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02
Oct.2020
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BIM 「Two Sons Radio」ライブ配信 舞台裏レポート ~ Blackmagic Designプロダクト活用事例 ~

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新型コロナウィルスの状況下、予定されていたライブ、パーティーが中止/延期を余儀なくされた多くのアーティスト。また、それらを楽しみにしていた多くの音楽ファン。ご存知の通り、エンターテイメントをとりまく状況が一変しました。

ただ、そこで立ち止まるとこなく、新たな活路を見出し進み続けるアーティストもたくさんいます。その中の1人が鬼才ラッパーBIM(ビム)。今回、自身のライブ配信番組「Two Sons Radio」をスタートさせた経緯、また、どのような機材を用い番組をラウンチさせたかについてお話をお伺いしました。

取材日時 : 2020/8/11 リモートにて実施

取材協力
SUMMIT 平林錬 氏
https://www.summit2011.net/

映像ディレクター CreativeDrugStore Heiyuu 氏
https://heiyuufromcds.wixsite.com/heiyuu

新型コロナウィルスの状況下、完成させたニューアルバム

BM_BIM04

Rock oN :現在の新型コロナウィルスの状況下、BIMさんのライブ活動を含めたアーティスト活動の状況についてお知らせください。

SUMMIT 平林氏 : 当初、BIMのツアーを3月からスタートさせる予定だったんですが、新型コロナウィルスの状況を受け、7月に延期したんですが、それも再延期になりました。現時点では来年2021年の4月に行う予定です。そういった状況下、「今、何かできないか?」ということを考え、YouTube MusicさんやBlackmagic Designさんのご協力もあり、BIMの自宅スタジオより生配信番組「Two Sons Radio」を実施しました

「Two Sons Radio」

7/6(月), 7/10(金), 7/13(月), 7/15(水)の計4回、BIM YouTube Channelより放送
YouTubeプレイリストURL :
https://www.youtube.com/playlist?list=PLlTja-Ak3mgpXMQYSqfLLSGJncmPRonzy

スクリーンショット 2020-09-30 12.03.25

SUMMIT 平林氏 : また、7/21(火)には、もともと赤坂BLITZでのライブを予定していたんですが、赤坂BLITZが9/22に閉館するということもあり、YouTube Liveにて無観客生配信ライブを赤坂BLITZで開催しました。配信に関しては、ライブハウスやクラブの皆さんのお力あってのことですが、みなさん、現在、非常に苦しい思いをされてると思います。僕らでも「何かできれば」といった思いがあります。

Rock oN : では、この自粛期間であっても、止まることなくアーティスト活動を継続させていた、ということですね?

SUMMIT 平林氏 : BIMに関してはそうですね。ただ、他のアーティストの中には、歌詞が書けなくなってしまったという人もいるようですが、BIMの場合は、この逆境を前向きに捉えて制作に充てることができ、セカンドアルバムを完成させ、8/28にリリースすることになりました。

BIM 2nd Album『Boston Bag』

image

info. >> https://www.summit2011.net/bim-boston-bag/

Artist : BIM
Title : “Boston Bag”
Format : Digital
Release Date : 2020/08/28
Label : SUMMIT, Inc.
No. : SMMT-153

配信番組 「Two Sons Radio」

BM_BIM02

SUMMIT 平林氏 : フジロックフェスティバルをはじめ、いくつかのフェスにも出る予定だったんですが、全てが中止、または延期になってしまい、取り戻せないもので残念ですが、無我夢中に制作に没頭できた感じです。

Rock oN : 無観客ライブに対してですが、アーティストとしてはどう受け止めているんでしょうか? 通常の観客ありのライブとの違いが大きくあると思いますが。

SUMMIT 平林氏 : ライブでは、例えばコール&レスポンスのようにオーディエンスの力を借りて盛り上げるような場面が多くあります。先日の無観客ライブを見ていて、それができないので少し寂しくも思いましたが、ライブ当日は配信のモニターを前に出しておいて、今、どれくらいの人が配信を見ているのかリアルタイムで確認していたんですが、赤坂BLITZのオールスタンディング1,418人のキャパシティに対し、同時視聴者数が最高で7,000人程度、また、総視聴者数が25,000人くらいいったので、方法は違いますが「より多くの人に見てもらえている」といった実感を得ることができ、BIM自身もパフォーマンスを高めるとこができたと思います。オーディエンスとのやりとりはYouTube Liveのコメント欄を通して行いましたが、多くのレスポンスがありました。サプライズゲスト登場の場面では「まさか、この人が登場!」みたいなレスポンスがあり、結構盛り上がりました。このスタイルを今後も「スタンダードとして続けていきたいか?」と聞かれると、そうではないんですが、新しい表現の形として、チケットを買えなかった人、会場まで足を運ぶことができない人など、通常のライブ空間より多くの人に音楽を届けることができればいいですね。

