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REPORT

国内外のあらゆるイベントをいち早くレポート! またブランドや製品誕生の秘話に迫るDEEPなインタビューを掲載!

29
Nov.2019
Rock oN

Line 6 Helix 開発者インタビュー 〜モデリング哲学がめざす最終的なゴール〜

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新世代ギタープロセッサーHelix

真のサウンドとフィーリングを提供するツアーグレードの新世代ギタープロセッサーHelix®は、リアルでレスポンスに優れたギタートーンを素早く簡単に作り出す新たなスタンダードとなりました。次世代のHXモデリング技術が搭載されたHelixファミリーは、アンプ/キャビネット/マイク/エフェクトを忠実に再現し、ビンテージ、モダンにかかわらずチューブ・アンプ・モデルのサウンドとフィーリングは非常にリアルで、演奏するとまるで本物のような反応が得られます。

HelixとHX製品のプロダクト・オーナーとしての役割を持つEric Klein氏に、Helixがどのようにして生まれたか、そしてそのサウンドの秘密をインタビューする事が出来ましたのでお楽しみ下さい! 開発者が目指すモデリング哲学のゴールとは!?

最高のものをデザインする、それはカスタマーをハッピーにすること

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Rock oN (以下略 R) : Rock oNにようこそ! まずはクラインさんの経歴についてお聞かせください

Eric Klein氏 (以下略 K) : 最初はアリゾナ州の都市ツーソンにあるRainbow Guitarsという楽器店で働き始めました。その店は、お客様が抱える様々なユニークな要望や問題に対して提案を行い解決することで知られた店で、アリゾナのたくさんのバンドをレコーディングからライブまでの機材面でサポートしていました。顧客の中にはサンタモニカに大規模な施設を持つフィルム・コンポーザーのハンス・ジマー氏もいたので、かなり成功してたといえる店でしたね。

ただ、あるときお客さまからから「ドラムからサンプルをトリガーしたり、バックトラックをコントロールしたり、もっといろんなことをやりたい」という要望を受けたのですが、なかなか解決することができませんでした。
そこで、自分でそうした製品のデザインをするようになって、その後作曲家/プロデューサーを目指してLAに移ってきたんですが、音楽業界全体が不況に陥ってしまったんですね。
そして、その後ローランドで5年間働いたんですが、ローランド製品の設計はすべて浜松本社でやっていて、アメリカではそういったデザインの仕事がなかったので、2010年にLine 6に入社し、その後の2014年にヤマハがLine 6をM&Aしました。ですので、もうかれこれ10年になりますね。

ずっと目標にしてきた機材のデザインをする立場になることができ、今では音楽を作るよりも楽しんでいるので、自分にとってはパーフェクトな状態です。

R : 今はYamaha Guitar Group , Inc.(旧Line 6, Inc.)の中でどんなことをされているのですか?

K : ちょっと変わった名称ですが、「チーフ・プロダクト・デザイン・アーキテクト」という役職です。3年間まで「プロダクト・オーナー」、それから「シニア・プロダクト・マネージャー」を経て1年半前に現在の役職に就きました。
でも、今もHelixとHX製品のプロダクト・オーナーとしての役割も持っています。これらは自分にとって子供のようなものなので、誰にも譲りたくないんです。(笑)
商品企画から開発まで深く関わる立場なので、自分にとって一番重要なのはカスタマーを知ることなんです。カスタマーの意見を代表して、それを自分が会社に伝えるのが仕事なので。
だから、意見の衝突が起きることもあります。会社はもっと節約したりコストを下げて利益を上げたいという場合にも、「いや、これだけコストをかけることに意味があるんだ」と主張したり、もっと早く製品を出したいとい言われても、「ちゃんと必要な機能を全部搭載してから出さないとダメだ」と戦ったり…
そのために、膨大なデータを集めたり、カスタマーとのコミュニケーションを密に取ったりして、彼らに自分たちが取り組んでいることが見えるようにしながら、同時に彼らが自分たちに求めていることを教えてもらえるようにしているんです。
ですので、私は自分たちに作れる最高のものをデザインするようにしていますが、それはカスタマーをハッピーにすることでもあるんです。

