3/2 ROCK ON PRO主催イベント Avid Creative Summit 2023 内で行われた、パソコン音楽クラブ によるDolby Atmos生配信ライブ。
今回はそれがどのようなシステムでどのように行われたのかを解説していこうと思います。私、バウンス清水が裏であれこれ頑張っていたんです。笑
まずパソコン音楽クラブさんのMacにHD Native TB+MTRX STUDIOを接続し、30chのオーディオをマルチでアウトしてもらいました。(15グループのSTEM MIXという状態です)
それがDanteでBlueRoom内のMTRX STUDIOへ送られます。BlueRoom 内にはMac Studioが用意され、そのPro Toolsでまずその30chを受け取ります。その後Dolby Atmos Rendererへ音を送りたいのですが、プレイバックエンジンでは音を入力するためにHD Native TBが使用されているため、”Dolby Audio Bridge”を使えません。
そこで登場するのがAUX I/O。AUX I/OでDolby Audio Bridgeに音を送出します。これで、Rendererに音を送ることができます。Rendererのアウトはどこにすればいいでしょうか。MTRX Studioから音を出したいのでHD Native TBを選びたいところですが、こちらもPro Toolsで使用中のため、使うことができません。
そこでPro Tools Audio Bridgeを使って、Pro Toolsに音を戻します。その後、Pro Toolsにて7.1.4chモニター用のAUXトラックを作り、そこからHD Native TBを経てMTRX Studioへ音を送るような流れを作りました。
その7.1.4chの音声をDanteを使い、NeStream配信のシステムに送りました。
同時にYoutube用、会場ヘッドホンモニター用のZoom、会場PAにはバイノーラルレンダリングされたものを早出しています。
シグナルフローとしては上記の通りで、セミナー内でも説明があったのですが、使用したBlue Room内のPro Toolsセッションについてはセミナー内では触れていないのでここで詳しく解説しようと思います。
会場とは別室であるLUSH HUB内のBlueroomでは、Dolby Atmosがセッティングされた環境で同時試聴。
多くの方が部屋を訪れていました。
30chマルチでアウトしてもらったと書きましたが、以下のような構成にしました。
事前にもらった曲のデータから上記の15グループを作成し、パンニングもそこで組んでおきました。
もらった素材を聴きながらグルーピングを考えたわけですが、まずダンスミュージックなのでグルーヴが崩れないことを意識しました。BREAKやPERCなどは広く横の方にパンニングしても面白いのですが、そうするとSTEREOの時に持っていたグルーヴ感と異なってしまうことがあるので、そこは意識しました。
PAD等のアタック成分の少ないものは後方にパンニングしても違和感がないことが多いので、今回もPADは後ろの方にパンニングしています。Synthパートは『横』『上』『後ろ』と3つのグループを用意した形となりますが、こちらはパソコン音楽クラブさんに使い方は任せようと思って用意したものになります。
声ネタ等も多くあったので、動き続けているグループも用意しようと考えました。
DolbyAtmosやった感が出るようにといいますか。笑
動き方は丸、四角、縦、横にしましたが、これも自由に遊んでもらうためにこんな動き方用意しました!的に作った形です。ここもはパソコン音楽クラブさんに何を送ってもらうかはお任せした形です!
事前にこの15グループの情報をパソコン音楽クラブさんにお送りし、前日のリハで7.1.4chで確認してもらいながらパンニングの微調整を行い、当日に挑みました!
準備は万端なので、当日はPro Toolsが落ちないことを祈るというのがメイン業務。別マシンのPro Toolsで30chをRECし、アーカイブとして残せるようにしました。
こちらのDolby Atmosセッションですが、渋谷店 梅田店に用意しておりますので店頭で試聴できるようになっております!!
いかがでしたでしょうか。
説明されてしまったらそんなに大変なことをしているわけではないこと、ご理解いただけたのではないでしょうか?Dolby Atmosに興味が湧いた方は是非バウンス清水にご連絡を!
こちらのNeStreamでの配信ですが、アーカイブが出てますので是非チェックしてみてください!
関連記事
SPRING SESSION -今更聞けないDAWの基本操作比較- IMAGE LINE SOFTWARE FL STUDIO 21編
SPRING SESSION -今更聞けない初期設定- M1 macセキュリティブロックの外し方編
SPRING SESSION -今更聞けないDAWの基本操作比較- MOTU Digital Performer 11 編
記事内に掲載されている価格は 2023年4月14日 時点での価格となります。
最新記事ピックアップ