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プロオーディオの歴史を築いた偉人Rupert Neve。1961年に設立したNeve Electronics社から本格的にレコーディングや放送機器の開発を手がけるようになった彼は、数々の名機と呼ばれるミキシングコンソールを設計しました。その中で今でも伝説として語り継がれる「1064」「1073」「1081」というH/A EQモジュール、そして「2254」「33609」というダイナミクスモジュールの設計をベースとした製品が、多くのメーカーからリリースされています。そのことからもNEVEデザインのアウトボードの価値の高さがうかがえます。
そのRupert Neve氏が80年代に、Focusrite社を立ち上げ開発に取り組んだコンソールが伝説の「Forte」です。時代によって求められるサウンドは変わるもの。それを敏感にキャッチして製品化していくNEVEが80年代に求められたサウンドを具現化したForteは、同じく80年代に一斉を風靡したSSLと対を成すコンソールといえます。
ForteはLundahl L1538トランス・マイクプリにより、80年代を象徴するきらびやかで特徴的なサウンド傾向を持ちながらも、音響特性にも優れ万能ともいえる高い音質を誇りましたが、当時「億単位」という高額製品だっため、Forteは世界中のスタジオエンジニアが憧れるコンソールでした。(日本には3台のみ導入されました。それぞれのスタジオはすべて国道246号線沿いという面白い偶然でつながっています)
そのForteのマイクプリをノックダウンし、Forteサウンドをスタジオのラックに納めることに成功した製品がISA110であり、さらにその基本設計とLundahl LL1538トランスを受け継いだ2chマイクプリが今回ご紹介するISA Twoです。
Focusrite Forteコンソールサウンドの要となるLundahl LL1538トランスを搭載したマイクプリアンプは、エレキギターやベースを直接入力できる1/4” フォーン端子のDI入力とバランスライン入力も搭載し、DAWでのレコーディング時のサウンド入力のグレードアップから、ステージまで様々な用途にオススメできます。
インピーダンスを変更できるバリアブルインピーダンス回路の搭載により、ベースとなったISA 110のインピーダンス1400Ωに加え、600Ω、2400Ω、6800Ω、合計4種類のインピーダンスをマイクに合わせて設定することができます。
これによりマイクとプリアンプ間のインピーダンス特性の相違によって起きる相性問題を解決し、低価格からハイエンド、モダンからヴィンテージまでマイクをベストな状態で仕様することを可能にしました。
ISA Twoはステレオ録音での使用はもちろん、シンセサイザーやリズムマシンに使えばサウンドに活き活きとした脈動感や艶を与え、DAWベースでの制作時にもそれらに独特のヌケを感じさせることができます。
NEVEが手がけたForteコンソールのDNAを受け継ぐISAシリーズは、デジタル出力が可能な1chのISA One、ドラム録音にもベストな8chのISA 828 MK II、ピアノやアコギの弾き語りにも使える4chのISA 428 MK II、デュアルモード・コンプレッサーとISA 110ベースのEQを搭載したチャンネルストリップのISA 430 MK II、そしてこの2ch仕様のISA Twoとなります。
Forteコンソール直系のサウンドを、当時としては信じられない価格で、自分の使用する環境に合わせて導入できるメリットは計り知れません。
記事内に掲載されている価格は 2012年12月21日 時点での価格となります。
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