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DTMを始めたばかりだけど、最新のEDMを作ってみたい!
EDMが作りたくてDTMを始めたという方はかなり多くて、EDMで良く使われているソフトシンセ XFER RECORDS/SERUM は現在も大人気で売れ続けています。EDMというとシンセサイザーがたくさん鳴っていて、それぞれの音色がどういった役割なのか初心者には分かりにくく、そしてEDMのトレンドは刻一刻と変化して行きます。最新EDMを作るにはシンセサイザーを駆使した音作りの研究やリズムの組み上げ方、ミックス手法に至るまで膨大な時間と労力を必要とし、それが音楽本来の醍醐味ともいえますが、この記事では最新EDMを初心者が手軽に作れる方法をご紹介します。
初心者の救世主、プロに金棒の BIG FISH AUDIO / MOMENTUM
BIG FISH AUDIO社は1986年以来、常に最高品質のサンプルライブラリを制作し、何百ものチャート入りした曲やトップ映画、テレビのサウンドトラックで使用されてきました。世界最大級のサンプルライブラリのディストリビューターであり、豊富なレコーディング設備とプロデューサーチームを駆使して、最新のループライブラリやバーチャルインストゥルメントライブラリを制作しています。
BIG FISH AUDIOからリリースされた MOMENTUM(上の画像) は無料でダウンロード可能なMac/Win対応プラグインです。「コンストラクション・キット」という、曲のパーツをバラバラにしたフレーズライブラリ素材やユーザーののサンプルを読み込む事ができ、それを自分好みに選んで組み合わせる事で音楽制作を行う事ができます。MOMENTUM用に供給されるライブラリはロック、ジャズ、ファンク、ソウル、レゲエ、民族音楽、アンビエント、テクノ、EDMなどなど、ありとあらゆるジャンルが網羅されており、選曲家や劇伴作家などのプロユースで十分に使用できるクオリティです。使い方はとても簡単でDTM初心者でもすぐに使いこなす事ができるでしょう。今回は最新EDMを作成するために作られたキットを実際に使ってみたいと思います。
EDM前夜からの20年史〜トランス、エレクトロ、レディーガガ、そしてEDMの10年
MADARA(オーストラリア)による2017年リミックス。日本のオリエンタルなメロディがEDMサウンドに昇華されています。
2000年代始めのトランス、中盤からエレクトロ、後半のレディー・ガガでソフトシンセが市民権を得て、シンセサイザーを使用して作られるダンスミュージックが EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)と呼ばれるようになった2010年代。アヴィーチー、カルヴィン・ハリス、デヴィッド・ゲッタ、ゼッド、などがEDMシーンを席巻しパーティムーブメントが盛大に盛り上がりました。パーティーからチルアウトするようにミドルテンポのEDMが脚光を浴び始めた2010年代中盤以降、トラップ、フューチャーベース、トロピカルハウス、トワークなどの多様なジャンルがポストEDMとして派生して、現在のEDMへと繋がっています。
MOMENTUMで使える最新EDMライブラリ3選
MOMENTUM用にリリースされているキットの中には盛大な縦ノリEDMのライブラリも数多くありますが、ポストEDMから最新EDMを作るためのキットを集めたライブラリ3製品をピックアップして、実際にどんな感じでトラックが作れるのか動画でご紹介します。
ESCAPE: MODERN POP & EDM
Zedd、Tiesto、Slushii、NGHTMREなどのスタイルでプロデュースされたキットを50種類、3.4GBのコンテンツを収録。制作に必要なシンセ、ベースライン、フックが全て収録されています。
詳細はこちらPOP LIFE: MODERN POP HITS
Khalid、Kygo、Logic、Noah Cyrus、Halseyのスタイルでプロデュースされたキットを50種類、3.5 GB以上収録。トップチャートに必要なすべての要素が含まれています。
詳細はこちらPOP LIFE 2: MODERN POP HITS
MODERN POP HITSファミリー最新版。最高のモダンスタイルが詰まったコンストラクションキットを50種類、4GB以上収録。アップビートなシンセ、FXトランジション、チョップされたボーカル、パンチの効いたドラムなど、モダンポップなサウンド満載。
詳細はこちらMOMENTUM 実践動画1:トラックを作成する方法
DAWのプラグインから MOMENTUM を起動して POP LIFE: MODERN POP HITS からキットを読み込みました。楽曲を構成するトラック(ドラム、ベース、シンセ、ピアノ、声ネタ)がボリュームスライダーとして現れます。各トラックにはドラムパターンやシンセフレーズが録音されたオーディオデータが入っていて、プラグイン画面下の鍵盤を押すことによって再生できますが、実際に制作する際にはMIDIノートをDAWトラックに入力します。動画ではライブラリを読み込んでから鍵盤を押してトラックを試聴し、Studio OneのトラックにMIDIデータを入力、約1分半程度でコンストラクション・キット全体像を聴く事が出来ました。実際にはそこから素材を引き算して展開を作って行く訳ですが、そちらは次の動画でご覧ください。トラックに対応した鍵盤(ド、ミ、ソ、シなど)から低い鍵盤の赤い領域では、曲のキーを変更する事も可能です。また、DAWのテンポを変更すると演奏がテンポに追従するのも実用的です。
MOMENTUM 実践動画2:キットに用意されたトラックの組み合わせで展開を作る
ESCAPE: MODERN POP & EDM からキットを使用し、再生するトラックの組み合わせで展開を作っています。こちらもDAWは実践動画1同様にStudio Oneを使用していますが、一般的な右へと横スクロールしていくDAW (Presonus/Studio One、Steinberg/Cubase、Avid/Protools、MOTU/Digital Performer、Apple/Logic Pro Xなど)では同じようにMIDIデータを入力すればOKです。
MOMENTUM 実践動画3:ableton Liveで展開を構築する
パターンを組み上げて楽曲を構築するDAWの代表選手 ableton Live は MOMENTUMとの相性が良いです。POP LIFE: MODERN POP HITS2 を使用し、ドラムやベーストラックのMIDIノートをクリップ毎に割り当て、クリップの組み合わせを試行錯誤する事が簡単にできて便利です。
MOMENTUM 実践動画4:2つのキットを混ぜて新たなパターンを生み出す方法
複数のMOMENTUMを起動してキットを読み込めば、素材の組み合わせが無数に広がります。動画ではメインとなる POP LIFE: MODERN POP HITS キット(左側)に対し、ESCAPE: MODERN POP & EDM キット(右側)のキーを原曲から5半音下げてコードを合わせ、新たな演奏パターンが生まれました。ESCAPEのドラムにはフェイザーエフェクトやハイパスフィルターをかけて、POP LIFEのドラムの邪魔をしないよう高域だけを使用しています。
今回は初心者に向けて MOMENTUM の超基本機能をご紹介しましたが、次回はEDM以外の生楽器ライブラリの紹介や MOMENTUM の便利な活用方法をご紹介します!
記事内に掲載されている価格は 2020年10月2日 時点での価格となります。
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