IMPACT SOUNDWORKSから、繊細なマスタリングからド派手なサウンドメイクまで綺麗に決まる万能テープ・プラグイン「TAPE SCULPTOR(テープ・スカルプター)」が発売されました!
TAPE SCULPTORは、ソフトウェアエンジニア/ミュージシャンとして活躍するJatin Chowdhury氏とのパートナーシップにより開発された次世代のテープ・プラグインで、10個のモジュールをコントロールすることで、磁気テープのサチュレーションと自然なコンプレッションを再現します。
マスタリング時に絶妙な暖かさと色を与えるような繊細な処理だけでなく、ドラムとベースのサウンドを太くする、ローファイ感のあるざらつきや派手なディストーションを加える、オリジナリティのある新たなサウンドデザインの可能性を追求するなど、様々な使い方が可能です。
サウンドにパワーを与えるプロセッシング・モジュール
上の画像の黄色い枠線で囲まれたエリアには「Filter」、「Emph (Emphasis:エンファシス)」、「Compressor」、「Saturation」、「Output」モジュールが搭載されています。これらモジュールの豊富なパラメーターによって、テープコンプ特有の飽和感やサチュレーションが得られます。
特に、Emphモジュールではコンプレッサーの前段階で低域と高域を増減して、コンプレッサーに叩いて欲しい帯域と量感をコントロールすることができます。また、サチュレーションにも影響を及ぼすことができる、”使えるサウンド”を生み出す便利なモジュールです。
テープサチュレーションが生み出す、力強いサウンド!
サウンドにパワーを与えるプロセッシング・モジュールを使用して、TOONTRACK EZ DRUMMER 3のドラムをパワフルに仕上げる実践を行いました。
サチュレーションだけで十分に存在感のあるサウンドが得られ、アナログ機材にレベルを突っ込み気味にした、いわゆる美味しいサウンドが簡単に手に入りました。様々なアナログ系プラグインでサチュレーション機能を見かけますが、本製品は密度の高い中域が特徴です。
コンプレッサーのスレッショルドを下げてコンプがガッツリかかる状態から、エンファシスのBassを下げるとキックが前に出てきます。Trebleも少し下げるとスネアのアタックだけが叩かれる設定となり、サチュレーション効果と相まって力強いサウンドになりました。
動画では試していませんが、Outputモジュールの一番下にある Makeup を使用すると、エフェクト後の音量を元の音量に揃えてくれるのも便利です。
さらに効果的なのがM/Sモードです。センター成分だけにサチュレーションやコンプ処理を行うと、サイド成分は原音のままセンターだけが太くなるので、とても自然にパワー感が出ます。TAPE SCULPTORはリズムセクションの音作りにかなり使えるとプラグインだと思いました。
音を劣化させる、滲ませる、揺らす、繰り返すプロセッシング・モジュール
その他のモジュール、上の画像の黄色い枠内のモジュールは、テープがサウンドを劣化させる様々な要素をエミュレートしています。アナログのテープが生み出す音の劣化はディレイと相性が良く、一番右にディレイのモジュールが搭載されているのも嬉しいですね。
何度も使用され劣化し始めた古いテープをエミュレート
壊れたテープマシンによって損傷されたテープをエミュレートし、断続的なドロップアウトをもたらします
再生ヘッドとテープの物理的挙動をモデル化し、ギャップや幅、テープの厚さによって周波数特性に自然な変化を生じさせます
テープ速度が微妙に速くなったり遅くなったりする、ピッチ‧モジュレーションのような効果を生み出します
フラッターに似ていますが、より長い時間スケールで起きる現象をエミュレート
4タップのテープ‧ディレイ‧プロセッサー。Time, Pan, Levelの3種のコントロールが可能
テープが音を劣化させる要素を入念に再現!
音を劣化させるプロセッシング・モジュールを使用して、TOONTRACK EZ KEYS 2のピアノを劣化させる実践を行いました。
Degradeに搭載されているヒスノイズは、テープ特有のヒスノイズがローファイ感やレトロ感を演出してくれます。常に「サー」といったヒスノイズが鳴るのはテープメディアの宿命ですが、TAPE SCULPTORにはEnvelopeというパラメーターが用意されています。これを最大にすると、演奏している時だけヒスノイズを付加して、無音部分ではヒスノイズが鳴りません!音色にアナログの雑味成分を足して、エフェクトの乗りを良くしたい時に重宝する便利機能です。
どのモジュールも、音の変化を分かり易くするために効果を強めに試しました。ただ、強くかけるとサウンドが簡単に崩壊してしまいますので、実用的な使い方としては浅めに、絶妙に汚す程度がローファイ感に適量です。逆に、サウンドの破綻を実験的に取り入れるというのも面白いかもしれません。
豊富に用意された即戦力プリセットを試聴!
TAPE SCULPTORには、カテゴリー別に分類された豊富なプリセットが用意されています。サウンドにパワーを与えたり、音を劣化させるプロセッシング・モジュールがどのように活用されているのか、プリセット・カテゴリーごとに試聴動画を作成しました。
Bus
ステム・トラック向けのプリセットです。AUDIOMODERN LOOPMIXのリズムトラック素材に、音圧感や汚れ感といった個性が加わって行きます。一つのテーププラグインで、とても多彩な音色変化が得られることが分かります。
Saturation
テープレコーダーを再現したプラグインのなかでも、TAPE SCULPTORはテープサチュレーションが大きな魅力である事が分かります。オーバードライブ、ディストーションに並ぶ歪み系の一つとして、ぜひ常備しておきたいプラグインです。
LO-Fi
ナローレンジに劣化するプリセットです。楽曲全体への味付けのほか、ワイドレンジな楽曲の中でアクセントとして活用するのもお勧めです。イントロやエンディングにローファイなセクションを加えてみると、楽曲が映えるのではないでしょうか。
Spatial & Modulation
ピッチが揺らぐモジュールを使用したり、ディレイで空間を広げています。エレクトロニック系の無機質なサウンドにマッチする、オーガニックに仕上げるプリセットです。
Extreme
サウンドが劇的に変化するプリセットです。激しく歪むだけでなく、ラジオボイスのようになったり、程よい劣化感もあったりと、このプリセットは自分のエディット次第で好みのサウンドに一変します。効果を浅めに設定するのがこのプラグインのポイントです。
記事内に掲載されている価格は 2023年6月30日 時点での価格となります。
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