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Synthplex 2019ではプロダクトの展示以外に、パフォーマーによるシンセサイザーを駆使したライブイベントも見どころの一つです。今回瀬川英史氏より会場で披露されたモジュラーシンセを駆使したライブパフォーマンス動画が届きました!
こちらのライブ動画にはアーティストへのインタビューが字幕で入っているものもありますので、そちらも合わせてお楽しみください!
瀬川英史氏より
今回SynthPlex2019を通して4人のパフォーマーを紹介したわけですが、皆んな実際の演奏時間は30分程度です。それを4分くらいのダイジェストにしているので30分という単位の構成の巧みさが伝えられないのが残念なのですが、LAでどんな事が起こっているのか少しでも伝えられたら幸いです。
Pablo Perez
初日のPabloについて追加でいくつか書きたいと思います。僕がModular on the Spot(今はアメリカ国内の数カ所で開催されていますが、発祥はLAなんです)を最初に見始めた時からPabloは既に活動していました。強いビート、と言ってもヒップホップでもなく、IDMでもなく、Drum&Bassでもなく、カテゴライズできない彼のパフォーマンスはとても印象的でした。少しずつ話をするようになると元々はベースプレイヤーで学校でオーケストレーションの授業も受けていたような人なので音楽的なバックグラウンドはかなりしっかりしてるんでしょうね。共通の友人の作曲家(パブロと高校からの同級生)が彼はとても上手いジャズ系のベーシストだったと証言していますから。彼のシスステムは気に入った音の組み合わせやリズムをその場でどんどん変化させたようにできる、つまりインプロビゼーションに対応できるようなシステムの組み方になっています。
Synthplexでのパフォーマンス動画はこちら
https://www.miroc.co.jp/report/synthplex-day-2-pablo-perez/
Pablo Perez Instgram
https://www.instagram.com/pablokris/
POB
POBことパトリック・オブライエン。POBもModular on the Spotの初期からのメンバーの1人で、実はトランペッターでもあるんですね。一度だけモジュラーシンセを操りながらペットを吹くというパフォーマンスを目撃したことがあります。数年前から精力的にYouTubeに動画をアップしています。実は僕はしょっちゅう彼の動画を見て勉強しています。特にNoise Engineeringに関しては彼のデモを参考にすることが多いですね。Instagram上で最初にフォローしたモジュラーシンセのパフォーマーが彼でした。
Synthplexでのパフォーマンス動画はこちら(瀬川氏による字幕解説入り)
POB Instagram
https://www.instagram.com/pobenergy/
POB You Tube Channel
https://www.youtube.com/user/obrienmedia
Kitty Spit
Kitty Spitことスカイラーは、バーベキューに呼んでくれる良き友人でもあり僕のモジュラーシンセの師匠でもあり、モジュールの調子が悪い時には直してもらったりと、とにかくいい奴なんですよ。スカイラーの得意なジャンルはアンビエント系なのですが、比較的コンパクトなモジュラーシンセのセットの割に壮大でディープなサウンドを演出するその手腕には毎回驚かされます。なんか現場で聞いてるとジーンと来るんですよね。スカイラーに関してはInstagramよりも彼のsoundcloudのアカウントを是非チェックして欲しいです。
Synthplexでのパフォーマンス動画はこちら(字幕インタビュー入り!)
KRĀN
最後にKRĀNことスコット。彼は僕がパフォーマンスする時のスタイルに割と近いしっかりとコンポジションされた系のサウンドが得意ですね。そういう意味ですごく気が合います。自分ではピアノはそんなに上手くないと言いますが、ハーモニーに関してはすごく鋭敏な耳をしているし、普段はやんちゃな子供がそのまま大人になっちゃったような奴なんですが、音楽に対する姿勢はすごく誠意を感じるんですよね。パフォーマンス前にオシレーターのチューニングを僕以上に念入りにする奴がいるとしたら間違いなくスコットですね。
Synthplexでのパフォーマンス動画はこちら(字幕インタビュー入り!)
今回POB以外の3人に同じような質問をしてアンサーをもらって見たわけですが、皆んなバラバラでしょ?これがモジュラーシンセ・ワールドの良いところでカテゴライズされる前の良い意味でのバラエティーに富んだインディーズの在り方がここにあると思うんです。日本ではインディーズで活動してると言うと「メジャーに上がれない人」みたいなイメージが未だにあると思いますが、アメリカ、特にLAでは「インディーズ」=「最先端」とほぼ同義です。その中の突出した連中が次のメジャーシーンを形成していく、そういうイメージで捉えて欲しいと思います。
瀬川英史氏 プロフィール
岩手県盛岡市生まれ。 1986年CM音楽の作曲家として活動開始、現在までに2500本以上のCM音楽を手掛ける。アメリカ、フランス、イギリス、インド、ブルガリア等海外録音の経験も多数。サウンド&レコーディングマガジン誌に「CM音楽の作り方」(現在終了)という連載や、「コンポーザーが教える作曲テクニック99」等の執筆活動にも積極的に取り組む。近年は劇伴作曲家としての活動の場を広げている。2012年、サウンドトラックを担当したフランス短編映画「Le Dernier Jour de l’Hiver」がフランス国立映画祭イエール·レ·パルミエで最高音楽賞受賞。
www.eishisegawa.com
Synthplex 2019
https://www.synthplex.com/
記事内に掲載されている価格は 2019年4月2日 時点での価格となります。
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