国内外のあらゆるイベントをいち早くレポート! またブランドや製品誕生の秘話に迫るDEEPなインタビューを掲載!
せっかく広州にまでやってきたのですから、日本ではあまりお目にかかれない製品を見ていきましょう。ショートレポートで会場の雰囲気が少しでも伝わればと思います。
DMIX
Dante製品レポートで中国のDante事情を教えてくれたDMIXのブース。布製のスピーカーカバーがなんとも中国らしいです。
Yoga Electronics
台湾のYoga Electronicsは、ヘッドホンとマイクが主なラインナップのメーカーです。
新製品のMicrophone Junction box。アナログ 1in(ステレオ)/10ヘッドホンアウトのヘッドホンアンプです。
Yoga Electronics
http://www.yoga.com.tw/
Cadac Electronics
1960年代からミキサーコンソールを手がけるUKのCadac。日本では一般的ではないかもしれませんが、
・Clash – London Calling
・Sex Pistols – Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols
・AC/DC – Highway to Hell
・Queen – A Night at the Opera
などをレコーディングした栄光に輝くコンソールです。
CDC eight-32は、128input 32フェーダーを備えるCadacのフラッグシップライブコンソール。数々の名盤をレコーディングしたクラシカルマイクプリを装備し、これまで大型ホールでオペラ座の怪人やライオンキングなどの舞台音響を制御してきたCadacのノウハウが詰め込まれています。24inchタッチパネルによる自由なレイアウトと操作性の良さ。
このほか小型のデジタルミキサーやアナログコンソールもラインナップ。Cadacは2009年から中国の企業が知的財産権を所有しているため、中国で知名度が高く、広い導入数を誇っています。
Cadac Electronics
http://www.cadac-sound.com/i/digital/cdc-eight-32/13/
そのほか
日本でもネットストアなどで最近見かけるようになった、光るスピーカーユニット。中国が発祥なのでしょうか。様々な大きさの製品がありました。主にKTV(カラオケ)やパーティーシーンで使われるそうです。きらびやかなことは良いことだ。特に歓迎やおもてなしの場は明るく、という風潮があります。
ウォータープルーフのスピーカーもたくさん展示されています。上から常に水が流れ続けていますが、サウンドは上々。
なぜこれだけの規模のプロオーディオショーがここで開催されるのか?広州は経済水準が高く貿易が盛んというだけでなく、オーディオメーカーが多いというのも理由の一つです。
たとえばこれ、スピーカーユニットのコーン紙だけを製造するメーカー。
と思えばそれをホールドするフレーム専門メーカー。
そしてツイーターやウーファーキャップだけを作るメーカー。
まだまだ。これはマニアックな、クロスワイヤーの専門製造するメーカー。ビンテージ感たっぷりの綿製や耐火性のあるガラス繊維まで。
最後はキャビネットメーカー。
そして、こういった専門メーカーからパーツを買い、スピーカーユニットを自らの規格で組み上げるオーディオメーカーがいるわけです。パーツメーカーがある程度作ったパーツを組み合わせるから、研究費が安く抑えられる。低コストで製品ができるのはこういう理由があります。
ただし、この方法だけだとイノベーションを起こすのは困難でしょう。会場を歩いていると、似たコンセプトやデザインの製品が多く見られます。それぞれの抜きん出たところが非常につかみにくい。しかしメーカーとしてはブースに人を呼んで自社製品を知ってもらう必要があるため、必要以上に音を大きくしたり、ライブなどショーケースで人目を引こうとするシーンがあります。しかしその中でも、自社開発のイノベーションを起こそうと挑戦するメーカーも見られます。そういうメーカーが2016と比較して増えてきているので、来年またここにやってくることが楽しみでなりません。
フランスのFocalのように企画から設計、開発、製造までを膨大なコストがかかることも辞さずに追求し続けるような、そういうメーカーが中国で生まれることを願います。そのためには需要を生む必要があります。まだまだ課題は多いですが、それは確実にクリアされ、未来に向けて変化していると感じました。
Writer. Tomita
記事内に掲載されている価格は 2017年2月24日 時点での価格となります。
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