制作機材の最新動向がここに。現地アナハイムからの熱狂レポート、会場の空気を切り取る動画レポートも多数!
今年もNAMMの季節がやってまいりました!今週に入って久しぶりの日差し恵まれ、初夏の様な暖かさのLA。到着とともに我々一行が向かったのはリトル・トーキョー。SushiやTempura屋さんが立ち並び、大きな櫓がシンボルにもなっているズバリ日本人街です。
提灯や日本刀など、アメリカナイズドされた街並を楽しみながら、私達はこの町にある Japanese American National Museum(全米日系人博物館)にやってきました。ちょうど「Giant Robot Biennale 4」というイベントが開催されていました。
クールジャパンと昭和ノスタルジーが混じり合う不思議な展示に少し言葉を失いました。。。
さあ、ここからはここからは(心の)ネクタイを締め直して真面目に行きます。
現代こそ人種を違わず音楽を楽しみ語ることができますが、日本からアメリカに移民として渡った彼らのことを今一度深く知るという意味で、今回の行き先をここに決めました。(日系人というと、例えばリンキンパークのマイク・篠田(ボーカル。日系3世)やスティーブ・アオキなど頂点を極めるビッグスターの中にも日本人の血を引くアーティスト達がいますね。)
移民と言えば昨年末はアメリカの某議員の発言が大きな波紋をよびました。それにより移民問題について多くの声が上がり、日系人スターのジョージ・タケイさんの自己の体験を取り上げ日系人の生きてきた苦悶の歴史を語るミュージカル「Allegiance」が公演・展開されるなど、大きな社会的現象にもなりました。またこの作品は作詞・作曲にジェイ・クオ氏を迎え、「日系人の思い」を音楽からも表現しようとした意欲作は記憶に新しいです。
日系人の歴史は19世紀の江戸時代にさかのぼります。1850年に浜田彦蔵ら8名が漂流中にアメリカ船に助けられサンフランシスコに渡航。のちにアメリカ市民権をかれらが初めて取得したと言われています。
音楽となにかつながりのある資料はないものかと拝見していると、鎖国解禁と同時に曲芸師(当時は雑伎人と呼ばれていたそうです)を外国奉行がアメリカに派遣しているという話がありました。
日本文化や日本の音楽は当時の西洋・アメリカからするとやはりかなりの異彩を放っていたと思われます。当時のいわゆる「和」の文化は日本にやってきたアメリカ人が広めたというだけではなく、実は日本人の渡航が大きく関係していました。
その後日本は多くの後の一世となる入植者を多く派遣していきます。1900年代初頭にはアメリカに渡った日本人は1万2千人を超えたと言われています。しかし、アメリカと日本との関係悪化に伴い、帰化法を改正。帰化不能外国人として扱われることで、多くの日系人1世は徐々に迫害され、収容所送りになるなど過酷な日々を辿ります。日本人でもなければ、アメリカ内でも差別を受ける複雑で虚しさの募る彼らの状況は、計り知れない苦しみが募っていたはずです。
太平洋戦争では武勲をあげながら最も多くの戦死者を伴った米軍第442連隊戦闘団の最前線として多くの死者を出したことも悔やまれます。
そうした苦しみを乗り越え今のアメリカの一部を作ったのも彼らであり、日本文化を持ち込むことで少なからぬアメリカの現代音楽への影響を与えたことに違いはないはずです。また、資料に教会や寺院等で培われた戦後日系人の音楽文化は人々をつなげ、日系人が日系人たらしめる社会・自我を形成し、復興に大きな役割を果たしたとも記されていました。改めて音楽という存在の重要さや力を感じる時間になりました。
Japanese American National Museumは、日本人のアメリカ大陸最初の上陸の歴史から、太平洋戦争中の厳しい環境下での生活、そして現代に至るまでの歴史が様々な物的遺産とともに深く語られています。このミュージアムは立派な建物とコレクションにも関わらず、現在財務的に維持することが厳しいとのこと。是非皆さん日本人の北米大陸への一歩を確認すべく訪れてみませんか。
Japanese American National Museum
http://www.janm.org/jpn/main_jp.html
アメリカンジャパニーズ文化の面白さと歴史の重みを感じた後、私達はNAMM 2016会場横にある Hilton HotelのCapistrano Roomで行われるDiGiGridのプレス発表イベントへ向かいました。
(途中に立ち寄ったタイ料理店で舌鼓。さすがアメリカサイズのボリュームも満足です。)
NAMMは本来トレードショーであり数多くの商談が行われますが、音楽関係者にとってそれはまさに楽器と音響機材の祭典です。このようにショー前後にメーカー独自のイベントが多く開催されます。
DiGiGridはその品質と拡張性において未来のフレンドリーな音のワイアリングを実現するプロダクト。きっと将来 IOSの様なサーバーモデルが使いされると予測します。その更に先にはクラウド化されワイアレスでの利用も実現するのでは。
DiGiGridからBIG NEWS!
対応を表明していたPlugin Allianceのプラグイン(Plugin Alliance等)5種がSoundGridStudio上で遂に動作開始に。 FLUXも10種のプラグイン対応を発表しました!
そしてDiGiGrid for DeskTopシリーズ4機種がデビュー!オーディオI/F 2機種、ヘッドホンアンプ、そしてDANTE対応ハブ。ベースにあるDiGiCoの堅実な設計からくる音質、筐体の堅固さはこのpopのデザインから想像出来ない品質感があります。
このレポートは近日別記事にて公開いたします。さあいよいよ本番だ、NAMM 2016ショーレポートからまだまだ目が離せませんよ!これから現場で待ち構える最新ニュースの数々にご期待ください!では行ってまいります!
Writer:Togashi
記事内に掲載されている価格は 2016年1月21日 時点での価格となります。
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