瀬川英史
鈴木 Daichi 秀行
Neru
yasu
高山博
井内啓二
土方裕雄
斎藤悠弥
飛澤正人
森崎雅人
いっかい
大島Su-kei
Mick沢口
深田晃
江夏正晃
伊藤翼
森崎雅人
1994年音響ハウスにてキャリアをスタート。レコーディングエンジニアとして6年間在籍後、マスタリングエンジニアに転身。2003年からはサイデラ・マスタリングのチーフ・エンジニアとして活躍中。近年手がけたアーティストは、MACO、May J.、ナオト・インティライミ、松崎しげる、BIGBANG、若旦那、RIPSLYME、ケラケラ、あがた森魚、やなぎなぎ、Matt Cab、Def Tech、など。
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ハイレゾ音源やMastered for iTunes用に、より品質の高いマスターを作りたいと思っていました。具体的には、正確なピークの管理ができて、波形そのものがクリップしていないマスターの作成です。そんな時にサウンド&レコーディング・ マガジンの記事でスターリング・サウンドのグレッグ・カルビが最終的なレベル調整をOzoneで行なっているのを知り、試しに使ってみたらとても使いやすく、シンプルな設定でイメージ通りの音に仕上げることができました。
音色は中域がしっかりしていて輪郭があり、コンプ、リミッターで作りこんでもボーカルやスネアの芯がしっかり残ってくれます。レベルを小数点以下5桁の精度で微調整できるので、デジタルなのにアナログ機材のように連続した滑らかなオペレーションができるところが気に入っています。
OzoneではEQ、ダイナミクス、マキシマイザーで音色と音量レベルの最終的な微調整をおこなっています。お気に入りのオペレーション方法をいくつか紹介しましょう。EQではローエンドとボーカルの微調整をおこないます。カーブをシェルビングに設定して40Hz辺りからほんの少しレベルを下げるとローエンドの被りが抑えられてキック、ベースがしっかり聴こえてきます。
さらに500Hz辺りをピークEQで強調するとボーカルに厚みが出て声がぐっと前に出てきます。ダイナミクスは4バントにわけてアタック、リリースを細かく調整しています。例えば低域が多くてボーカルが抜けてこない音源にも、120Hz以下の帯域の音量レベルを1dBほど下げるだけでキックベースが抑えられボーカルアップのバランスに近づきます。マキシマイザーの設定はアナログテープを通したように自然にピークを押さえて厚みが増すIRC2がお気に入りです。生楽器中心の楽曲で透明感を出したい時にはIRC1を選択します。このキャラクターの設定次第でアタックをシャープにしたり丸くしたりできるので歌とオケの馴染みや前後の奥行きの微調整に重宝しています。
ほとんど欠点は思いつきませんが、強いて言うならば価格がリーズナブルなために一般的には簡易マスタリングのためのツールだと認識されていることでしょうか。確かに豊富なプリセットを選択すれば何となくそれらしい音で仕上がりますが、最高のモニター環境で積極的にパラメーターを調整してこそOzoneの真価が発揮されるのは間違いないですね。