Mastering向けの高品位なプラグインからイマーシブ制作ツールまで幅広いラインナップをリリースするFlux::。AES NY 2019ではイマーシブ制作ツールとして評価の高いFlux Spat Revolutionを全面に押し出した展開。YAMAHAのブースではNuendo/Nuageとの連携、AvidのブースではS6Lの連携が展示されるというイマーシブ制作ツールとしての幅の広がりをアピールしています。合わせてバージョンアップの情報が入っていますのでお伝えしていこうと思います。
まずはパンニングタイプの追加。これまでもパンニングタイプが複数から選択でき、ソース、ミキシングスタイルに合わせて様々な使い方の出来たSpat Revolutionですが、更にVBIP、DUAL BAND VBPそして、なんとWFSにも対応です。波面合成と呼ばれる技術であるWFSに対応したことで、空間音響再現に磨きがかかります。WFSの詳しい解説は省きますが、様々な分野で活用の方法のカットアンドトライの続けられている技術の一つ。興味のある方はぜひGoogle先生に聞いてみてください。
そしてiPad Appへの対応。これまではOSC連携でパラメーターコントロールのみでしたが、iPad上で、そしてマルチタッチで!オブジェクトコントロールが可能となっています。多彩な機能を持つSpat Revolution。パラメーターが多く一つ一つのサウンドを配置していくのにかなりの労力がかかっていましたが、この様な操作性の改善によりどんどん使いやすくなっていますね!これはまさにユーザーが待ち望んだ機能ではないでしょうか。
こちらもiPad上で動くアプリですが、何かというとシーンの切り替えを行うソフト。Spat Revolutionの新機能となるのですが、シーンチェンジに合わせて、予め設定したタイムでオブジェクトが次のシーンの位置までオートメーションで動きます。突然、定位がジャンプするのではなく、ゆっくりパンニングする使用ですので、ライブなどをターゲットにした機能と言えます。
そしてAVID S6Lとの連携。これまでもS6Lのプラグインとして、深いインテグレーションが可能な製品ではありましたが、更にS6Lのシーンの切り替えに連動(これは、プラグインのパラーメーターとしては出来ていましたが、前述のようにモーフィングします)。
これが非常に大きな更新となるのですが、上から2段めのIPアドレスの貼ってある筐体。こちらにはMac miniが2台入っており、S6Lと連動したFlux Spat Revolutionサーバーとして動作をしています。そして2台あるということは、リダンダント運用が出来るということ。
こちらはS6L側のSpat Pluginの設定画面ですが、OSC Second Outputの表示が確認できますね。こちらで設定を行うことで、2台のSpat Revolutionへ同時に各種パラメータの伝送を行い並列で動作させます。トラブルの際にはこちらのサーバーとやり取りをしているMADIの回線を入れ替えることで復旧が行えるという仕様です。
かなり多くの機能が実装され、ライブサウンドや設備音響などからのフィードバックを色濃く反映した内容になっていると感じます。もちろん制作向けにもiPadリモートは活躍してくれるでしょう。
大きなジャンプアップがすぐそこにあることを感じさせるSpat Revolutionの更新情報ですね。
Flux::
https://www.flux.audio/
Writer.Yousuke
記事内に掲載されている価格は 2019年10月19日 時点での価格となります。
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