビデ 氏「iLoud MTMの名称にも入っている通り、M(Mid Woofer)+T(Tweeter)+M(Mid Woofer)の3つが上下対称(横置きにすると左右対称)にデザインされていて、これによって一点から聞こえることを実現できました。さらにiLoud Micro Monitorでも同じ特徴がありましたが、近距離からでもきちんと聞くことができるのが大きなメリットです。
位相や周波数特性をここまでリニアにするために、Amplitubeやレスリースピーカーなどのソフトウェアにはスピーカーやドライバーやキャビネットや筐体を物理的にモデリングするフィジカルモデリング技術が採用されています。その技術を生かしてiLoud MTMでは逆にキャビネットやドライバーをフィジカルモデリングしているんです。」
iLoudシリーズの魅力、そしてMicro Monitorとの違いは?
続いてRock oNセミナーなどでおなじみ、先日スタジオの紹介記事でもインタビューされて頂いたマスタリングエンジニア森﨑雅人氏と、株式会社リットーミュージック取締役で、サウンド&レコーディング・マガジンの元編集長・國崎 晋氏によるiLoud Micro Monitor、iLoud MTM対談が行われました。
特に森﨑氏は、今年6月に新しく解説マスタリングスタジオ「Artisans Mastering」にiLoud Micro Monitorを導入しており、iLoud製品を熟知していることから、iLoud MTMの印象などを語っていました。
國崎 氏「森﨑さんはモニタースピーカーには何を一番求めますか?」
森﨑 氏「僕の場合モニタースピーカーで一番大事なのは周波数特性よりも音の反応の良さなんです。音楽で大事なのは音が出る立ち上がりのところと切れる余韻のところに大事なニュアンスがあるので、演奏が正確に聞こえるモニタースピーカーはそれがをきちんと再現してくれるんですよね。そういう意味でiLoud Micro Monitorを今のマスタリングスタジオに選んだ目的は、一つは歌とオケのバランスが正確に確認できる、もう一つが民生機に近い環境でチェックできてかつ品質が高い、この2点です。というのも初めてマスタリングを経験されるクライアントさんにも、普段身近に聞いているくらいのスピーカーのサイズで音を聞いてもらうことが大事だと思っているんで、そういう意味で今のスタジオはADAM AUDIO A7XとiLoud Micro Monitorを使ってチェックしています。」
國崎 氏「そもそもiLoud Micro Monitorを導入したきっかけは何ですか?」
森﨑 氏「ボーカルの再現性と質感が好きだったことと、このサイズにしては低音の再現性がとても余裕があったので、置き方を工夫すれば相当いい音がするなって思いました。置き方はテーブルとスピーカーの距離などを全てメジャーで測って、朝と晩に計測してモニターのチェックをしています。マスタリングはもうCDになる最終段階で音源をお持ちになるので、最高の状態でお客さんをお迎えしたいなって思っています。」
國崎 氏「では今回出たiLoud MTMはどういう印象お持ちですか?」
森﨑 氏「ツイーターとウーファーの繋がりが良くて、フルレンジで2本鳴っているような印象がありました。ツイーターが強く出てくるとどうしても高域が硬く聞こえるんですけど、でも低音と高音が同じタイミングで出ているので、どちらもうまく溶け込んでフルレンジで聞こえますね。」
國崎 氏「iLoud Micro Monitorとの違いというとどこでしょう?」
森﨑 氏「Micro Monitorよりもウーファーユニットが2つあるので、低域の余裕があるように感じました。音のタイトさや正確さではMTMの方が精度が高い印象でしたね。」
國崎 氏「それとiLoud MTMには付属のARC測定マイクによる自動音場補正機能がついているのも大きな魅力だと思います。最近はこうした音場測定マイクを使ってルームチューニングができるスピーカーも多いですが、それはどういう印象をお持ちですか?」
森﨑 氏「それはもう最高じゃないですか。僕なんかはエンジニアとしての長年の経験でスピーカーの正しい置き方を身につけましたけど、計測することでより正確になるのであればそれは使った方がいいと思います。やっぱり正確に置いていても部屋の環境によって右と左のスピーカーに誤差が出る場合もあるんですよ。そういう場合に音場補正の機能を使えばより効果があると思いますので、Micro Monitorにもついてて欲しいなって思いました(笑)。」
國崎 氏「スピーカーを作ってこなかったメーカーがなんでこんないいスピーカーが作れたんだろうって驚きましたけど、それはDSPのおかげだということで、そういう時代になったんだなって思いましたね。」
森﨑 氏「僕からすれば古い機材へのこだわりもなく新しい技術の否定もなく、スピーカーから出ている音が全てなんです。そういう意味ではiLoud MTMは非常に正確な音が出るモニタースピーカーだと思います。」
会場で実際に試聴しましたが、解像度の高いサウンドというのも聞けば納得という感じで、パーカッションなどは実際に演奏している姿が浮かび上がってくるように輪郭のはっきりした音が再現されていました。個人的には低域の再現性もさることながら、特にエレキギターの音が大型アンプを鳴らしているような迫力があったのが印象的でした。
音場補正によるルームチューニング機能もついているので、初心者でも自宅スタジオに導入すればしっかりしたモニター環境で音楽制作が実現できるのは心強いですね。
あまりスピーカーを作るメーカーという印象のなかったIK Multimediaですが、iLoud Micro Micro Monitorで得た評価をさらに更新し、先進的な技術が導入された画期的な製品ということで高い評価を得るのではないでしょうか。
皆さんもぜひ店頭でiLoud MTMをの音を聞いて、ご自身の耳で体験してみてください。
Rock oNではiLoud MTMの店頭展示も実施中!
IK Multimedia
https://www.ikmultimedia.com/products/iloudmtm/?pkey=iloud-mtm
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記事内に掲載されている価格は 2019年8月9日 時点での価格となります。
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