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HOW TO

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07
May.2018
HOW TO

Build Up Your Studio 2018 – Endhits Studio

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池尻大橋から徒歩8分ほどのレコーディングスタジオ Endhits Studio。3リズム録音、ダビング、ミックス、マスタリングまで完結できる一軒家レコーディングスタジオ ProToolsシステム(24CH同時録音)を中心に、次世代のビンテージとなるアナログ機材、マイクが多く揃っています。

特徴的なのはコンソールを構えるのではなくAPI 500モジュールを中心に組み上げ、シンプルでありながらも機能的、ProToolsシステム(24CH同時録音)を中心にこだわりのヘッドアンプ、マイクが揃っています。今回Rock oN担当スタッフPD安田もスタジオ構築に携わったEndhits Studioのポイントをいくつか紹介していきます。

Endhits Studio

〒153-0043 東京都目黒区東山2丁目8−6
https://www.endhits-studio.co.jp/

floor_plan
見取り図
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外観
著名なエンジニア達がオンラインでMix、マスタリングをしてくれるサービス

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Endhits Studioではレコーディングスタジオの提供に加えて、エンジニア達にMixやマスタリングを依頼することが可能です! こだわりのプロダクトをフル活用し、時代の最先端のサウンドに仕上げるオンラインサービスをぜひチェックしてみてください。Mastered for iTunesの正式認証も取得済みで、iTunes 用のハイクオリティなマスタリングも評価が高いようです。

レコーディングエンジニアによるオンラインでのミックス・マスタリングサービス
https://www.endhits-studio.co.jp/partner

明るくリラックスできることがコンセプト、無垢の床とナチュラルなデザイン

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DSC08975見取り図の「To LOBBY」の箇所より靴を脱いで入るスタイルのEndhits Studio。オーナー代理兼スタジオマネージャーの歌村 氏が求めた明るくリラックスできるスタジオへのこだわりが感じ取れます。

Endhits Studioは部屋の質感をナチュラルに明るく仕上げているのが特徴的です。その明るさは天井のライトが明るさを演出しているというよりも壁、の木材のフレームや無垢の床材そしてブース側とのコミュニケーションが取れるガラス窓が大きく影響しています。スタジオ設計と施工に加えて音響調整は本シリーズにも度々ご登場いただいている株式会社アコースティックエンジニアリングが担当。スタジオが完成した後でも音への追求は続き、近々コントロールルーム内の壁と天井の反響版を強化していく予定があるとのことです。

そのチューニングはサウンドデザイナー 秋野 賢市 様を迎え、より良く適切に施されたサウンドにすべくリフォームされるということで非常に楽しみです。

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ドラム収録サウンドにこだわったレコーディングブース

ドラムが良いサウンドで録音できることを最も重視したというレコーディングブース。高域より低域の残響を若干長くすることでドラムのオーバーヘッドマイクやルームマイクの音が非常にバランスよく録音でき、それがホーンセクションやストリングスカルテットなど他の楽器を録音するときにも良い方向に作用します。
2つのアンプブースを設けることで3リズム録音に対応、アンプブースはアコースティックギターやウッドベースも収録できるので、アコースティックな3リズムにも対応します。また、キーボード(またはベース)をライン録りすることで4リズムの同時録音も可能です。
スタジオ規模を超えたマイクコレクションも魅力です。後ほどおすすめマイクロフォンを中村氏にご紹介してもらいますのでお楽しみに。
https://www.endhits-studio.co.jp/equipment

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さらにユニークなポイントとして、プレイバックのためにブース天井にHS7iがセッティングされています。コントロールルームでの確認するサウンドをレコーディングブースで聴けるのはなんとも魅力的ですね。

CR:中村氏が求めた”手を伸ばせば全てにアクセスできるデスク”

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次に注目したのがコントロールルームに設置された特注デスクです。そもそもEndhits Studioではコンソールを置かないところから機材選定がスタートしました。そして中村氏の拘り抜いたヘッドアンプ、EQ、Compのアウトボードがバッチリとコンセプトがはっきり決まった状態でこの特注のデスクデザインが決まりました。

500モジュールはWesaudio Supercarrierが4セット。左手側には主にヘッドアンプで、右手側にはEQ、Compなどのギアがセットされています。手前は絶妙な角度がついていて上段は垂直にデザイン。とにかくアクセスし易いのが魅力的でした。

