会場で非常に気になる製品を見つけましたのでご紹介します。その名も「Sound Particles」。開発したのは製品と同じ名前のSound Particles社です。
このソフトウェアは、サウンド用のCGIソフトのようなもので、コンピューターグラフィックにおけるパーティクル(粒子)システムをサウンドに応用したスタンドアローンソフトウェアです。CGにおいて、炎や雨、煙や埃といったファジーで形のないオブジェクトを再現する際に、無数の粒子の運動をシュミレートすることでその表現を行っているのですが、では、このパーティクルシステムをサウンドに応用するというのは、一体どういうことなのでしょうか。
Sound Particlesでは、まず仮想3D空間に広がる無数の粒子を配置します。配置できる粒子の数は最大数百万で、その全てがサウンドを鳴らす音源となります。粒子の数や配置、動きなどは多数のプリセットがあり、自由にデザインすることができます。
粒子を配置してソースとなるサウンドを読み込むと、一粒一粒の粒子からそのサウンドが再生されます。もちろん、粒子が動けばそれに合わせてサウンドも移動します。複数のソースを読み込めば、それぞれが別々の粒子にアサインされます。
そうして仮想空間全体で鳴らしたサウンドを、あたかも仮想のマイクでキャプチャしたように、好きなフォーマットで書き出すことが可能という、画期的なソフトウェアなのです!
という説明だけでは全くその凄さは伝わらないと思いますので、このソフトウェアの開発者でもあるSound Particles社CEO、Nuno Fonseca氏にインタビューを行い、その概要を語っていただきました。
動画の最後に氏自身が「非常に手短な概要」といっている通り、これはSound Particlesのごくごく表面的な部分の説明でしかありません。Sound Particles社のホームページには多数のAudio DemoやVideo Tutorialが上がっておりますので、是非ご覧いただければと思います。
実際に、粒子に合わせてサウンドが変化するとはどういうことか?という部分をご確認いただくため、簡単な動画を用意しました。
最終的なアウトプット(Speaker Setup)も実に多彩で、シネマサラウンドはもちろん、Auro-3DやDolby Atomos、NHK22.2chまで!のImmasiveオーディオにも対応しています。
まだまだ語りきれない製品ですが、ブースでも皆さん長時間話し込まれる事が多い印象でした。我々がインタビューを申し込んだ際も、先客とのお話が一向に終わらず、15分後に出直してくれと言われて戻ってみると、まだ話が続いていた、という状況でした。
残念ながら国内代理店はまだないのですが、メーカーホームページから直接購入することが可能です。Sound Particles単体では$299、「Doppler」「Air」という2つのソフトウェアとバンドルになったSound Particles+Doppler+Airが$419で販売されています。
3Dオーディオ、特にサウンドデザインにおいては秘密兵器となりそうな本製品。興味をお持ちの方は、是非メーカーホームページを御覧ください!
Sound Particles
https://www.soundparticles.com
Writer.Takeuchi
記事内に掲載されている価格は 2018年10月19日 時点での価格となります。