究極的にはカスタマーが目にするすべて、つまり箱を開封するところから、ウェブサイトでのブランディング、フォーラムに至るまで、あらゆる面についてのインプットを得たいのですが、残念ながらそれはあまりにも膨大な仕事量になるのでそこまではできておらず、さらに今はワイヤレス製品のプロダクト・オーナーの役割も持つようになったので、仕事量が尋常じゃないんですよ。
今目標にしているのは、全てのLine 6製品がメッセージやデザインの面で一貫性を持ち、それらが一体となって機能するようにすることです。
さもないと、別のプロダクト・オーナーがHelixのことを考えずに違う製品にたくさんの機能を追加して、その結果一緒に使うとうまく動作しなかったり、使用する用語の意味が違ってしまったり、クラッシュしてしまったりすることもあり得てしまいます。
ですので、自分の役割は、すべての製品がちゃんと意味を持った形で一緒に使えるようにすることなんです。

PODの時代から何年もかけて蓄積されたノウハウ

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R : PODの時代からLine 6のモデリングは独特だと思うのですが、何か特別なフィロソフィーのようなものがありますか?

Eric Klein : Helixでは特に顕著なんですが、他社とは決定的に違うところがありますね。例えば、他社はあるアンプをゼロからモデリングしたときに、その雰囲気とかフィーリングを再現しようとしますね。
Line 6もある意味同様の部分もあるにはあるのですが、私たちのモデリング哲学の背景にあるのは、モデリングする元のアンプと寸分違わない音が得られるようにすることで、そのプロセスにおいては、私たちが尊敬するLAの著名なエンジニアを連れてきて、「ダブル・ブラインドABXリスニング・テスト」と呼んでいるテストを行うんです。アナログ・パイパスのA/Bスイッチを使って、ギターをプレイしながらスイッチを切り替えて本物のアンプとモデリングを何度も行ったり来たりして聴き比べるんですね。再生環境は同じで、本物にもモデリングにも同じキャビネットを使います。それで、磨きぬかれた耳を持ったエンジニア達が、違いがわからないようにするのが最終的なゴールです。

すべてのモデラーが抱える問題として、完全に同一の再生環境を使わない限り、聴感上の違いは生まれてしまうんですよ。実は、Helixのようなモデラーを使う上で誤解があって、スタジオ・モニターやFRFR(フルレンジ・フラットレスポンス)スピーカーにつなぐのは、必ずしもベストなソリューションではないというんですね。なぜなら、本物の木製のキャビネットとギター用のスピーカーから聴こえる音に慣れていると、そうした機器ではどうやってもそういう風には聴こえないんですよ。ですので、モデリング・エンジンがどうこうでは全くなく、再生システムの問題なんですね。
もしある特定のキャビネットの音に慣れていて、それがお気に入りの音だとすると、部屋の中におけるスピーカー・エクスカージョンのスローとか、耳に到達する角度だとか、そういったことがとても重要なんです。
だから、目的は、全く同じ再生環境において、プリアンプ・セクションのモデリングが、聴き慣れた本物のアンプ、つまりモデリングした固体のプリアンプ・セクションと同じサウンドになることなんです。すべてのアンプの固体は、連続したシリアルナンバーであったとしても、音が違いますからね。ですので、同一の再生環境である限りは、モデリングと本物の音像には識別できる違いはないはずなんです。
もちろん細部まで行き届いた適切なセッティングがされている必要がありますけどね。

R : なるほど。では、実際にはどのようにしてアンプのモデリングを行うのですか?

Eric Klein : キャビネット自体も私たち独自のやり方でインパルス・レスポンスをキャプチャーしますが、アンプもインプットからアウトプットまでをポイント to ポイントでモデリングします。アンプはロードボックスやキャビネットが接続されていると挙動が変わってくるので、モデリングするときは必ず適切なキャビネットが確実につながった状態であることを確認しますが、プリアンプやパワーアンプはアンプ自体の物理的なインプットやアウトプットからキャプチャーします。
アンプの内部のコンポーネントの1つ1つも測定して、それをコンピュータの中でバーチャルな世界に反映させ、サウンドデザイナーがその両方を行き来して、元のアンプと同じ音になるように追い込んでいくんです。

