国内外のあらゆるイベントをいち早くレポート! またブランドや製品誕生の秘話に迫るDEEPなインタビューを掲載!
Rock oNサイトをチェックして頂いている皆さんの中には、プロの作曲/作詞家/アレンジャー/トラックメーカーを目指し、日々、精力的な制作活動を行っている人が多くいらっしゃることでしょう。そんなみなさんにとって、プロの制作現場の雰囲気を間近で感じることができる貴重なイベントが、日本のトッププロデューサーを擁するagehasprings(www.ageha.net)によって開催されました。
ズバリ、この記事はJ-POPシーンの未来を先導することになる、若きクリエーター予備軍のみなさんに向けた内容になっています! 残念ながらイベントに足を運べなかったみなさんに当日の模様をお送りするとともに、貴重にもagehasprings CEOの玉井健二氏にインタビューする機会を頂きました。玉井氏の言葉の中には、これからあなたがプロのクリエーターとして活躍するための多くのヒントが隠されているかもしれません!
agehasprings Open Lab.
2017.12.09.SAT 14:00 START at 3331 Arts Chiyoda
<1+3部>
玉井健二・百田留衣【公開ボーカルレコーディングワークショップ】
普段、プロのレコーディング現場では何が行われているのか? ゲストボーカリストMoaさんの手による歌「つむぐ。」が、2人の一流プロデューサーの手で楽曲として昇華していくまで。通常、人前では公開されない貴重なプロセスが明らかにされます。
<2部>
田中隼人【公開アレンジワークショップ】
楽曲のアレンジ過程を再現しながら楽曲解説していくワークショップ。一般公開される事のないアレンジのビフォー・アフターを実際の音と共に体験できる内容に。
イベント第1部「公開ボーカルレコーディングワークショップ」
<出演>
Moa(ゲストボーカリスト)
玉井健二(音楽プロデューサー/agehasprings CEO)
百田留衣(音楽プロデューサー/agehasprings)
まず、第1部ではボーカル・レコーディングのプロセスを公開。会場の隅に、クリアパネルで簡易的に設置されたボーカルブースの中でMoaさんが歌います。また、ステージ上にはボーカル・ダイレクションとして玉井氏が、またこの日、特別にエンジニアとしてオペレーションする百田氏がスタンバイ。
なんと、お互いに初対面という玉井氏、百田氏とMoaさん。まずはお互いを知るためのディスカッションタイムが設けられます。アーティスト名の由来、音楽を始めたきっかけ、現在の音楽活動状況などの会話を通じ、信頼関係を構築する大切なプロセス。「Moaさんがこの曲をレコーディングするのは、人にこの曲を聞いてもらうため? それともMoaというアーティストを世の中に知ってもらうため?」といった玉井氏からの質問。この問いに対するMoaさんの答えが「今日のボーカル録りのプロセスに大きく関係するんです。」という玉井氏。
Moaさんによる自作曲「つむぐ。」の披露に続き、モニターバランスの調整を経てボーカル・レコーディングがスタート。ちょっと緊張気味でしたが、玉井氏からのアドバイスを受け取るごとに、徐々に本来の声が出てきた感じのMoaさん。歌詞各行の冒頭の言葉への意識の持たせ方、歌詞を全て「ん」で置き換えて歌うウォームアップ手法、サビから世界観を変化させるため「強い声を出すのではなく、遠くの人まで飛ばす」という意識の待ち方、などなどプロデューサーがどういったアプローチでアーティストに接し、ベストパフォーマンスを引き出すのか、参加者にとって大いに参考になるシーンが展開されます。
一通りOKテイクを押さえた後に、最後に全編を通し録音。ここでボーカル・レコーディングが終了し、参加者のみなさんは、続く第3部での最終仕上がり公開を待つことになります。
イベント第2部「公開アレンジワークショップ」
<出演>
田中隼人(音楽プロデューサー/agehasprings)
第2部では田中隼人氏が登場。実際にリリースされたDAOKO x 米津玄師による楽曲「打上花火」で田中氏が米津玄師と共同で施したアレンジワークの解説が行われました。まずは、スタート時点として、簡単なリズムとコード(ピアノ)、シンセで入れたメロディから構成されるアレンジのごく初期段階を試聴。ここから徐々に、アレンジプロセスが加えられていきます。
