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NAMM SHOW 2013で発表された新製品の国内初の発表会が開かれるということで、関東地方で朝から降る雪にも負けず、期待に胸を膨らませて会場に直行しました!その中でも今回は注目度No.1のMS-20 miniにターゲットを絞ってご紹介!
1978年に登場した伝説のモノフォニック・アナログ・シンセ『MS-20』が35年の歳月を経て『MS-20 mini』として復活!
2VCO / 2VCF / 2VCA / 2EG / 1LFO構成、パッチシンセの楽しみも十分味わえます。
MS-20 miniはフィルターにMS-20前期のKORG35チップを使用。このVCFのトランジスタがオリジナルのものがもう手に入らず、何十種類もテストし、限りなく近い製品を手に入れるのに苦労したそうです。また良い意味でのオリジナルとの違いとして、今のパーツは昔に比べてバラツキが無いのでOSCも安定しているようです。当時はパーツをまとめて仕入れてはKORG内で使えるもの、使えないものを仕分ける作業が大変だったということです。
なんとこの度、そのオリジナル開発者の西島氏の取材に成功!お馴染みKORG 坂巻氏との解説動画を御覧ください!
いかがでしたでしょうか。アナログシンセに対する愛情溢れるお二人の姿勢に感服です。
ちなみにオペアンプに関して、当時と同じ『JRC(新日本無線)のNJM4558』を採用しているという情報は本邦初公開ということです。もちろん今ならより高性能なオペアンプが多数存在していますが、現代の5V、9Vで動かすオペアンプと違い、±15Vで動かすと性能を発揮するこのオペアンプでなければ出ない立ち上がりの音の変化、ノイズレベル、奥行き感があるため、絶対にこだわったポイントなんですね。まさにMS-20の心臓部と言えます。
KORGは2年前にmonotronを発売し、その後monotron Duo、monotron Delay、monotribeとアナログシンセの布石を敷いて来ており、5代目にしてとうとう真打ちMS-20miniをリリースしました。バーチャルアナログから入った今のミュージシャンにとって、真のアナログならではのパラメーター可変の滑らかさは非常に新鮮なはずです。このアナログの音の艶はデジタルでは出し得ないサウンドであり、エンジニアも何故そうなのか未だに解明されていない部分とのこと。
オリジナルとの違いとして、大きさが80%と一回りコンパクトになった点の他に、実用性をアップするためのMIDI IN/USB MIDIポートの存在が挙げられます。これらのMIDI信号は鍵盤情報のみ、という潔さもポイントでしょう。
Korgはこれからアナログシンセサイザーの復権にチャレンジしていくという目標を持っているとも坂巻氏は明言していました。老舗のMoogはもちろんArturiaまでもがアナログシンセのリリースを始めた今、Korgにこれから期待することは復刻に止まらずモダンな思想を持った全く新しいアナログシンセサイザーの開発ですね。
オリジネーターの西島氏と最前線をひた走る坂巻氏。Rock oNレポートスタッフと記念撮影。
記事内に掲載されている価格は 2013年2月6日 時点での価格となります。
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