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May.2015
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松竹映像センター「Audio Suite」レポート 〜大音量 85dBでも信頼性を保つADAM X-ARTが可能にする高域の再現〜

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日本の映画産業を主導し続ける株式会社 松竹。2015年11月22日をもって創業120年を迎え、このタイミングを機に、松竹映像センター( http://www.shochiku-mediaworx.jp )がお台場へと移転。歴史ある大船撮影所から伝承される技術と最新デジタルシステムを融合させ、ポストプロダクションを先導する次世代スタジオとして大きく生まれ変わりました。

今回お邪魔したMAスタジオ「Audio Suite」ではモニターのメイン、サラウンドシステムともADAM製品を導入されたとのこと。そこで取材班は「Audio Suite」にお邪魔し、ポストプロダクション部ミキサーの吉田優貴 様に、ADAM製品導入の経緯についてお話をお伺いしました。

MAスタジオ「Audio Suite」

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Rock oN : 先ほど、他のフロアも見学させていただきましたが、出来たばかりということで、開放感があり明るいイメージで素晴らしいですね。ではまず、このスタジオについて概要をお聞かせ頂けますか。

松竹 吉田様(以下、松竹 吉田) : 名称を「Audio Suite」といい今年の1月14、15日にお披露目を行い正式稼動開始したばかりです。映画本編のダビング作業もやることはありますが、基本的には本編以外の映像を担うMAスタジオになります。例えば予告編だったり、劇場で流す特報だったり、あとテレビドラマやCMも手がけます。松竹に限らず、様々なクライアント様の作品も扱い業務は多岐に渡ります。

ADAM S5X-H、S3X-Hを導入したポイント

Rock oN : モニター環境はクライアントへの印象を大きく左右してしまう大事な部分だと思いますが、この「Audio Suite」を作るにあたってメインモニターにADAM S5X-H ペアを、7.1ch サラウンドシステムにS3X-Hを導入されていますね。ADAM製品導入の経緯についてお伺いできますか?

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吉田 : まずADAM導入の理由の1つとして、お台場に移る前の高輪のスタジオ時代からずっとメインにS5X-Hを使っていたということがあります。私はADAMのサウンドを信頼して10年以上使ってまして、個人的に好きなブランドです。

劇場用のMIXではSMPTE(Society of Motion Pictures and Television)が映画音響向けに策定するリファレンスが0VU=85dB SPL になっていて、スタジオではかなり大きな音量で作業することになります。高輪のスタジオでは5.1ch用に別のブランドのスペーカーでシステムを組んでいましたが、85dB SPLという大音量に耐えれず、割と頻繁にレベルピークのランプが点いてしまい、その瞬間音が出なくなるという問題を抱えていたんです。

Rock oN : フラットなバランスでの高い音圧が要求される環境が求められるということですね。

吉田 : MA自体の作業ではそこまではないのですが、劇場の予告編で、例えば戦争物などになるとかなり大きな音量が要求されます。

注釈:0VU=85dB SPLといことは0VU=-20dBFSリファレンスでの作業を行う場合には、単純計算でピークは0dBFS=105dB SPLとなる。この音圧をクリップせずに、視聴位置でキープする必要があるということになる。TV向けの作品では0VU=72dB SPLという基準が多く使用される。

独自のX-ARTもたらす優れた高域特性

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Rock oN : では、その問題を解決したいという考えがあったんですね?

吉田 : そうです。ADAMは長年使っていましたから大きい音量でも破綻せず、さらに高域が歪むことなく綺麗に出るということを体験の上から予想してましたが、本当にその通りでした。以前使用していた他のブランドのスピーカーでは85dBで出力した時に高域にコンプがかかり潰れた感じがして、「あれ、おかしいな」と思うことがあったんです。ボリュームを絞った時と85dBで出力した時のレンジ感が違うんですよね。

x-art1

X-ART技術は空気を動かす運動学に対してまったく新しいアプローチを踏んでおり、結果として音楽再生能力が飛躍的に向上しています。X-ARTの振動膜は折りたたまれたダイアフラムになっており、音楽信号が加えられることによって縮小と拡大を繰り返します。その結果、振動膜はアコーディオンの蛇腹のように運動し、空気は引き込まれそして非常に素早く押し出されます。

