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AES2019

19
Oct.2019
REPORT

AES2019 DAY2 : セミナーレポート

① オーディオマシンラーニング入門講座

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近年iZotopeを始め、数多くのメーカーさんがマシンラーニングを使って、次々と新しいソフトウェアを開発してきました。しかしこのマシンラーニングとは一体どんなものなのかと聞かれたら、なかなかピンとこないかもしれません。今回のそこでAESセミナーでは、レコーディングエンジニア向けに、オーディオマシンラーニングの基礎を1時間かけて紹介していました。

マシンラーニングの前提知識

まずマシンラーニングを始める前にいくつかの下準備をしなければなりません。もっとも重要なのは我々人間が聞いた音を、パソコンが理解できる言語に変換することです。音は私たちの耳に伝わり、周波数別に脳内に伝達されます。このプロセスを数値化し直感的に表せるのがスペクトログラムです。

一番身近な例で言うと、iZotopeのRXですね。スペクトログラムは周波数の強さを時間軸上に表示させるものですが、それはすなわち周波数別の波形を縦に並べて色づけで表示していくことです。

マシンラーニングにおける2種類のモデリング方法

その次がいよいよ本題に入ります。マシンラーニングは、何も知らない子供にデータを与えることによってだんだん判断力を身につけていくものなので、基本として知っておきたいことは、マシンラーニングは2種類のモデリング方法があるということです。

一つは教師があるモデルに何かしらのデータを与えて、それはどんなものなのかを判断させる方法です。その正解はプログラマーがあらかじめ作っておいて、出した答えが正しいかどうかを判断することです。

もうひとつのモデルは教師なしのモデルで、こちらは基本的にデータ分類するときに使われます。

各メーカーのアシスタント機能や音楽ジャンルを自動的に解析してくれるソフトは、だいたい以上の二つの方法で開発されています。これからもマシンラーニングを用いたツールがたくさん出てくるでしょう。

② Morten Lindberg氏のイマーシブオーディオトーク

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今回のAESテクニカルプログラムでは、イマーシブオーディオに関するセッションを紹介するために、特別にイマーシブオーディオ対応のセッションルームが作られました。本日の午前中に、2006年からGRAMMYで34回ノミネートされたレコーディングエンジニアMorten Lindberg氏が、彼のもっとも有名な作品の裏話を紹介してくれました。

最新アルバムの曲でイマーシブオーディオの音響的価値を紹介

今回Mortenさんが紹介してくれたのが今年発売された「Tomba sonora」という最新アルバムです。こちらのアルバムはオーディオブルーレイとして発売され、フォーマットとして2.0 LPCM 192/24、5.0 DTS HDMA 192/24、7.0.4 Auro-3D 96kHz、7.0.4 Dolby Atmos 48kHzの4種類があります。

アルバムの一曲が紹介されましたが、それは結論から言うと今まで聞いたことない音で、イマーシブオーディオの音楽的・音響的価値が伝わる作品でした。女の子四人の声と建築の残響だけからなる作品でしたが、精密に計算されたマイクの位置と角度だけから成り立つレコーディング作品になっていました。

しかしEQやコンプ、リバーブエフェクトなど一切使われていないこの作品は、果たしてどのように作られたでしょうか?作曲家は建築の残響と声楽特性を時間かけて考慮し、その基準となる周波数を440Hz、441Hzあるいは443Hzにするかをあらかじめ決めた上、その日の湿度や気温でボーカルを指導しながら、エンジニアのMortenさんが建築の中央においた360度マイクでレコーディングを行ったそうです。もはや違うレベルの話ですね。

Mortenさんは「リスナーを感動させる音響体験を作り上げるのが僕たちの使命で、そして、そのイマーシブオーディオが人々に今までとまったく違う音楽体験を与えてくれる新しい構想です。」とおっしゃっていたのが、非常に印象的でした。

Writer.Angela Shu

記事内に掲載されている価格は 2019年10月19日 時点での価格となります。

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