さらには、コンピュータの中に構築したツールは非常に強力で、何年もかけて蓄積された様々な要素があるので、Line 6のサウンドデザイナーは実在しないアンプすら作り上げることができるんですよ。
例えば、リード・サウンドデザイナーのBen Adrianは、実際に作ったとしたらとてつもなく高価になるようなアンプをモデリングで実現したりとか(Line 6 Litigator)、あるいは過去に自分で組み上げたカスタム・アンプをモデリングしたりもしたんです(Ben Adrian Cartographer)。

R : キャビネットをキャプチャーするのにはどんなマイクを使ってるのですか?

Eric Klein : EarthworksのSR40をGraceのプリアンプと使っていて、コンバーターはAntelopeです。
Earthworksのマイクをベースとして使ってますが、モデリングの元となるマイクも組み合わせて使います。そして異なる距離からサウンドをキャプチャーするのですが、全部のマイクでそれぞれキャプチャーしたIRを組み換えるのではなく、Earthworksのマイクで各ロケーションから拾った音にフィルターをかけてサウンドをエミュレートしていくのです。ですので、正弦波や掃引正弦波のデータを分析し、対象のマイク・モデルとEarthworksをA/B比較して、実際にそのロケーションにあった場合の音になるよう補正をかけていくんです。
これをすべてのマイク・モデルで行っていくので、キャビネット・モデルを作るのはとても時間がかかる作業なんですね。

でも、もしHelixのキャビネット・モデルがお気に召さなければ、お好きなIRをロードすることもできます。IRにおいても、使い方を強要したりするつもりはなく…実際他の製品を組み込んだりして使ってもらうのは大歓迎で、だからFXループを4つも搭載してるんです。みんなお気に入りのペダルの1つや2つ持ってるでしょうし、このアンプやエフェクト・モデルを使いなさいというつもりは一切ありません。

私のお気に入りのLAでプレイしているバンドのリードシンガー/ギタリストは、HelixをMarshall JCM-800とOrangeにつないでますし、彼の奥さんのベース・プレイヤーはライブではペダルボードをアンプにつないでますが、スタジオではHelixにつないでベースアンプ・モデルとキャビネット・モデルを使ってます。正反対の使い方をしてますよね。Helixはどんな風に使ってもらってもいいですし、アンプ・モデリングなんて使いたくないよっていう人がいても全然構わないんですよ。一番自分にフィットするように使ってもらえばいいので。
そのバンドはHelixをボーカル・プロセッサーとして、またバックトラックを流すAblton Liveのオーディオ・インターフェースやリモート・コントローラーとしても使っているんですよ。

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R : Helixのキャビネット・モデルはIRなのですか?

Eric Klein : IRなんですが、スペシャルな要素が追加されてます。「ハイブリッド・キャビネット」と呼んでいて、IRがベースですが、マイク・モデリングや距離のパラメータが追加されています。具体的にそれをどうやって実現しているかはエンジニアではないので、わからないのですが…
2048ポイント以上のIRをより小さなスペースで得られるようにキャプチャーされているので、IRをより短くしてDSPを節約しながら、長いIRと同等のサウンドを実現しているのです。

R : サウンドはギターによっても違うと思いますが、モデリングするときのギターはどうしてるのですか?

Eric Klein : サウンド・デザイナーはたくさんのギターを持っていて、シングルコイルのストラトやレスポールはもちろん、SchectorやIbanezも持っていて、それらを駆使して同じサウンドが得られるようにしてます。ただ、通常エンジニアがA/Bテストに来る際は、一番耳慣れた環境になるよう自分のギターを持ってきてもらってます。

プリセットを作るときも同じことをするんですね。プリセットは、使うギターや再生環境によって音が変わってしまうので、とても難しいんです。だから複数のギターと再生環境を使って、明らかにおかしなサウンドにはならないようにしているのです。それでも完全にはならないので、プリセットなんて使えないとか言われたりもしますが、作った本人と同じ再生環境で、ギターをプレイするテンポやスタイルや音楽、指や美的感覚、感受性までも同じでない限りは、同じ音にはならないんですよ。
たから素晴らしいサウンドができたといって、友達にプリセットのデータをメールで送ると、なんでこんなヒドいもの送ってくるんだってことになったりするんです。でもMP3とかでレコーディングされた音は素晴らしかったりする…これもまた難しいプロセスの1つなんですよ。