ADAMのX-ART技術は従来型のドライバーに対し空気負荷率において約4倍の改善を達成することで、従来型のピストン運動とそれに付随する不可避の問題を乗り越えることに成功しています。

X-ART技術の原理について分かりやすい比喩を用いて説明してみましょう:

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人間が呼吸をするとき、胸部の穏やかな動きに対して体内に出入りする空気は非常に素早く動いています。これと似たように、X-ART技術ではダイアフラムが収縮/拡張を繰り返す際にそれ自体の動きよりも素早く空気が折りたたまれたヒダに吸い込まれ、また吐き出されています。この著しく優れた「モーター」によって、ADAMのX-ARTドライブユニットは今までに類を見ないほどトランジェントに優れた、明瞭な音楽再生を提供します。

ダイアフラムの分割振動を防ぐ

X-ARTツイーターの折りたたみ式振動膜は高域での分割振動によって起きる動的制限を受けることがありませんので、ドーム型やコーン型のボイスコイル式ツイーターで典型的に見受けられる高周波数帯域におけるダイナミクス制限が起きてしまうことがありません。さらに、X-ARTデザインではドライバーが直接外気に接触している為、冷却効率にも優れています。

より広い面積=より大きなダイナミクス

X-ARTツイーターの見た目の大きさは1インチのコーン型ツイーターと非常に似ていますが、展開されたX-ARTのダイアフラムはかなり大きいものになります。ピストン運動をするデザインでは、目に見える領域がアクティブな領域のすべてになります。一方、ADAMのX-ART技術ではダイアフラムを立体的に折りたたむことでより大きいダイアフラム面積を確保することが可能になっており、音響的に有効な面積を2.5倍以上に増やすことに成功しています。

X-ARTツイーター

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X-ARTツイーターは96dB/W/mという高い能率、非常にリニアなインピーダンス値(3.9±0.21Ω)、完璧な位相特性、優れた指向特性、そして強力なパワーハンドリング能力を持っています。これらの数値は、X-ARTツイーターが技術的にも優れた信頼性の高いソリューションであるということを証明しています。

6Rock oN : ADAMではそれがなかった?

吉田 : はい。同軸構造の製品も個人的に気になっていたので他ブランドの製品もいくつかデモをしてもらいましたが、大音量時でも十分すぎるパワーを持ち全く破綻せず、ADAMのリボンツイーター構造がもたらす高域には先程言った高域のコンプ感が全くなく素晴らしかったです。

Rock oN : 低域に関してはどうですか?

吉田 : 導入時に、特に狙ってた訳じゃないんですが、結果的に良かったということがあって、S5X-Hには12インチHexaConeウーファーが左右対称に2発付いていますが、ベースマネージメントをOFFにしたほうが量感がしっかり出て、低域のずれもなくいいと感じました。「超低音域を処理できず、サブウーハーに全部送らないとだめだ」みたいな状態になることもなく、素晴らしいですね。同様にサラウンド用のS3X-Hもベースマネージメントオフの方が定位感、低域の量感共にいいんです。サラウンドはベースマネージメントを品蹴らべいけないというステレオタイプな考え方もあったんですが、しっかりと低域まで再現できるフルレンジであればそのほうがいいということを改めて実感しました。これもADAMを選択したからこそ得られたメリットですね。

Rock oN :新しいADAMの環境になって、作業効率や方法に変化はありましたか?

松竹 : サラウンドに関して、よりパンニングが見えるようになったので、シビアに作業する必要が出てきました(笑)。ちょっと回すだけにしても、このモニター環境だと細かいところまで見えてしまうのでよりシビアに追い込む必要があります。そう意味だと作業効率が上がったのかと聞かれるとなんとも言えない部分がありますが(笑) 。もちろん、結果としてクオリティが上がるので大歓迎です。今日この取材の前にドラマの作業を行ったのですが、クライアントのプロデューサーさんに、「出音がすごくいいね!」と言ってもらって、大変満足しています。


ADAM ニアフィールドモニター ラインナップ


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      記事内に掲載されている価格は 2015年5月11日 時点での価格となります。

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