Rock oN Buyer’s Guideで新たな制作の季節を切り拓こう!
この春、個性豊かなRock oN スタッフが、独自の目線でイチオシ制作機材をご紹介。
1.高いプレイヤビリティと明快なインターフェース
音作りの楽しさ「いじればすぐに変わる」音作りの体験。1つのツマミに1機能、ファンクションボタンは不要です。使いやすさのために考え抜かれた設計と配置が音作りのインスピレーションを導いてくれる事でしょう。
弾力があって弾きやすい4オクターブ49鍵盤はベロシティ、アフタータッチ対応。アフタータッチでLFO変調の深さをコントロール可能です。ピッチベンド、モジュレーション・ホイールの右側、縦に4つ並んだ白のマクロノブでモジュレーション・デスティネーションをリアルタイムにコントロールできます。右手で鍵盤、左手で4つのツマミ、2つのホイールを操れるという、高いプレイヤビリティを備えています。
本体背面にフットスイッチ、エクスプレッション・ペダル入力のほか多彩な外部接続端子を装備。MIDI、USBはもちろん、12系統のCVインプット&アウトプットはマトリクスと組み合わせて使用することができ、ユーロラック・モジュラーの併用など更にに自由度の高い音作りが行えます。また、珍しい機能としてオーディオインサート端子がありマスターアウト直前にエフェクトをインサートする事が可能です。
2. 『電気の音』を感じられる極太アナログオシレーター
MatrixBruteはオシレーターの素の音が非常に太く、1970年代に発売され伝説となった名器 Minimoog Model D に近い出音なのではないでしょうか。立ち上がりのアタックの強さ、パツパツという音が出音を特徴づけ、「電気の音」を感じる事が出来ます。
そして、太い音のアナログシンセはモノフォニックというイメージを持つ方が多いかと思いますが、
MatrixBruteのボイスモードは、モノフォニック、デュオフォニック、パラフォニックの3種類で、パラフォニック時は3音ポリフォニックで演奏可能、何と和音が弾けてしまいます!和音が弾けるという事はベースだけでなくコードパートにも、そして作曲時にも大活躍してくれる事でしょう。
VCO1,VCO2のほかにVCO3を兼ねたLFO搭載、これは結構Minimoogを意識した設計だと思います。その他ノイズジェネレーターはホワイト・ピンク・レッド・ブルーの4種類。あらゆるタイプのノイズサウンドを作れます。
複雑なサウンドを生み出すオーディオ・モジュレーション部でオシレーター同士のクロスモジュレーションやノイズ、フィルターとのモジュレーションにより汚れた質感のサウンドを自在に表現可能です。
3. サウンドのキャラを決めるフィルター部はラダーとスタイナーパーカーの共演!
フィルターはmini Bruteに使用されているSteiner-Parkerフィルターのほか、モーグタイプLadderフィルターの2種類を搭載し、フィルターの直列接続と並列接続が可能です。Bassなど太いサウンド作りではラダーフィルター、過激な音作りにはスタイナーパーカーが活躍すると思いますが、2つを組み合わせる事により太さと派手さを兼ね備えた音を作る事が可能となります。更にマスター・カットオフ・ノブを使用すれば両方のフィルターを同時にスイープでき、新たなフィルター・サウンドを作り出せます。
ラダー・フィルターにDRIVEコントロール、12dB&24dB/Octスロープ切替、ローパス、ハイパス、バンドパス・モードを追加。
12dB/OctスロープはResonanceで音に特徴を加えたい時には繊細な音作りが可能となります。
Steiner-ParkerフィルターにもDRIVEコントロールを追加し、オリジナルのSteiner-Parkerフィルターと同様、太いサウンドが得られる24dB/Octスロープに12dB/Octスロープを追加。こちらもサウンド作りの幅が広くなっています!
4、一番目を引くマトリクス・セクション
このボタン群の機能は大きく分けて3つあります。
・その1、本体に保存された256音色の呼び出し
・その2、64ステップシーケンサー
・その3、モジュレーションパッチングマトリクス
その1、作った音色を保存出来るという今では当たり前の機能なのですが、256音色を保存出来ますのでユーザーエリアの空きに困る事はしばらく無いでしょう!
その2、シーケンサーは16ステップx4=64ステップで、記憶される情報はnote, accent, slide, modulation。ループ再生はもちろん、レングス設定、ランダム設定、リバース設定も可能。シーケンサーをランダムに走らせ、マトリクスボタン群がランダムに光る様子は1980年代に描写された「未来のスーパーコンピューター」そのもので、少年の頃にコンピューターを夢見た世代には感慨深い光景です。シーケンスは音色と一緒に保存ができて大変便利ですが音色とは別に保存する事も可能です。その際はシーケンスを再生中に音色を変えて行き、ベストマッチングを試すという使い方も出来ます。ちなみにシーケンサーには単音しか記憶出来ないので、パラフォニックを活かしたシーケンスを組めると更に良いですね、バージョンアップで対応出来たらもの凄く嬉しいです。
その3、モジュレーションパッチングマトリクスとして使用する際は16種類のモジュレーションソースと16種類のモジュレーション・デスティネーションを自在にルーティング可能。理屈が分かっていないと256個のボタンに圧倒されてしまいますが、変調させる元となるソースを見つけて、その信号で変調したい行き先を選ぶだけです!
5、充実のMIDI機能
MatrixBrute本体ほぼ全てのノブ、スライダー、ホイールの情報がMIDIデータとして送受信可能で、本体ローカルオフに設定すればDAWコントローラーとしても使えます。アルペジエーターとシーケンサーは外部MIDIクロックに同期可能ですのでライブパフォーマンスにも活用できるでしょう。そしてあると大変便利な、本体設定やプリセット音色、シーケンスデータを管理出来る「MIDI Control Center software」が公開される予定です。

6、高品位アナログエフェクト
回路は最初から最後までアナログにこだわり抜いた高品位アナログディレイ、コーラス、フランジャー、アナログディレイを応用しリバーブを搭載。アナログエフェクターの音がとにかくもう暖かいです!音の最後までアナログに対するこだわりが止まりません。

コントロールパネルは通常、鍵盤面と平行ですが写真のように立てて使用するのが使い易いですね。固定用パネルを立てるとARTURIAの文字が!
どれくらい凄いシンセなのか、まだまだお伝えしたい事が尽きませんが、約40年かけて進化したアナログシンセモンスターの再来です。ソフトシンセに取り込まれて終了したかと思われたビンテージシンセの逆襲です。とにかくこの出音の太さを実際に体感して頂きたいです。私も店頭に展示するのが待ち遠しいのですが、もう間もなくです!入りましたらツイートしますので店頭でお待ちしております!
ちなみに、4/8にオフィシャル・イベントが開催されますのでご興味ある方はHPをチェックして下さい。
ARTURIA イベントページはこちら:http://arturia.jp/mcs/
SCFED伊部
記事内に掲載されている価格は 2017年3月24日 時点での価格となります。
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