でも、v2.80のプリセットは客観的に見てもよくなってますよ。ハイカットやローカットを加えたり、よりたくさんの人に聴いてもらったりしたので…でも完全ではないですけどね。(笑) こればかりは他社製品も一緒ですけど。
だから、自分でゼロから作るプリセットが一番いい音がすると思いますよ。

絶対にやらないようにしているのは、他社のコピーのような製品を作ること

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R : Powercab 212 Plusもリリースされたばかりですが、そういう新しい着想を得る文化や社風について教えてもらえますか?

Eric Klein : 例えばHX Stompの場合を例に取ると、Helixシリーズはとても成功した製品でしたが、ギタリストの中でもモデリングを受け入れる非常に限られた層にのみ売れていて、それ以外のもっと多数派のギタリストは、あまり使ったことがなかったり、操作が複雑だったり、いろんな理由でモデリングを好んでいないという問題がありました。でも、Line 6が今後も成長していくためには、そうしたモデリングを使わない人たちの新しいマーケットにも参入していく必要があると考えていました。

ですので、HX Stompにおいては3つのゴールを掲げていました。1つ目は、Helixと全く同じサウンドが得えらること。同時に使えるアンプやエフェクトの数は少なくなっても、サウンド自体はHelixと変わらないことにこだわったんです。2つ目は、「モデラー」を感じさせないようにすることでした。スクリーンやノブ、ボタンは搭載していても、いかにもモデラー然としたものではなく、ペダルボードに馴染むようにしたかったんです。それで、ブティック・ストンプボックスを思わせるラメ入りのブラック・カラーを採用しました。3つ目が一番難しかったんですが、どんなペダルボードにも収まるよう、サイズを可能な限り小さくするということでした。なぜなら、北米では多くの人がペダルボードの中身を頻繁に入れ替えて、そのたびに写真を撮ってオンラインで友人たちにシェアしたりするのが当たり前なので、HX Stompをそこに入れてほしかったんですよ。だから、このサイズにするのに大変な努力をしました。偶然なんですが、Helix Backpackの小さいポケットにもピッタリ収まるようになったし、ペダルボードに他社のペダルが入りきらない場合にもHX Stompを入れることができるようになりました。その結果、本物のアンプやペダルを愛用してきたギタリスト達もHX Stompを受け入れるようになってきたのです。そして驚いたことに、HX Stompを購入した人のうち、結構な割合がHelixにアップグレードしてるんです。HX Stompを使って音も良いし気に入って、デカい方もチェックしてみたいなってなるんですね。だから、HX Stompの登場でモデラーのシェアは大きく伸びているんです。

Line 6はとてもカジュアルかつリラックスした雰囲気で、風通しのよい文化を持っていて、オンラインでたくさんのコミュニケーションを取りますし、SNSで直接ユーザーとやり取りしたりもします。そのため、解決すべきカスタマーが抱えている問題点を常に把握できるようになっているのが、私たちの大きなアドバンテージと言えるでしょう。
絶対にやらないようにしているのは、他社のコピーのような製品を作ることです。何かを作り始めるときには、完全にゼロ・ベースでデザインするようにしています。ですので、例えば、すでに市場にある製品をもっと安く作るとか、サウンドを改良したりとかでシェアを奪おうとかいう発想は全くありません。常にギタリストがどんな問題を抱えていて、それをどう解決するかだけを考えています。

これは新製品の開発だけではなく、追加する機能についても同様です。例えば、今回のv2.80で搭載された「ホットキー」の機能は、追加して欲しいと誰かに頼まれたわけではなんですけど、これはスタジオやライブでラップトップを使うバンドにとって大きなソリューションになると考えたんです。なぜなら、より多くの外部の機材もコントロールするようになることで、もっと大きなレコーディング/ライブ機材のセンターピースになれるのです。ライブ中にプレイボタンを押すためにわざわざラップトップの近くまで行かずに済んだり、YouTubeやSpotify/iTunesとジャムセッションしたりするときにもギターに指を置いたままコントロールできるので、音楽を作るというクリエイティブなプロセスが損なわれないで済むんです。レコーディング中にも、ギターから一旦指を離してしまうと、また戻したときに微妙に音のニュアンスが変わってしまったりすることがありますが、その必要がなく、ギターにフォーカスできるので、よりよいレコーディング環境が手に入ります。

