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Apr.2023
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SPRING SESSION -今更聞けないDAWの基本操作比較- Bitwig Studio 編

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みなさんこんにちはPD安田です。このシリーズも3回目を迎えました。是非みなさんも全てのDAWを網羅していただき、ジャンルに合わせて都度変えていくスタイルはいかがでしょうか?竿物を複数持つときと同じ気分になるのでは無いかなと思います。

さて、今回ですがDAWの中でも比較的新参の「Bitwig Studio」を触っていきたいと思います。このBitwigは発表当初「Ableton Live」ライクな印象で、パターンを作り、セルに組み込み、セッションを走らせて徐にパターンを鳴らして即興的なトラックが作れるDAWになっております。しかし私はこの即興でパターンを入れて作ることが一切できません。単純にやったことが無いだけで、食わず嫌いなだけかもしれません。ヘビーユーザーには申し訳ないのですが、どうしても鉛筆でクリックして音楽を作るのが楽しく、もはや鉛筆無しでは音楽とは言えない体になってしまいましたので、今回もDAWの顔と言える代表的な機能は使えているかは分かりませんが、普通にひたすら打ち込んだ画面と共に、レビューしていきたいと思います。

Bitwigのメニューバー

早速ですがBitwigの見た目について見ていきたいと思います。メインの画面はネットでも調べると見慣れた画面が出てきますが、ここで驚くのが、アプリのメニューバーの項目が全然無い!ということに気付きます。ビビる。ということは、前回のDPの冒頭に書いた「ショーカット覚えるの重要だよ」っていうのがBitwigでは当てはままらないのかと。ですが、一応Bitwig内の「File」メニューを開くと少しですが現れます。

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とても基本的な項目がメニューリストに納められております。なお表向きのショーカット記載はこれと他にもありますが、かなりシンプルです。え?これではショートカットはBitwigで用意されていないのではないか?いえ、大丈夫です。このリストの「設定」のショートカット項目に行くと、しっかりとショーカットも多数用意されており、加えて自分でカスタマイズが可能です。従って、俺は〇〇の操作に慣れているから、近い設定にしたいぞ、という方はここでガンガンにエディットしていけばBitwigに持ち替えてもすんなり対応できる様になります。ちなみにCUBASEでも同じ様な設定が可能です。まあこういうショートカットの機能って、実際に触って見て、すぐに見た目の変化があれば「あーこういう機能なんだな」ってわかるんですけど、意味もわからずに、とりあえずキーを押して見たけど何も変化ないと、結局その後は使われないっていうことが多いんですよね。大丈夫です。コピペ、Undo,Redoと右クリックさえ押さえておけば、大体のアプリは対応するので気にしなくてもいいかもしれません。

ショートカット設定画面

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こうして触ってわかるんですが、Bitwigは機能性はあるんだけれど、機能ばっかに囚われないでどんどん曲を描きなさいというスタイルな気がします。スケッチ要素として使用するにもぴったりなDAWではないでしょうか。ユーザーインターフェースが他のDAWと比べて洗練されてます。いいですね。こうして全体図を見ていくと、最初から使用するウィンドウがすでに役割がコレ!って決まっており、非常に分かりやすいです。FLやStudio Oneの様に音源リスト読み込みは右段に備わっており、左には最初からカラーパレットが用意されているので、色分けもサクサク作れます。トラックのところにインプットなどの設定はなく、CUBASEやStudioの様に左側で設定が可能です。なおインプット項目を増やす場合は「設定」に行き、オーディオの項目にて、Inputのバスを作ってあげる必要があります。なおこの設定はAbleton Liveと同じ考え方ですね。

Inputの設定画面

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さあ来ました、本題のドラムとベースの打ち込みに取りかかりたいと思います。ここで、恒例のハネを作りたく、今回もハードロックなシャッフルな感じにしたいので、6/8拍子に変えていきます。Bitwigはとても拍子変更が簡単です。トランスポーズの4/4をクリックして数字を叩き込めば、拍子変更可能です。もう一度言いますが、とても簡単です。第1,2回の紹介ではここでつまづいており、直接数字を打ち込むことができずで、どうやって変えるのか…とググることが多かったのですが、Bitwigでは思った通りに変更ができます。素晴らしい。逆にここをいじれるのって技術的に難しいのでしょうか。今度開発の方に伺えるタイミングがあったら聞いてみたいと思います。

