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映像ファイルの時間軸に埋め込まれたメタデータで、携帯端末にURLを表示させる。Source Digitalのコンテンツ連動映像作成技術です。
Avid ConnectではAvidのストラテジーや新製品が発表されるメインのセッション以外に、ポストプロダクション、ライブサウンド、ゲームなど様々な仕事に従事するAvidユーザー向けに、実用的なHow Toセミナーや新しいクライアントへの提案を紹介する様々なセミナーが行われています。
会期は二日間なので、受講できるセミナーは限られていたのですが、その中でも映像/音楽コンテンツの視聴形態の変化をうまく利用し、動画のメタデーターに関連する広告や商品情報を埋め込む作業をクラウドベースで実現する企業 Source社のMichael Phillips氏によるセミナーの概要をお伝えします。
プレゼンテーションは、まずTVなどの動画コンテンツの試聴形態がスマートフォン、タブレット端末の普及とともに変わってきていることの説明から始まりました。
これ以降は撮影禁止のプレゼンテーションだったので、文章での説明が多くなりますが、ご容赦ください。
一昔前までは、TV番組の視聴者は、見たい番組を見るとき「TVを見る」ということだけに集中していたと思います。ポテトチップスを食べながら番組を見ることはあっても、例えば本など、他の情報と一緒にTV番組を見るような行為はまず無かったと言えるでしょう。
ところがスマートフォン、タブレット端末の普及後、米国ではなにかしら携帯端末をいじりながらTV番組を見る人の割合が7割まで増えているというアンケート結果が示されました。みなさんも人気のスポーツ番組ドラマを見ながら、他の人達がどのように反応しているのか、Twitterなどで検索したり、ツイートした経験は無いでしょうか?このように視聴者はますます「マルチタスク」になっているとマイケル氏は説明します。日本では、番組上でテロップにTwitterを表示させて、視聴者の生の感想をも番組の一部として扱ったり、それに対して出演者がコメントする演出や、視聴者がテレビを見ながら、スマートフォン等から投票・アンケーを実施する演出など、リアルタイムに番組を視聴者と一緒になって作り上げる視聴者参加型番組も増えてきています。
当然番組やCMへの集中は薄れるわけですが、その変化をうまく利用したのが、動画への関連情報を制作の段階で簡単に埋め込むことができるSource社のサービスです。
関連情報のメタデータ埋め込みは、以下の手順で行われます。
1. Avid Media Composer上で動画に関連した情報を表示させたい時間軸上(例えば、グルメリポート番組で訪問中のレストランの位置情報などを)にマーカーを打ちます。
2. マーカーのコメント欄には視聴者の携帯端末で表示させたいURLやGoogle Map上の位置情報を入力します。
3. Markerの情報をMedia ComposerからXMLでエクスポートします。
4. Media Composerからエクスポートした関連情報をSourceが提供するクラウドサービスKURATORで読み込み、視覚的に編集します。
5. 編集が終わったらKURATORで映像をメタデータ付きで保存します。
6. 映像の再生とリンクして、視聴者iPhoneなどの携帯端末に関連情報が表示されます。
今のところこのようなメタデータ付き映像を送出しているWebストリーミングや放送はありませんが、明日から始まるNABショーでは、次世代デジタルテレビの規格ATSC3.0のパビリオンで展示とプレゼンテーションが行われるようなので、将来の規格化が期待されます。デモンストレーションでは、制作側はほぼワークフローが完成しているように見えました。
このような携帯デバイスに連動する放送が実現すれば、「ドラマの1シーンで有名な俳優が着ているクールなジャケットのAmazon.co.jp購入リンク」さえ放送と同時に視聴者の携帯端末に届けることさえ可能になるので、放送の広告の手法そのものも大きく変わるのかもしれませんね。
Writer. Yamaguchi
記事内に掲載されている価格は 2016年4月18日 時点での価格となります。
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