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ロック曲をミックスするとき、熱いギターサウンドとパワフルなドラムを表現するためにエフェクトプラグインをいろいろ試していませんか?ロックギターやドラムに特化された専用のプラグインがあれば便利なのに、、、とそんな時に強力な助っ人になってくれるのが、ロック界を牽引してきた名エンジニアによる即戦力プラグイン Waves Signature Seriesです。
Waves Signature Series
名エンジニアのノウハウがひとつのコンポーネントにまとめられた Waves Signature シリーズを使えば、ボーカル、ギター、ベース、ドラム、シンセなど、楽器の特徴に合わせた音作りが素早く簡単に行えます。前回試した Tony Maserati & JJP にひき続き、今回は Eddie Kramer と Chris Lord-Alge のシグネチャープラグインを使って、ロックギター、ロックドラムをパワフルにできるのか試してみました。
今回ご紹介するプラグイン
Chris Lord-Alge Signature Series
30年以上もの間、ロック界のサウンドを牽引してきたクリス・ロード-アルジ。彼のテクニックを、ギター、ベース、ドラム、ヴォーカルなど用途別の6つのプラグインとして再現しました。エアロ・スミス、ミューズ、グリーン・デイ、U2、ナイン・インチ・ネイルズ、フー・ファイターズ、アラニス・モリセットなど、数え切れないほどの名盤で聴かれるエンジニアリングを、ミックスに取り入れることができます。
Eddie Kramer Signature Series
ビートルズ、ジミ・ヘンドリックス、レッド・ツェッペリンなど、歴史に残る数多くの制作現場で、輝かしいロックの歴史を築き上げて来たミキシングエンジニアの一人です。このシグネチャーシリーズには、幾つものハードウェア・アウトボードのチェーンを必要としたサウンドがシンプルな操作で再現できるように、エディ・クレイマー自身のミックステクニックと哲学が詰め込まれています。
☆ギターをパワフルにしたい!
【CLA Guitars】
ロックサウンドの重鎮、クリス・ロード・アルジによるギター専用プラグインです。Bon Jovi「Have A Nice Day」、Green Day「American Idiot」、Hoobastank「The Reason」。その他にもAerosmith、Linkin Park、Skillet、Avril Lavigne、UVERworld、B’z、X Japan、Miyaviなど、誰でもおそらく…数十曲は、彼が手掛けたサウンドを聴き込んでいるのではないでしょうか。 ※彼が手掛けた作品の “膨大なリスト” はオフィシャルサイトで確認できます。www.chrislordalge.com/credits
COMPRESSスライダーを上げるとギターサウンドが厚くなりました。ギターに迫力が足りないと感じたら、まずはCOMPRESSスライダーを試してみるのが良さそうです。スライダーの上のボタンに設定が3種類(PUSH、SPANK、WALL)用意されていて、WALLが文字通りギターの壁を作るのに重宝しそうです。PITCHスライダはギターのステレオ感を広げてくれて、ギターの本数が増えたかのような派手なサウンドになります。元のギターサウンドは音がこもって奥に引っ込んでいましたが、1つのプラグインだけでエッジの効いたパワフルなギターの壁になったと思います。
【Eddie Kramer Guitar Channel】
正しい量のEQ、コンプレッション、ディレイ、リバーブ、わずかなフランジャー、これらの要素を組み合わせて作られたリードギター向け設定と、目の前に迫ってくるリズムギターを目指して作られたエフェクトチェーンを再現したプラグインです。ライブ感や有機的なサウンドが、ミックスの中ではっきりとした刺激を創り出してくれます。
3つのギターサウンド「RHYTHM 1、RHYTHM 2、LEAD」の中から今回はRHYTHM 1を使用しました。ギターがクリアーで骨太になり、このプラグインを通すだけで十分満足してしまいましたが、SENSITIVITYノブを上げるとさらにハイゲインな荒々しい音になり、曲のイメージに合わせて歪み感を調整できるのが便利でした。TREBLE と MID ノブでさらに音色作りをすることも可能です。ギターが前面にピッタリと張り付きながらステレオ感も増し、ロックらしい力強いギターになりました。
☆ドラムをパワフルにしたい!
【CLA Drums】
どんな曲でも、どんなミックスでも、誰でも素晴らしいドラムサウンドが楽しみながら手に入る、クリス・ロード・アルジ本人もお気に入りのドラム専用プロセッサーです。キック、スネア、タム、オーバーヘッド、ルームアンビエンス、そしてカウベル用のカテゴリーが用意されており、ドラムのパーツごとに使用することができます。
まずはスネア単発で試しました。元のスネアは野生味あるロックな音ですがパンチ感に欠けていたので COMPRESS スライダーの「SPANK」設定を試してみました。音の芯がタイトにまとまりアタック感も出て、クールな印象になりました。ボーカルが入ってくることを想定すると、スネアがボーカルの邪魔にならない位置に引っ込みながらも、ドラムの顔になるパワフルなスネアになりました。その次にキック、スネア、ハイハット、オーバートップのチャンネルに個別でプラグインを立ち上げて、それぞれのパーツに合わせたエフェクトカテゴリーを選びました。キックはロックのキックらしく、スネアはロックのスネアらしく、それぞれに特化されたスライダーが用意されているので、一つづつ試していくだけで欲しい音に近づき、ロックドラムらしいサウンドに仕上がりました。
【Eddie Kramer Drum Channel】
ビートルズ、ジミ・ヘンドリックス、レッド・ツェッペリンなどなど、ロックが市民権を得る時代に生まれたレコードに共通しているのは、最もミックスに頭を悩ませるドラムの音が普遍的な美しさを持っているということです。そんなレコードのミックスを手がけていたのがエディ・クレイマーです。ドラムパートの各トラックにインサートすることで、リスナーを感動させるドラムトラックを素早く構築することができます。
キック、スネア、タム、オーバーヘッドにプラグインを試してみました。Over Head パートの入力音が大きすぎたため SENSITIVITY を少し下げただけで他のパラメーターには全く触っていないのに、サウンドが太くクリアーになり驚きました。キックとスネアだけでなくタムがはっきりと聞き取れるようになり、曲後半のタム回しがアレンジとして生きてくるサウンドになりました。TREBLE と BASS ノブで音作りをすることも可能ですが、通すだけで粒立ちがはっきりとした音になるので出番は少なそうです。Eddie Kramer Guitar Channelを試聴したときにも感じましたが、Eddie Kramerのサウンドはスマートフォンで聞いてもきちんと再生される、どんな環境で再生してもサウンドのバランスが損なわれない部分にも魅力を感じました。
記事内に掲載されている価格は 2022年7月29日 時点での価格となります。
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