この楽曲のアレンジのキモになる部分は、サビで切り替わる生ドラムと、刻むことに徹した6-4-2-2編成の生ストリングス。田中氏が、如何にこの着想に至ったか、また実現するためにどういったことを行ったかが解説されます。加えて、5年後に聞いても古臭くならないためのサウンド的仕掛けの数々が解説されます。フィルターの開け閉めでギターフレーズに表情をつけるテクニックなど、DJというバックボーンを持つ田中氏ならではのアレンジワークの数々です。
イベント第3部「公開ボーカルレコーディングワークショップ」
<出演>
Moa(ゲストボーカリスト)
玉井健二(音楽プロデューサー/agehasprings CEO)
百田留衣(音楽プロデューサー/agehasprings)
第1部でボーカルレコーディングを行った楽曲「つむぐ。」が、約3時間という短い時間の作業を経て、楽曲としてどのように昇華したのか? いよいよ、最終仕上がり公開の時間を迎えました。
その前に、玉井氏が第1部の冒頭でMoaさんに問いかけた「この曲をレコーディングするのは、人にこの曲を聞いてもらうため? それともMoaというアーティストを世の中に知ってもらうため?」という問いかけ。この答えの重要さについて、玉井氏が説明を加えます。玉井氏はプロデューサーとして「この曲を知ってもらう」というMoaさんの答えを基本としながらも、さらに「どういう人がこの曲を歌っているのか、リスナーが知りたくなる」ための楽曲仕上がりを目指すことをコンセプトとし、ボーカルトラックのテイク選び、エディット、ピッチ補正、ダイナミクス/エフェクト処理、そして最終ミックスを重ねたとのこと。作業を開始する前に「楽曲が目指すコンセプトを明確に立てることが如何に重要か」について、3時間の間に行われた具体的な処理手法を振り返りながら解説が行われます。
加えて百田氏が、楽曲にさらに磨きをかけるためアレンジャー目線で行った、サビのリハモ、ボーカルハーモニー付け、オーケストレーションアレンジといった処理。以上のプロセスを経て、最終完成版「つむぐ。」が会場内にプレイバック。シンガーMoaのナチュラルな個性を活かしつつも、リリースクオリティーまで一気に昇華されたサウンドに注意深く耳を傾ける参加者のみなさん。短時間の中で行われたとは思えないクオリティーの高さに会場は驚きつつも、楽曲制作/レコーディングワークがいかにクリエイティブで面白い世界なのかを印象付け、閉会を迎えました。
agehasprings プロフィール
良質な音楽とその音楽に付随するコンテンツを創出し続ける総合クリエイティブ・カンパニー。
音楽プロデューサー・玉井健二(a.k.a元気ロケッツ)が2004年に設立。蔦谷好位置、田中ユウスケ(a.k.a Q;indivi)、田中隼人、百田留衣、飛内将大、釣俊輔など、日本を代表する音楽ヒットメーカーが多数在籍する。
YUKI、ゆず、Superfly、中島美嘉、JUJU、いきものがかり、back number、米津玄師、少女時代、CNBLUEなどをはじめ、第一線で活躍するアーティストのヒット曲を創出し続け、手掛けたCD及びDVDの総売上枚数は7,500万枚を超える。近年ではAimerをはじめとするアーティストマネジメントや、ジェーン・スー、水口哲也といった文化人マネジメントにも力を入れ、アーティスト・クリエイターの新たな才能の発掘・育成には定評がある。
また、アーティスト作品のみならず映画音楽、ドラマ音楽、アニメ音楽など、多種多様な音楽作品を手掛け、数多くのCM作品にも携わりクライアントサイドからの高い評価と信頼を得ている。
近年では2015年2月に豊洲PITで開催された『Synapples2.0 ~no border between sounds Produced by agehasprings~』や、2017年6月開催の京都岡崎音楽祭「OKAZAKI LOOPS」『agehasprings produce《node_vol.1》 featuring Aimer × LOOPS strings』など、世界に誇る日本の良質な音楽とカルチャーを最新技術を持って発信するライブイベントをプロデュースしている。
製品紹介
VECLOS MSA-380S
メーカーHP
VECLOS
https://www.veclos.jp/
記事内に掲載されている価格は 2017年12月26日 時点での価格となります。
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