拍子変更

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またオッドタイマーの方はタイムラインで右クリックするとその場所にポイントマーカーの様に任意の拍子を置いておくことができますので、自由気ままなビートで曲作りも可能です。ちなみに拍子変更ポイントはドラッグすれば移動も可能なので、3/8と5/8の組み合わせか11/8で悩んでもすぐ直せます。大丈夫です。さて6/8でいざハネ飛ばしながら進めたいと思ったのですが、今回もやっぱり4/4でグリッド線無視で鉛筆でポチポチしていきましょう。

ドラムの打ち込み

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さてさて、ドラムの打ち込みをスタートさせます。今回もまたバリバリのハードロック調なイメージで取り掛かるべく、音色を選んでいきます。いろいろ探した結果「DRUM MACHINE」の「MD Shots Kit 1」をチョイスしました。今まではアコースティックなドラムサウンドをすぐに見つけることができたのですが、Bitwigではそういうわけにもいかず、ほとんどマシン系なドラムサウンドが中心でした。(そもそも音源もDRUM MACHINEと書いてあるので、マシンサウンドです)さらに言えば、プリセット、音色のバリュエーションは非常に豊富なのですが、エフェクティブなドラムサウンドも沢山あり、トラックメイクするならバッチリだが、私の様にハードロッカーを目指したい人には音探しの旅と、工夫が必要かなと思います。うーむ悩んだ結果「MD Shots Kit 1」にしつつ、個別の音色のピッチや音量、音の長さのエディットを加えて、なんとなく好みのサウンドを作ります。

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あとは打ち込んだノートのベロシティも細かに弄ってみます。こんなもんでしょう。ちなみにドラムのライドシンバルのサウンドは「MD Shots Kit 1」になかったので、「MD Shots Kit 2」を別トラックに立ち上げて足しております。

ベースの打ち込み

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続いてはベース音源を立ち上げます。なおBitwigの音色探しはこの様になっており、カテゴリごとで探しやすくなっております。ベース音源はエレベみたいな音が欲しかったので、ネーミングにそれっぽいのを見つけて「Electric Bass Finger」でいきたいと思います。Bitwigのベース音源は良い感じの普通のエレベの音が入っておりました。他にもAcoustic Bassもあったので、竿物系ベースは大丈夫そうです。当然ながらシンセベースは豊富で音も濃厚です。機会あればガツガツのドンドン系の音楽も作ってみたいですね!さて、ベースも無事に打ち込みが完了しました。鉛筆で書きながらで、4小節ぐらい打ち込んだら範囲選択して、コピペをしていき、小説の終わりやら、所々のリズムに変更を加えてサクッとできます。

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Bitwigの場合、キーボードの1,2,3,4,5で、アイコンの切り替えが可能です(切替のメニューを開くとショートカットのキーが記載されております。確かCUBASEも数字キーでアイコン切替可能で、右クリックでも切り替えできます。逆にAbleton Liveは数字キーではなく、あれ…またググらなければいけない?と思ったら隣の多田が「コマンド + B」と教えてくれました。確かにコマンド + Bで鉛筆に変わりました。(あとダブルクリックでも打ち込み可能です)意外とLiveとBitwigショートカットが違うんですね。新しい発見です。

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さてさて無事にベースの打ち込みも完了いたしました。なお、Bitwigの打ち込みに関してですが、スナップ機能というのがデフォルトでONになっております。なので、そのまま打ち込むと、グリッド線に吸い込まれる様にノートが動くのですが、グリッドのボタンをOFFにして、イベントを選択するとヌルッと動きます。なお全体的にノートの打ち込みがめちゃめちゃのタイム感だと、このボタンがグレーアウトしております。最初はスナップ機能ONでガンガン手当たり次第打ち込んで、新しいグルーヴを作っていただければと思います。

