単純な近接効果で得られるものとは違う場の空気感。
例えばそれはボーカルにおいても決して一部コンデンサーマイクや可聴帯域を超えたモデルなどの特権ではなく、リボンマイクであっても(ある程度のモデルであれば)空気の揺れは捉える事が出来るため、決してフラットなキャラクターのマイクに縛られる事はありません。
まずは収録ソースがボーカル(男女)かギターかピアノかなどソース別に最適な各種マイクの中から比較試聴が可能な「あなたのマイク選びをお手伝い!2012」コンテンツより、自分の求めるマイクのキャラクターから探ることをオススメします。1本1本のマイクにはレコーディングエンジニアの飛澤氏によるコメントや活用法なども添えられており、是非合わせて確認ください。
録りたい素材に最適な、あなたのマイク選びをお手伝い!2012
店頭でも相談いただければ実際に求める傾向から用途(収録ソースのオケにおける役割等)や予算に応じた最適なマイクを紹介させていただきます。
そしてマイクプリアンプは高いトランジェント特性を持ち、色付けなくマイクのキャラクターを引き上げるようなクリアなモデルがオススメです。
個性的なマイクプリアンプも各種ありますが、「キャラクター(マイク)+キャラクター(プリアンプ)」の中からソースに最適な音像を探る(予算があればあり)よりは、ソースによってマイクだけを選択する方が現代のDAWベース24bit収録環境にはコストパフォーマンスに優れた選択と言えるのではないでしょうか。
最初にプリアンプから言うと、「これ1台あれば」という意味で高額ながらもSym•Proceed SP-MP4、並びに発売が待たれるSP-MP2をオススメしたい。
演奏家の感じている音をそのまま伝えるマイクプリアンプをコンセプトに、30年前のディスクリートマイクプリアンプの50倍以上高速なトランジェント特性でマイクからこれまで失われていたアタックを、そして倍音までフラットに伸びる周波数特性が空気感までを呼び起こしてくれます。
プロデューサーのアランサイズ氏をはじめ、エンジニアの沢口真生氏、飛澤正人氏、伊藤圭一氏、吉田保氏らそうそうたる顔ぶれからのリアルなコメントはその実力の一端を窺い知ることが出来るでしょう。
そしてマイクは色々選択肢がありますが、モデルをあげるなら未来を築く新世代技術を採用した国産マイクロフォンの雄、audio-technica AT5040。標準的なユニットの2倍にも及ぶ4面長方形ユニットから生み出される濃密な中域と広大なダイナミックレンジ、それでいてSN比89dBというクリアなサウンドはあらゆるソースの旨味を忠実にとらえてくれます。店頭試聴ももちろん可能ですので是非一度お試し下さい!
生楽器の演奏やボーカルを実際にレコーディングしても思うようなサウンドが得られない場合、ありませんか?シンセ音源が入ったミックスに比べ、アコースティックな楽曲の場合そのニュアンスの違いはより顕著に現れます。演奏される楽器、声が生み出すエモーショナルな響きを再現したいなら、その空気感までしっかりとレコーディングするしかありません!その為には取り込み口となるマイクに注目しましょう。
オススメの製品は BRAUNER Phanther。その最大の利点は極めて音楽的なサウンドにあります。特徴としては2つのポイントが挙げられますが、その一つが高域の質感です。密度感が高く倍音成分の域まで散漫にならずに再現できるので、ルームアンビエンスを含んだ収録をしたい場合には最適なカラーを持っています。そしてもう一つはウォームで厚みのある中域。レスポンスが良く音の立ち上がりも極めてスムーズなので、芯の有る基音が得られます。
滑らかで且つ艶やかな Phanther のサウンドは昨今の高解像度なレコーディング環境にはとてもマッチしているのですが、その性能を最大限に生かす為には、セッティングも重要になります。よく見受けられるケースとしては、ダイレクトな音を求めるあまりオンマイクになりすぎている事が有ります。音に厚みや芯が得られないマイクの場合どうしても音源に近づけることになってしまうのですが、Phantherのように中域がしっかりと押さえられるマイクの場合必要以上に近づけなくても大丈夫。ややオフ気味でセッティングしてもカーディオイドの指向性がアタック感もしっかりと拾います。距離をとる事で空気感や響きも取り込むので、より自然なサウンドを得る事ができます。また、過剰な強弱も付きにくくなるのでダイナミクスのコントロールも容易になります。
空気の振動である「音」を最初に電気信号に変換する入り口としてのマイクの重要性は言うまでもないのですが、ココがしっかりしていると全てがクォリティアップします。より高品位なヘッドアンプを使いそのキャラクターを使い分けることもできるので、マイクプリを選ぶ楽しみも広がりますね!Phanther は単なるスペック以上にそのキャラクターのメリットが大きなマイクです。本当にアコースティックなサウンドが欲しいなら、迷わずオススメします!
記事内に掲載されている価格は 2013年8月16日 時点での価格となります。
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