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そして足元側のラック棚には左側にはGolden Age COMP 3AやEmprical Labs Distressorが揃っていて、右側にはバンタムのパッチ盤にHD I/Oがセットされています。このパッチ盤ではミックス時のハードウェアインサートもできるのですが、基本的にはレコーディングでヘッドアンプからそのままEQやCompへと送ることのに使われていて、録りの段階から最高のサウンドで収音することができます。

https://www.gearslutz.com/board/high-end/472764-helios-console-what-one-sounds-like-2.html

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真ん中の3Uスペースには当初からここに設置する予定でデスクが設計されたというTASCAMのプレイヤー(BD-01U)。Dangerous Audio Monitor ST、そしてUniversal Audio APOLLO 8Pがセッティングされています。このAPOLLO 8PはUADプラグインを使用する目的に限らず、Avid HD I/Oのヘッドアンプとしての活用もしていて、2台のHD I/OをLoop Sync接続しメインのHD I/OからWord Clock Out経由でAPOLLO 8Pへと繋がれています。HD I/Oは16×16 Analog、16×16 Digitalの2台構成になっていて、APOLLO 8PからはADAT端子でデジタルの入出力が行われています。

ケーブルに使用する線材やハンダなどの材質も追求!
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中村氏はmogamiを愛用し様々な現場でも使用していますが、某マスタリングスタジオのM氏と共同でスタジオのケーブル関係をKLOTZ MC5000シリーズに変えました。現在はハンダやコネクト端子の種類まで様々な組み合わせでサウンドの研究をしているとのことです。やはりそれぞれ良いところが異なってくるということなので、私も一緒にサウンドのノリの違いを比較をしてみたいと思いました。

演者への返しにはSONY MDR-7506とYAMAHA HPH-MT8
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スタジオで使用されるヘッドホンはMDR-CD900STが多いと思いますが、Endhits StudioではMDR-7506を演者たちへの返しとして常設しています。この青のラインのモデルは海外スタジオで多く使われているそうです。MDR-CD900STよりもややローが出てくるので、気持ちよく演奏できるようです。中村氏はもう一つのおすすめヘッドフォンとしてYAMAHA HPH-MT8を紹介してくれました。以前のモデルHPH-MT220よりセンターのサウンドが鮮明に聴こえるようになり、演者への返しに限らずミキシング用のヘッドフォンとしても使用できるとのことです。
この先も壁のグラスウールで吸収するだけではなく板材を加えて反響を調整するなど高いレベルの音響を実現したいと歌村氏とエンジニアの中村氏は話しています。

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中村氏オススメのEndhits Studio機材3選

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他のスタジオではなかなか試せない機材で、エンジニアの中村氏によるオススメの機材を聞いてみました。

Microphone

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AEA R84

リボンマイクは全般的に好きなのですがそのなかでもAEA R84はトランジェントが滑らかで、非常にナチュラルに収音できるのが魅力的です。リボンマイクは構造上どうしてもこもりがちなサウンドが出てしまいやすいので、ハッキリしたサウンドで録るためにはマイクを立てる位置が重要です。楽器との距離が1mくらいから良い感じのサウンドが出てきて、1.5mから2mの距離でよりナチュラルで綺麗なサウンドが収音できます。ただ部屋の広さによっては毛布を使用したり、距離感の部分を操作することも大事です。是非R84を積極的に使ってみて欲しいです。

Head Amp

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AEA RPQ500

そしてヘッドアンプはR84との組み合わせが最も良いAEA RPQ500です。別にR84に限らずどんなマイクでもナチュラルなサウンドが得られるのはこのマイクプリの魅力だと思います。さらにシンプルなツマミも相まってこのマイクプリを使用するだけで良い結果が得られるという信頼性も重要なポイントです。これもぜひ活用してほしいマイクプリです。

Recording Gear

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maag audio EQ4

そもそもNTI(maagの旧ブランド)が好きで、実際にこのEQ4を試してから凄く気に入ってしまい6スロットを占める形で導入をしました。2.5KHzのShelvingは他のEQにはなく、音のキャラ作りでも活用できます。他のEQもそうですがEndhits Studioで揃えたEQはフルテンでブーストしても破綻しないものを選んでいます!