Rock oN : BIMさんがYouTubeチャンネルで展開している配信番組「Two Sons Radio」では、クエイティブ・チーム”CreativeDrugStore( https://creativedrugstore.jp/ )”のVideographer Heiyuuさんが、演出から配信までをディレクターとして手掛けられたとそうですね。

Heiyuu 氏 : はい、BIMの自宅スタジオにBlackmagic DesignのPocket Cinema CameraをBIMの斜め前、横、後ろからと3台、固定で設置し、スイッチングのオペレーションをBlackmagic Design ATEM Mini Proを使って行いました。音声のテストはYoutubeの仮URLを使い、平林さんと現地で調整したり、電話越しにリモートで調節したりしていますが、実際の放送は出演者であるBIMとオペレーターである私の2人だけで行ったことになります。音声系はパソコンからのトラックとBIMの音声をオーディオインターフェースにまとめ、ATEM Mini Proに入力しました。

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Rock oN : Heiyuuさんは配信のオペレーションは、その時が初めてだったんですか?

Heiyuu 氏 : そうですね。VJをやる時に映像スイッチャーは使っていましたが、配信という形では初めてでした。YouTube Liveのストリームキーなど、配信開始までのソフト上の仕組みを知らなかったので、最初は若干戸惑うこともありましたが、一度、教えてもらった後は、特に問題もなく簡単に進行できました。

Rock oN : 番組を演出するにあたって、ご自分で何か工夫されたこととかはありますか?

Heiyuu 氏 : 構成をBIMと事前に確認しながら準備し、また、アニメーションによるVJ素材をHDMI経由でATEM Mini Proに送り、グリーンバックで抜いて合成しました。単純なカメラのスイッチングだけでなく、面白い(視覚的に単調でない)演出を加えることができたので、他の配信とは違ったものができたと思います。

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SUMMIT 平林氏 : 今回の配信ではHeiyuuの持ち味だったり、CreativeDrugStoreというチームのアイデア性やカラーが、アニメーションを使って存分に出せたと思います。見てる人が飽きないような工夫ができました。

Heiyuu 氏 : 4回の配信を経て、ATEM Mini Proの大体の機能を把握することができましたが、トランジションに関しては、フェードイン/アウト、クロマキー、ピクチャーインピクチャーといったベーシックな部分しか使っていないので、さらに覚えて番組作りに活かし、自分の映像作りの幅を広げてみたいです。

SUMMIT 平林氏 : また、赤坂BLITZでの無観客生配信ライブの5日後の7/26に、無観客生配信ライブの再放送を同じくBIMのスタジオから行いました。これは、赤坂BLITZライブの本人の映像をワイプで抜いて、「生配信ライブの再放送を視聴者と一緒に見る」という企画内容で行いました。BIM本人も、その時初めて自分のライブ映像を客観的に見ることになりますし、本人が当日の心境など生解説を入れることで、視聴者と共有することができ面白い配信になりました。ライブ本番を見逃した人に加え、ライブを見た人も「BIMの解説」という新たな面白みを加えた上で振り返ることができ、結構な視聴者数に達しました。YouTube Liveさんも、「今までこう言った構成の配信は行われたことがなかった」と言っていたので、新しいことができたと思っています。この時も、同じくATEM mini PROを使いました。こういったBlackmagic Designのような機材を使うことで、割と手軽にアーティスト発信の配信を行っていくことが可能になっているので、私たちのレーベル”SUMMIT”主催のライブでも定期的に配信をやっていきたいな、と話しています。またHeiyuuがよくMVを担当しているYENTOWNに所属するラッパー kZm氏が”VARP”というアプリで3Dバーチャルライブの配信ライブを行ったりと、新しい方法も、今後、どんどん出てきそうで面白くなると思います。

PARTY Presents VARP x kZm VIRTUAL DISTORTION

Heiyuu 氏 : 今回の配信は、ATEM Mini Pro、およびPocket Cinema Cameraのソリューションが即戦力的な武器になり、少人数で高いクオリティの配信を行うことが出来ました。

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Heiyuu 氏 :ATEM Mini ProからPocket Cinema CameraをHDMI接続を介してリモートコントロールできるので、色をまとめてコントロールすることができますが、ここは他のブランドとは違うBlackmagic Designならではの機能ですね。配信本番中にカメラのところまで行って、いちいちカラー設定を変更することは実際できないのでこの機能は本当に便利です。また、カメラのレンズを交換してアーティスティックな絵の作り方もできそうなので、より、画像にこだわった配信ができそうですね。

Rock oN : そうですね。そういったカラーリングの作り込みの可能性は、ご自分の映像ディレクターとしての「作家性」にも繋がるかもしれませんね。

オフィシャルHP

BIM
https://www.summit2011.net/artists-1/bim/

CreativeDrugStore Heiyuu
Official Website: https://heiyuufromcds.wixsite.com/heiyuu

Blackmagic Design
https://www.blackmagicdesign.com/jp

こちらもご覧ください

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記事内に掲載されている価格は 2020年10月2日 時点での価格となります。

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