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ProToolsやCUBASE、ableton LIVE等が次々とメジャーバージョンアップされる中、着々とユーザー数を延ばし続けたLOGIC STUDIOが二年半の沈黙を破り遂に9へとバージョンアップします。日本での発売は”9月出荷予定”ともう少し先なのですが “200以上の新機能を搭載”という謳い文句の下、大幅な進化が期待される本製品で簡単なプレビューを行ってみました。
新たなGuitar関連effectやMainStageなどばかりに注目が集まる今回のアップデートですが、制作Toolとしての堅実的なバージョンアップが成されており、その中でも注目の機能を絞ってご紹介させていただきます。ユーザーに最高のショートカットツールを提供するAppleの基本姿勢がLOGIC STUDIO 9には随所に詰め込まれているようです。
●タイムストレッチをよりシンプルで直感的にした『FlexTool』
Elastic、WARP、Snapなど呼び方は様々ですがタイムストレッチはもはやDAW業界の公用語。マニュアル調整からプロジェクトBPMへの自動同期まで思いのままです。そんな時代にAppleが打ち出すFlexToolは従来のタイムストレッチよりもさらに一歩先へ踏み込み、素材の種類によってタイムストレッチのアプローチを 使い分けられる3つのモードを搭載しています。Rhythmic、Monophonic、Polyphonicの三種からなるタイムストレッチの中でも特に「Rhythmic」が注目で、Drumパターンやバッキングトラックなど扱う素材によって異なるアプローチを見せてくれる機能のようです。
ヒットポイント検出だけに頼るものなのか、その実力に期待が高ま ります。また既存の機能ではありますがFlexToolを応用し、MIDI同様のオーディオクオンタイズから、オーディオからのMIDIグルーブ摘出など双方向の編集も勿論OK。これらの操作どれもが2、3タッチ程度で行えてしまうワークフローこそLOGIC 9の大きなテーマといえるでしょう。極力AudioとMIDIを差別化せず、得意のAppleLoopsを軸にすばやくGrooveを構築出来る「LOGIC」がそこにはあります。
●新機能DrumReplacerで輝きを増す「EXS24」サンプラー
LOGIC STUDIO 9では上記のようなオーディオ解析機能を応用したDrumの差し替えTool「Drum Replacer」が新搭載されています。キックやスネアなどを任意のソフトウェアサウンドにすぐさま置き換えるだけでなく、LOOPから検出したヒットポイントをEXS24へ送ることですぐさまDrumkitとして演奏することも可能です。Drumに限らずさまざまなLOOP素材をEXSで演奏するという作業は多くのLOGICユーザーに重宝されそうで す。ヒットポイントから波形の再生位置をコントロールするREXのような形式上反応速度も秀逸なようです。STEINBERG社のHalion Oneなどにも言える事ですが取込んだ後REXで書き出せれば尚良しというところではありますが、そこは今の段階では希望ということにとどめておきましょう。
●閉じたプロジェクトからのトラックコピー機能
ファイルのインポートやエクスポートは多くのDAWがマルチトラック書き出しに対応し、プロジェクト内でのトラックコピーにおいてもコピー対象はエフェクトだけ、などといったように自在に設定できるようになっています。しかしLOGIC STUDIO 9の驚異的な機能の一つとして既に閉じたプロジェクト達から任意にトラック設定のインポートが可能になっています。繰り返しになりますが「対象のプロジェクトを開くことなく」コピーできます。しかも、トラック上の素材、プラグイン、SEND情報を個別に取り込むことが可能です。テンポの異なる素材も先述のFlexToolで即座 にBPMを合わせることが可能となります。たとえば、あの時にプロジェクトで使ったVocalサウンドを今のプロジェクトで再現したいと思ったらすぐさまプラグイン設定ごと読み出すことが可能なのです。
●プロジェクト専用のタイムストレッチTool「VariSpeed」
この機能はプロジェクト自体のBPMを変更する言わば長尺用のタイムストレッチTool。タイムストレッチではFlexTimeに目がいくところですが、個人的にはこの機能に一番期待してたりします。というのも4、5分を超えるプロジェクトを指定BPMへ正確にタイムストレッチ出来るDAWは思いのほかなかったりします。機能的に可能であ っても実行してみるとストレッチ後のプロジェクトデータが何拍かずれていたり、一部音色が破綻したりと、素材用のタイムストレッチToolではアプローチに限界があるのでしょう。LOGICベースでお仕事をされている方には販売が待ち遠しい要注目の機能といえます。もちろん単純に楽曲BPMを下げることでGuitaristなどの練習や 簡易レコーディングにも使えますよ。
さて今回は駆け足のプレビューとなりましたが、もちろん本命といえるGuitar周りの機能やMainStage2などは発売日以降追ってレポートさせていただく予定です。大きな機能拡張を行うのではなくToolとしての完成度にこだわった今回のアップデートが日本ではどのように評価されるのでしょうか。9月の発売が待ち遠しい限りです 。 LOGIC STUDIO 9店頭、eStoreともに現在大好評予約受付中です。
ではここでLOGIC購入もしくはMacの買替をご検討されている方に朗報です!! 既にAppleからも発表されているとおりLOGIC STUDIO 9はIntelCore搭載のMac以外では動作しません。RockoNではSnow Leopard以降前のLeopard&Snow Leopard共存可能な最後のMacを若干数ではありますがご用意させていただきました。Snow Leopard環境において現行のソフトウェアサポートが不透明な中安心してお使いいただける最後のMacです。ご検討されていた方は是非お早めにお求めください!!
記事内に掲載されている価格は 2009年8月26日 時点での価格となります。
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