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放送向けに導入の進むSSLのSystem-T。強力なエンジンと柔軟な運用性を備えたこの製品ですが、NABに合わせて、Cloud上で動作するソリューションが発表になりました。ラージフォーマットコンソールが続々とクラウドで運用できるようになっていきます。これは、今年のNABの一つのトレンドと言ってもいいかもしれません。
こちらがそのシステムの概略。Tempestと呼ばれるSystem-TのミキシングエンジンをAWS上で動作させ、ローカルとの入出力には、Dante Connectを使用するというソリューション。リモートプロダクションなどが、実際のターゲットとなります。また、図の通り、コントロールを行う場所は、1箇所ではなく、複数の場所からの制御にも対応。これはローカル運用のSystem-Tでも実現していた、ローカルでのリモートオペレーションを、ネットを超えてのものに拡張。効果音のトラックだけ、別の場所でミックスすると言ったことが可能となります。
実際にAWS上で操作するVirtual Tempest Engineに接続されたNAB会場のデモシステムがこちら。デスクトップタイプのミキシングコンソールに、タッチパネルの液晶ディスプレイを組み合わせたもの。オーディオの入出力がSSL2というのが、後ろに広がるシステムの規模感からすると拍子抜けしてしまいますが、ミキシングされた2mixがDanteで送られてきていますので、2chのAudio Interfaceがあれば十分ということです。
もちろん実際のシステムであれば、おくり返しや、受け手側でのCUEの確認、ステム、マイナスワンなど、もう少し多くのCHを受け取ることになるかと思いますので、しっかりとしたシステムになりますが、デモシステムならではのギャップが、かえってインパクトを残します。
System-Tを触ったことのある方ならば、見慣れた画面かと思いますが、これは、AWS上で動作しているVirtual Tempestの画面だということ。フェーダーも触らせてもらいましたが、レスポンスも良好。さすがはSSLといったところです。明確な価格体系などはできていないとのことで、要相談ということになるとのことです。今後、このようなシステムを活用したリモートプロダクションは増えていくのでしょうか? やはり現場に技術者が行くことに意味があるという声も多く聞こえます。こればかりは、適材適所ということになるかと思いますが、その見極めが今後の課題になってくるのではないでしょうか。
Solid State Logic
https://solidstatelogic.com/
記事内に掲載されている価格は 2024年4月15日 時点での価格となります。
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