何やら大量のシンセサイザーが並べられ、異様に人気があるスペース。SPECTRASONICSのブースではOmnisphere 2.6が発表されていました。今回のアップデートの大きなトピックは二つです。その一つがハードウェアインテグレーションの大幅な対応機種の増加。今回のアップデートによって総勢60種類ものハードウェアシンセサイザイザーが対応になりました。だから会場にRoland JUNO-106やD-50(しかもプログラマのPG-1000も)、そして懐かしのアナログポリフォニックシンセの名機ALESIS ANDOROMEDA A6などが展示されていたんですね。非常に要望が多かったというBehringer Deepmindも今回晴れて対応になりました。
使い慣れたシンセのパラメータをいじってそのままあの膨大すぎるほどの可能性をもつOmnisphere 2をコントロールできるのですから、作業に迷いもなくなりますし、どんどんクリエイティブティが湧いてくると思います。
そして二つ目がアルペジエイターのメジャーアップデートです。まずアルペジオのエディット性能が格段に上がっています。
まずはSpectrasonicsのJames Bernard氏による動画をご覧ください!
ステップモディファイでステップごとのスケールやレングスを設定し、さらにステップディバイダーでアルペジオの1ステップを3分割にしてそこだけトリプレッタにしたりとパターンに簡単にひねりを加えることができます。
そしてさらにそれを、まるでシーケンスパターンのようにデュプリケイトできるので、もはやこのアルペジエイターをメインにメロディやフレーズを組み立てていくことができます。そしてそのパターンをシャフルしたりローテーションさせたりリバースさせたりもできてしまうんです。再生モードも複数あり、例えば複雑なアルペジオをワンショットモードにすればクリエイティブなLFOみたいにしてピッチなどに掛けて楽しむこともできます。
そしてここからがこのOmnisphere2.6の本領が発揮されるところです。アルペジエイターを使って作ったフレーズは複雑にすればするほど、タイミングなどによって再現性が下がっていくものです。そこで搭載された新機能が「キャプチャー」と呼ばれる機能です。例えばキャプチャーで8barを選択してキーボードを弾くと、キーボードの入力ノートによって生み出された8bar分の複雑なMIDI情報が全てMIDIクリップとしてキャプチャーされます。そしてそのファイルをそのままドラッグアンドドロップでDAWに貼り付けることが可能なのです。そのMIDIデータでOmnisphereを動かしても良いし、ハードウェアシンセに流し込んでも良いし、MIDI>CVコンバーターがあればユーロラックを演奏することもできます。
そして音色の今回プリセットも増えました。しかもハードウェアシンセライブラリなるマニアックなコレクションになっています。お馴染みエリック・パーシングが80年代を代用するデジタルシンセRoland D-50を使って作ったライブラリを現代版にブラッシュアップしたものである意味オールドスクールなサウンドを現代のOmnisphereのシンセサイズ能力で加工することで新たな魅力が発見されそうですね。
相変わらず大人気のSpectrasonicsブースでした。
Spectrasonics:https://www.spectrasonics.net/news/news-content.php?id=113
Writer:Shibuya
記事内に掲載されている価格は 2019年1月25日 時点での価格となります。
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