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そしてPD安田が気になっているのはPULTECのEQモジュール「EQP-500S」です。おなじみのEQP-1のモジュール版でこの感触は非常にたまらないワクワク感があります。設定もLowとHiの2バンドで、しかもブーストとアッテネートというユニークなこのEQ。このように500モジュールで揃えるとコンパクトで良いのではないかと思います。現状国内代理店が無いのですが、是非扱って欲しい逸品ですね。

中村 フミトFumitoNakamura00-1-1

  • Recording / Mixing / Mastering Engineer
  • 録音スタジオプロデュース
  • Endhits Studio Advisor

Birth:1978年

From:東京都

Career:2001 Freedom Studio → 2008 フリーランス

Profile:

学生時代はDJ活動に明け暮れ、2001年にFreedom Studioに入社。2008年からはフリーランスとして様々なスタイルのアーティストのレコーディングに携わっている。ロックやジャズなど生楽器を扱う録音技術には定評があり、管楽器、弦楽器などを含む大編成の録音も多数手がけている。理論と感覚を融合させた独自のスタイルを完成させるべく、学び続ける日々。強面なルックスに似合わず音響理論やエンジニアリングに関する知識も深く、近年はマスタリングや録音スタジオのプロデュースなど、多方面で活躍中。

神戸氏オススメのEndhits Studio機材3選

続いて、音楽をが大好きでとにかく曲を聴きまくり。バンドではギターを担当していた、アシスタントの神戸さんによるオススメの機材も聞いてみました!

Microphone

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Pearlman TM-1

C-800Gなどお気に入りマイクはたくさんありますが、Endhits StudioでオススメのマイクはPearlman TM-1です。声は暖かみがありつつも、抜けのあるサウンドが特にポイント。他ではなかなか試せないマイクなので、是非Endhits Studioのこのマイクでボーカルやギターを収録してほしいです。見た目もなかなか心を踊らせます。

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Chandler Limited TG-2 500

オススメのHead Ampは「Chandler Limited TG-2 500」です。TONEのコントロールができる点と太めのサウンド好み。TONEコントロールできるのはマイクプリとしてキャラ作りを作るのに使い勝手もいい。(PD安田もオススメの製品です。ギターをマイク録りしたサウンドの乗り方や前への出方は特にTG-2でなければ成せないキャラクターです。神戸さんと意見が合って嬉く思いました)

Recording Gear

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Emprical Labs Distressor

コンプではEndhits Studio常設されているEmprical Labs「Distressor」がおすすめです。

(中村氏曰くはコンプが”ちゃんとかかる”という部分で、アタックとリリースがしっかり反映される部分は多くのスタジオで導入されている理由かと思います。何よりも”飽和しない”部分が導入のポイントで、UADは…?と伺ったところ、UADも大好きなので、プラグインとハードで差別なく、必要に応じて使用しているとのことでした。もちろんエンジニアさんの好み、演者の好み、クライアントの好みが噛み合って、完成されるエンターテイメントの音楽なので、是非ともEndhits Studioでしか表現できない音質、そしてサウンドを奏でて欲しいと思います!)

神戸 円MadokaKambe00

  • Recording / Mixing Engineer
  • Endhits Studio ハウスエンジニア(兼アシスタントエンジニア)
  • Endhits Studio Advisor

Birth:1995年

From:兵庫県

Career:2016 Sony Music Studio Tokyo → 2017 Endhits Studio

Profile:

Sony Music Studioにて1年半、様々な現場の経験を積み、2017年秋からEndhits Studioの専属エンジニア(兼アシスタントエンジニア)として活動開始。洋邦新旧問わず「良い」と思った音楽にのめり込み、DJやバンド活動の経験もある。”Chris Lord-Algeのような、野太くパンチのあるサウンド”を目標とし、日々研究中。「お客様に『カンベじゃないと嫌だ』と言ってもらえるぐらいの音と環境作りができるように努めてまいります。まだ日々精進中なので、思ったことはすべて遠慮なく言ってください!」とは本人の談。やる気をみなぎらせる若手エンジニアの今後に期待したい。

記事内に掲載されている価格は 2018年5月7日 時点での価格となります。

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