ギターの録音

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さて、必要な打ち込みは終わったので、いよいよギターの録音です。まずはオーディオトラックを立ち上げて、インプットも設定していきます。これも至って簡単、右クリックでオーディオトラックを追加すればOKです。インプットも事前にインターフェースの設定でバスを作っておけばこちらも全く問題なしです。

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【ギターに使用したプラグインエフェクター】

だがしかし、ギターのエフェクトを探すのですが、なかなかいい感じの歪みが見つからずでした。どうもギター用のエフェクトは「Amp」がそれっぽい様な気がしており、いろいろいじるとキャビネットなどのパターン変更ができ、キャラクターも変わるので、お?これでいけるかなと思うのですが、歪み率がやや弱く、ごまかしがこのままではできないので、「Distortion」で試したりしました。なお「Distortion」でも歪むといえば歪むのですが、ロー弦あたりの低域がボンといくと、心までも歪んでいるサウンドになってしまいます…うむ。Bitwigのギター音作りは工夫しないと難しいところです。なので、今回は手当たり次第入れて見て、つまみも弄りできるところまでやって見ました。「Distortion」「EQ」を組み合わせて見ました。その他にも「Saturation」もあったのですが、結果、この2つでシンプルなのがいいのかな…と。

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【Bitwigのクロスフェード】

とりあえずでしたが、ギターも録音できました。相変わらず上手に弾けませんので、途中から弾き直し作戦に出ます。大体どのDAWに「クロスフェード」機能というのはあるのですが、Bitwigにもしっかりこの機能はありました。ただ表向き、ショートカットの記載はないので、ショートカットリストから検索し見つけます。「コマンド + F」でございます。Pro Toolsと同じショートカットで非常にわかりやすいですね。つなぎ目のところを範囲選択をし、そこでこのショートカットをカマスとしっかりとクロスしてくれます。(ちなみに範囲選択する際は、2のキーを押し「時間選択ツール」にして行う必要があります。)そして、うーん、もうちょっと範囲狭めたいなぁ?と思ったら、いつもの矢印アイコン(1のキーを押す)にして、アイコンを持っていくとしっかり幅も調整できます。オーディオの編集もアイコンの持ち替えが必要ですが、割とサクサク可能です。

Bitwig Studio版が完成!

とこんな感じで、無事に打ち込みと録音が完成しました。後は全体のバランスを整えつつ、マスターになんとなくリミッターを入れて終わりです。ここでMIXを聴くとわかるのですが、多分ギターの歪み系とドラムの音色が噛み合っていない感があり、特別音も突っ込んではいないのですが、全体に中低域がブーストされている感じがあります。

DAWごとの仕上がり比較

こうして改めて聴くと、FLはガツガツ、DPは意外とドンシャリ、Bitwigはブーって感じになっております。DAW毎に入っている音源の違いも然りですが、Mixはやり方を変えないとだいぶ仕上がりに差が出てきそうです。(同じサードパーティの音源を使ったら、同じになるのか検証してみたくなりますけど、また機会あればですかね)後は、Mixにおいて各DAWのピークの見方が慣れていないのもあるのですが、各DAWにおけるメーターの癖などはいろいろ研究が必要な感じです。しかし、これをMacのスピーカーで聴くと、昔のレコーダーで録音したけど入力レベルが振り切ってしまっている感じのサウンドになっておりますね。

いかがだったでしょうか?3つ目のDAW紹介をしていきましたが、仕上がりが普通にいくとだいぶ異なった傾向が出てきました。それぞれいいとこもあれば、多分こういう方がいいかなと思う部分もありますが、使い方、操作感はやはり同じです。しかし付属の音源をしっかり使おうとすると、だいぶキャラクターの違いが出てきますので、そこをどう生かしていくかがポイントです。そんなこんなで、次はAbleton Liveで同じ曲を作ってみようかなと思いますので、お待ちくださいませ!

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記事内に掲載されている価格は 2023年4月19日 時点での価格となります。

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