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NAB2016のNTTのブースで、我々音を扱う者にとって非常に重要な展示が行われていました。ご承知の通り、今の地上波含め、全ての放送媒体の音声はAAC(144kbs)に圧縮されています。NTTはこれをロスレス圧縮にするという技術展示を行なっていました。
頭ではわかっていることですが、AAC(144kbs)とLossless(PCM)の比較がこちら。目で見てしまうとその違いは歴然。TVのスピーカーでは、わからないからというレベルではないことはみなさんお分かりになりますよね。以前からこの問題は取り上げられてきていますが、4K放送に向けた動きの中で、Lossless圧縮での規格が生まれてきています。
ひかりTVとWOWOWはいち早くこの技術に目をつけ、IPTV、BSでの4K放送に合わせて運用実験を始めているということ。音声のデコードはそれほど重い処理ではないために、従来機器のファームアップで対応が可能なレベルということだ。送出に関してもNTTでは4Kのリアルタイムエンコーダーにこの技術を搭載しているので、近い将来に実際の運用が始まるのではないかということです。
展示でも、こちらのSet top boxが展示されていました。作り上げた作品が圧縮されて、最初のグラフのような状態で届けられるのは必要悪だとしても、出来ることならばなんとかしたいと思いませんか? 広帯域のインフラが整備され始めている今だからこそ、AudioもLosslessへと移行するチャンス。放送規格が変わるタイミングというのは多くはありません。是非ともこの4K以降というチャンスを逃さずにlosslessへの移行を実現したいものですね。
Writer. Yosuke
NTT先端技術総合研究所 >>
記事内に掲載されている価格は 2016年4月21日 時点での価格となります。
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