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昨年(2022年)11月、Rock oNではオーディオテクニカのコンデンサーマイクAT50シリーズ
・AT5040
・AT5045
・AT5047
を使った動画レビューをお届けし、大変大きな反響をいただきました。今回は、(有)サイデラ・パラディソ CEO オノ セイゲンさんに、同じ3本のマイクをお使いいただき録音し、各マイクに対する印象のコメントをいただきましたのでお届けします。ぜひ、ハイエンド方向のマイクをお探しの方は、参考にしてください!
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レコーディング環境
SDMO Studio (エスディモ・スタジオ)
Saidera Mastering & Recordingの1Fオフィスにある、イマーシブ対応のスタジオ
https://saidera.co.jp/workshop.html
演奏
COLOR FILTER
アメリカでのデビューを皮切りに海外を中心に多数のリリースを重ねたツネヨシリュウジのユニットとしてスタート。The Flaming Lipsが「自分たちのサイケデリア感を体現しているサウンド」として絶賛。2002年にはSXSWへ出演。アンビエント、シューゲーザー、ブレークビーツ、テクノを内包するメロウサイケデリアとも言えるサウンドは、現在では市民権を得るに至った “Dream Pop”、はたまた “Vaporwave”といったジャンルを、密かに、ここTokyoで先取りしていた孤高の存在。改めて、2022 年に「再発見」されるべきサウンド。新ボーカリスト MINAMI TAGA を迎え再始動。
ボーカル : MINAMI TAGA アコスティックギター : ツネヨシ リュウジ
https://colorfilter.bandcamp.com/
試聴音源
96kHz 24bitのWavファイルをアップしています。
01 AT5040 アコースティックギター
02 AT5047 アコースティックギター
03 AT5045 アコースティックギター
04 AT5040 ボーカルメイン
05 AT5047 ボーカルメイン
06 AT5045 ボーカルメイン
07 AT5040 アコースティックギター + AT5047ボーカル
オノ セイゲン氏 インプレッション
AT5047とAT5040について
オノ セイゲン氏 : 強いて言えば、AT5047とAT5040は似てますね。比較して言うなら、AT5047は少し柔らかいサウンド。暖かいとも言えるし、スピードが少し落ちるとも言える。一方、AT5040は、「明るい」というわけではないけど、AT5047に比べると若干明度が高いし、スピードが少し早い感じがします。両方とも、今日の様な女性ボーカルにはとても合っているマイクですね。ちなみに今日の収録ですが、アコースティックギター、ボーカル単体収録の時はEQ、コンプは使っていません。2人合わせての演奏の時は、歌だけローカットを入れ、積極的にEQを、かつ、少しだけコンプを使って音作りをしています。それぞれのマイクの良さが出たマイキングができていると思いますので、マイク導入の参考にしてもらえたら嬉しいです。
AT5045ついて
オノ セイゲン氏 : AT5045は上記の2つと比べると変わったサウンドキャラクターを持っています。使ってみたい用途としては、スタジオで弦を録る時のスポットマイクに合うんじゃなと思いました。僕は、横からの被りの音に関して、いつも細心の注意を払ってマイキングしてるんだけど、マイクで一番差が出るのは横からの被りの音なんです。この部屋(SDMO Studio)は表面積の60%くらいが吸音処理が施されてるので、今日は、その特徴が出にくいんだけど、ライブなスタジオで使うと、横、下、上からの反射音が入ってくるので、もっとAT5045の特徴が出るでしょうね。
オーディオテクニカのマイクについて
オノ セイゲン氏 : 80年代、ニューヨークのスタジオで仕事をしているとき、オーディオテクニカのマイクは標準品のようにどこにでもありました。オーディオテクニカは、北米マーケットが主軸にあったという印象をかつて持っていました。僕自身も、90年代、AT4060をはじめとして何本かのオーディオテクニカのマイクをアメリカで買って持ち歩いていました。ボーカル用だったかな。今日使った3本のマイクは、僕がかつて持っていたイメージとは違って、新しいサウンドですね。どれも個性があっていいマイクだと思います。今日の収録サウンドを聞いていただいて、マイク購入の参考にして見てください。
記事内に掲載されている価格は 2023年7月1日 時点での価格となります。
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