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みなさんこんにちは〜。PD安田です。さてさて、なにやら新しいプラグインが出たと…なんとOzoneがVer9になっての登場となりました!
Ozone 9になって新機能搭載&動作が軽くなり、これまではマスタトラックにインサートして作業するのもちょっと勇気がいりましたが、最初の立ち上げからデフォルトでインサート&稼働させても大丈夫なようになってきました!ほんとiZotopeが作る新しいプラグインは本当にワクワクさせてくれますね…
それではPD安田なりに新しくなった機能に限らず、独断と偏見でOzone 9のレビューをしていきたいと思います!
初めにMaster Assistantで自身の曲を分析せよ!
Ozoneにはリファレンスするオーディオデータを分析し、その解析をもとにComp、EQを設定してくれる機能“Master Assistant”が搭載されております。これは以前のOzone 8から搭載されておりましたが、Ozone 9からは内部に搭載されている“Modern”と”Vintage”の2種類(解析後に立ち上がるComp、EQのシリーズがここで選べれる)をはじめの段階で決めることが可能です。
なんとなく、今日の気分…で、そこでできる音楽もその日によって変化するので、こういった”提案”があるプラグインというのは今後重要な存在になるかと思います。
最初にMODULESを決めたら、次にLOUDNESS & EQで、これまでのOzoneの機能と同じく”リファレンス曲”を選択することができ、これも参考にしたい楽曲を基に解析と反映がされます。特にアーティスト達はイメージしたいサウンドが作曲の途中でもこの解析と分析がある事で、モチベーションも上がります。完成を見ながら作業できるって、ふと思うとなんて便利な世の中なんでしょうね。なお気に入った設定があればそれをプリセット保存をし、新規セッションにおいても活用することが可能です。
前回ミックスマスタリングしたプリセットを保存しておけば、新しく開始した楽曲でも同様にインサートすることによって、特に途中段階で作っているジャンル、音作りの傾向がしっかり把握できます。これは案外、夢中になって作っていると気づかないのですが、Ozoneはクセとか足りないところや提案をしっかり教えてくれるので、うまく利用するのがいいかと思います。
簡単になったEQの分析とMatch EQの紹介!
Ver9から新機能として注目したいのが”Match EQ”です!これは画像と併せて紹介しますが…
わかりやすくKickのトラックだけSOLOにして再生し、キャプチャーします。するとそのトラックで分析されたEQのアナライズが出てきます。すでにこの段階で「あ、この音はこんな感じになっているんだ!」っていうことを教えてくれます。いい意味で目でわかるようにしてくれ、しっかりと解析を残してくれるのは他にはないので、勉強にもなるし、足りないところなども分かるようになっています。
そして、参考にしたいソースが決まったところ、次に反映させたいサウンド(マスタートラックで自身のミックスを再生)を再生します。
するとどうでしょうか。こんな感じにオレンジは元のソースで、青は反映させたいソースになっています。なお、この画像は元のソースはキックで、青はドラムの全体になっています。本来はリファレンスしたい楽曲とオリジナルを組み合わせのですが、このOzoneのMatch EQで面白いのが右側下にある”FINE TUNE”というパラメーターになります。
ここでAmountのパラメーターをあげると、かなりエグい感じで元のソースに合わせてくれます。ですが、実は”こういうドラムのサウンドにしたいんだよな…?”という時に、参考にしたいドラムのサウンドをピックアップして、実際にレコーディングした、または打ち込みの生系のサウンドにマッチさせることで、視覚的に調整できる、勉強できるのもこのOzoneならでは活用ポイントかと思います。
EQの調整ポジションとは…そんなことを考えれないくらい、細いポイントでEQが処理されるので、普段使用しているEQとはまた違ったEQ処理で、新しい発見があるかと思います。マスターに挿すだけには勿体無い機能ですね。
なおMatch EQはOzone 9 Standard、Advancedにて機能搭載しております。これはStandard以上は持っておきたいですね。
最後の最後に手を加えたい低域の輪郭から細かいキャラ設定を調整!
さて最後に低域の輪郭を調整することが可能な”Low End Focus”の紹介になります。これはまさしく最後の最後で全体の印象を決定づけると言っても過言ではないかと思います。実際にOzoneをインサートしたらEQ、Compでキャラを決定づけていくかと思います。そこで、このLow End Focusを使用することで、ベースラインなどの低域成分を音楽的に弄ることが可能になります。
しかも使い方は至ってシンプルで、Low End Focusを立ち上げたら、一番のローポイントと最高300Hzのポイントで範囲を決めます。シンセベースか、エレキベースかと結構強調したい低域は違うかと思いますので、ここで絞り込みをします。また範囲を決めたらその帯域だけをモニタリングすることもできるので、より追い込みもできます。とにかくちょっとやり過ぎても破綻しない…ので、何パターンか書き出しを行いその中から選んでもらうなどはいいかもしれません。
そして今回動画では紹介しきれませんでしたが、RX 7機能と同じく“Master Rebalance”もOzone 9 Advancedから搭載しており、この機能ではLow End Focusの様に”マスタリングの段階でボーカルなのか、ベースなのか、ドラムなのか…印象を調整したい!”という時に活用できるかと思います。
またさらに動画では説明しきれませんでしたが、L/Rの設定に限らず、MS処理も可能なので、特にセンターに位置する低域をしっかりフォーカスさせることも可能です。もちろんその他のモジュールにもMS処理機能が搭載しております。
Ozoneというプラグインは私なりに思うのは、”最初から完成を見せてくれる”ということで、オリジナルに対してどうしていきたいか?ということについてアイデアを提供してくれる素晴らしいプラグインではないかと思います!
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記事内に掲載されている価格は 2019年10月2日 時点での価格となります。
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