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「Stay Home」の音頭の元、外出の自粛によって常に家の中で若干悶々としている人たちが増えつつある中、音楽や映像企画で世の中を元気づけようと考えているミュージシャン、クリエイターの方々は多いのではないでしょうか?
今は外部での活動を自粛している状況・・・そうだ、こんな時だからこそ配信しよう!
もっとも手軽に配信するなら・・・携帯でという手がありますね。
でも、配信で顔とPC画面を一緒に映したいですよね?歌ってみた配信中、顔と演奏の手元のアップとか切り替えたいですよね。
そんな時に、配信を簡単にグレードアップする機材、BlackMagicDesignのATEM mini をオススメします!
いわゆる、映像切り替えスイッチャー機材ですが、過去には価格が10万円超えする機材だったため、なかなか手を出しにくかったと思います。
今回紹介するATEM mini はそう言ったプロ向けの上位機材の機能を一部省略しつつも、基本的な機能はできる限り積んでいるにもかかわらず、非常に手を出しやすい価格になっています。
機能の紹介は一旦後回しにして、実際の配信の接続例を挙げてみます。
シンプルですね。
携帯にアダプタを付けてHDMI出力して自分を映します。
マイクと音楽プレーヤーを3.5mmミニジャックにつないで、声とBGMやオケをATEM miniに入れ、配信用PCに送ります。
この場合は、ATEM mini が映像キャプチャーと簡易ミキサーの役割を果たすわけですね。
ゲーム配信のセットアップです。
メインにゲーム画面 + 一喜一憂する自分をP in Pで右下に映し、ヘッドセットで音声をATEM mini に、ゲームの音声はHDMIで映像と一緒に入れて配信PCに。
ボタン1つでP in Pを解除できるので、OP、EDトークは自分だけを映して番組風に配信するのも可能です。
なお、配信画面は映像の遅延が見込まれますので、ゲームからの出力はスプリットするか、キャプチャー機器でスループットさせて別のモニタに映しながらプレイしないと厳しいと思われます。
キーボード・クラッシャーにはならないように。
ギターやピアノ、キーボード等でプレイしながら歌う時は弾いている手元も映したいですよね。
ギターの人はカメラを2台、ピアノ・キーボードの人は3台あるとバリエーションを持てて、観てくれる、聴いてくれる人を飽きさせない事でしょう。
音声、楽器の音はミキサーに集めて、ミキサーの2MixをATEM mini の3.5mmミニジャックに入れてまとめてしまうも良し、ミキサーの2Mixはオーディオインターフェースから配信PCに送るも良しです。
ちなみに、ATEM mini でまとめると、映像と音がズレることがほぼないという恩恵もあります。
簡単な個人でできる配信セットを先に開設しましたが、業務用としては・・・なんてこともなく、今後もバッチリ問題なしです!
昨今の状況ではなかなか難しいところですが、対面してお互いトークしながら、PC画面を映して解説、もしくは商品にクローズアップして紹介等々、ATEM mini で問題なく対応できます。
実際に組むなら・・・を想定したセットがこちら。
といった例を出した後で、ATEM mini の紹介です。
ATEM mini は業務用水準の簡単に扱えるビデオ・スイッチャーです。
まず、映像の入力は4系統。すべてHDMIコネクタになっているため、最近の映像機器ならほぼ普通に繋がるはずです。
なお、取り扱える映像の最大サイズは1080p/60Hzまでとなり、4Kには対応していません。
ただ、4K配信はかなりのPCスペックが無いと安定した配信ができない事と、通信回線が相当安定していて高速回線でないと配信自体が止まってしまうこともあるので、現状ではATEM mini のスペックで十分ではないかと個人的には思います。
HDMIなので、映像・音声ともにケーブル1本で受けられます。
音声は3.5mmステレオミニジャックが2系統。別途、PCと接続して使う設定ソフトウェアでMic/Lineの切り替えが可能です。
HDMIで送られた音声、ミニジャックの音声関連はそれぞれ各ハードウェアのボタンが用意されていますので、簡単に調整できます。[▲][▼]みたいなボタンですね。
HDMI OUTはATEM mini で設定した最終的に配信に送る映像が出力されます。いわゆる入力された全ての画面をパネル状に映す、マルチビューは出力されません。(機能として付いていません)
一人でコントロールしていると、カメラ等は一度設定するとなかなか動かせません。配信画面を見ながら、自分が動いて微調整することが多いと思いますので、この場合は、そのチャンネルに何の映像が入力されているかがわかれば、スイッチングできると思います。
そんなときは、ボタンの下にパーマセルテープやシール的なものを付けて、何が入力されているか書いておくと分かりやすいです。
出力はUSBタイプC 3.1 Gen1コネクタからUSBケーブル1本で映像と音声をPCに送出します。この際、PC側からはWebカメラとして認識されますので、例えばYoutubeLiveのような配信系だけでなく、SkypeやHangout等の会議アプリでも使うことができます。
なお、少し離れたところに配信PCを置いて、ATEM mini を接続しようとする際、USB-Cのままだと理論値上、ケーブル長1mほどしか離せませんが、実際はUSB2.0の延長ケーブルを使って距離を稼いでも使用可能です。
ATEM mini からデータの受け渡しが1本のケーブルだけで済んでいるのはシンプルで非常に分かりやすいですね。
最後にEthernetコネクタ(LANコネクタ)ですが、先に言ってしまうと、これは送出には利用できません。
ATEMシリーズにはATEM Software Controlという、さらに細かい設定等をコントロールできるソフトウェアが無料で利用できます。
このコントロールを利用する際にソフトウェアを入れた別のPCと接続しするためにEthernetコネクタ(LANコネクタ)を利用します。
ATEM Software Control で出来ることはいろいろとありますが、次回以降で改めて解説できればと思います。
配置されたボタンで解説していないものとしては、まず、画面切り替え時のトランジション(切り替えエフェクト)です。
ボタンでも分かりやすく図になっていますが、上から切り替わる、横から切り替わる、Mix等々あります。切り替えのタイミング(時間)までもボタンでありますので、直感的に扱えるでしょう。
次に、この価格帯にはなかなか付いていなかったP in P(Picture in Picture)。この機能が欲しかった人も多いと思いますが、ついにこの価格帯のモデルにも付いてくれました。
しかも、プリセットの設定されたボタンがあることで、誰でも分かりやすく簡単に使えるようになっているところが素晴らしいですね。
最後にKeyのON/OFF。これは、自身を映している背景をKeyで抜いて、透明化したところに最近はやりのバーチャル背景等設定して合成できる機能です。(クロマキーで検索してもらえれば、どんなものか分かりやすいと思います)
文末に一気に仕様と機能をダダダダダッと紹介しましたが、ATEM mini はハードウェアで多くの機能をコントロールできますが、更に細かい部分の設定をATEM Software Controlで行うことができます。
ATEM Software Controlではできることがかなり増えますので、今回は簡単に扱える部分を説明させてもらい、先にも述べた通り、また別の機会にでも紹介させてもらえればと思います。
配信をする際に、まず欲しいATEM mini、そして末永く使えるATEM mini。いかがでしょうか。
記事内に掲載されている価格は 2020年5月4日 時点での価格となります。
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