R : ホットキーは、ユーザーの要望から生まれたものではなく、Line 6からの「提案」なんですね。

Eric Klein : 実は、個人的にPODの頃に搭載したかった機能なんですよ。みんなのサポートを得るために社内的に多くの議論を重ねて、だいぶ時間がかかりましたけど、ようやく搭載することができ、たくさんの人が使うようになっています。
搭載できたらクールだなったいう機能はもっとたくさんあるんですが、それを実現するのに必要なリソースを集めないといけないので…Idea Scaleは、そういった声を集める一つの情報源だし、オンラインでカスタマーとやり取りしたり、販売店にインタビューしたりして、実現が簡単なことも難しいこともありますが、単にカスタマーの求めることに対応するだけでなく、彼らの抱えている問題点自体を理解して、それに向けて、彼らが考えている以上に簡単で洗練されたソリューションを提供するのが重要だと思っています。

例えば、「スナップショット」は、約20のIdeaScaleのリクエストを同時に解決したんです。リクエストの1つは、「複数のスイッチを同じブロックにアサインしたい」というもので、これはスイッチを押す順番によって1つものが別の状態を示すことになってしまって無理なんですが、実際にユーザーが求めているのは「1つのフットスイッチで全てのブロックの状態を完璧に再現できるようにしたい」ということがわかっていたので、それがスナップショットのトリガーになったんですよ。そしてライブコンソールのスナップショット機能にもインスパイアされました。

ホットキーの話に戻ると、これはコンピュータのキーボードからコントロールできることは全てできます。8つの代表的なキー・コマンドをテンプレートで用意してありますが、非常に簡単に入れ替えることができるので、ユーザーのみなさんがお好きなように変更して使うことを期待しています。
こうしたものの多くは、私自身のスタジオでの経験がベースになっていて、知り合いにProToolsのエンジニアがたくさんいますが、彼らは朝4時にほとんど寝ている状態でも、素早くキー・コマンドを出しながら、1時間で数千ものエディットができるんですよ。(笑) それと同じように、必要なショートカットを全て足に任せればギターから手を離さないで済むし、スイッチを踏むだけで違うテイクを録り直したりできるようになります。
1月にNAMMショーでHelixユーザーのパーティーを開いたんですが、そこでv2.80をアナウンスする際に使ったパワーポイントは床に置いたHelixからホットキー経由でコントロールしていました。

これまで不可能だったことにもアクティブにチャレンジ

R : 同じヤマハ傘下の会社として、今後Steinbergとコラボするような可能性はありますか?

Eric Klein : それは是非やりたいと思ってますね。ヤマハはとても大きい会社で、今回日本に来るまで、ゴルフ・クラブを作ってるなんて知らなかったくらいなんですが(笑)、そういう環境では異なる部署同士で交流するのはなかなか難しいこともあります。でも、Steinbergには友人もいますし、コンタクトを取り合ったりもしていて、また、すでにいくつかアイデアを持ってたりもしますので、そのための時間を見つけたいですね。

R : PODシリーズは今後も続きますか?

Eric Klein : POD HD500は、発売されてもう10年近くになり、ある意味Helix LTはその発展的な後継機種とも言えなくはないですが、PODもなくなったりしませんよ。POD HD500Xが売られている50,000円台というのはとても魅力的な価格帯ですが、実際のところ、今この価格帯でものすごくパワフルなものを作るのは大変難しいんですよ。パーツの価格や労働コストが上昇する一方で、IR対応や大きなカラー画面を搭載するのが当たり前になってきています。ただ、私たちはこれまで不可能だったことにもアクティブにチャレンジしていくので、PODは今後も続いていきますよ。

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記事内に掲載されている価格は 2019年11月29日 時点での価格となります。

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