nextbeat「X-1000」製品発表会最速レポート!!

9月18日、DJという音楽分野を大きく広げるであろう期待の新製品が遂に発売となりました。
世界中のProDJ達が現状の音楽シーンに鑑みた要望の数々を、wacomの高い技術力で昇華させたnextbeatブランドの第一弾『X-1000』です。情報公開前から製品に投入されている高い技術力に注目が集まりがちな本機ですが、決してPCDJスタイルの延長ではない『次世代の楽器』としての片鱗を代官山Unitでの発表会でしかと見せてくれ ました。
まず発表会では同社nextbeat事業部推進部GMの青木隆氏から製品コンセプトや長期に及ぶマーケティングの模様などが発表。Traktorやableton Liveなどといったソフトウェアベースの環境で誰もがMixを行えてしまう時代の中、ProDJとしての表現方法、PCベース環境への不安などといった現場の声をはじめ、X-1000最大の特徴であるレイテンシーのないワイヤレスコントロールの技術概要まで、製品の根幹となる部分がしっかりと説明されていますので是非御覧下さい。
レコードサイズのnextbeatがどのような操作性と表現力を持つのか、Traks Boys&イルリメがユニークなパフォーマンスと共に説明してくれました。中でもjazzmutant社「Lemur」などが記憶に新しい静電容量方式によるタッチパネル反応速度には注目です。また製品外観だけではわかりませんがコントローラー部分の側面にもボタン類が配置されており、取り出した状態でもEffectは勿論、サンプル再生やPhraseRecなどといった機能も使用可能です。両者の違いとして、選曲とSampleRec、LoopのStart&Endポイント設定などは本体のみコントロールが可能となっています。
記憶媒体には高い信頼性とレスポンスの良さからCFカードを採用し、最大で9999曲まで認識させることが可能とProDJ機器としての基礎体力は十二分といえるでしょう。専用ソフトウェアなどを一切必要せずUSB接続のみで楽曲の取り込みからアップデートまで可能な点も魅力といえます。

ここ数年でAppleLoopを始め「Audioを素材として捉え、伸縮自在に加工する」という機能が制作の分野では多くのソウトウェアで見受けられました。ableton Liveでのパフォーマンス等はその際たるものですが、『Audio素材を操る』という行為がピアノを弾くのと同じような演奏表現の一つとして受け入れられるのではないか、Nubian LadyとTeddy Loidの両パフォーマンスからはそんな可能性を抱かずにはいられません。

コントローラーを片手に自在にサンプルやPhraseRecを使い分け、リアルタイムに『演奏』していく彼等のパフォーマンスはX-1000が既存のDJ機器の延長ではないことを実感させてくれます。nextbeatは紛れも無いDJ機器でありますが、その表現力はDJに留まらずバンドサウンドや制作シーンにおいて、ある種表現方法の異なるシンセサ イザーのような存在として受け入れることも可能と言えるのかもしれません。どちらのムービーも後半部分、ワイヤレスでのパフォーマンスが特に見所です。

wacom初のDJ業界参入となるnextbeat。新しい角度から切り込むだけでなく、他分野にまで突き抜けて見せる製品コンセプトは、製品力乏しい時代背景の中で貴重な存在と言えるでしょう。
敢えてNextBeatブランドに今後の希望を述べるならば、wacomの高い技術力を活かした新たな演奏表現の確立でしょうか。自在にBeatやAudio素材を操ることが、演奏表現として一つのハードウェアに完結したX-1000を見る限り今後の製品開発に夢が膨らむばかりです。
wacom初のDJ Product、nextbeat『x-1000』は税込販売価格¥139.800にて発売中!
- nextbeat X-1000 ¥139.800(税込)
