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国内最大手の楽器メーカー ヤマハが満を持して送り出す新しいデジタルステージピアノが、ついに来週発売となる。CPシリーズは初代打弦式の『CP-70』、アナログ音源系統の『CP-30』、そしてこれまでのフラグシップモデル『CP300』と、その表現力豊かで特徴的なサウンドによって多くのアーティストの支持を得てきたヤマハステージピアノの主力製品群。そして今回発表された最新モデルは、より高い表現力と演奏性のために開発された新しい専用音源システムと鍵盤が採用されている。ヤマハが誇る100年以上のピアノづくりの経験を活かした自信作とのことで、『CP “1”』というネーミングからも伺い知れる気合いの入れよう。サウンド、タッチ、機能性、いずれも先日発表されたRolandのV-Pianoに勝るとも劣らない、トップクラスの電子ピアノの魅力をご紹介したい。
まずはサウンド面だが、合計17ものピアノタイプを搭載しており、音源部には「SCM(スペクトラル・コンポーネント・モデリング)」という新しい音源システムを採用している。これは言わばサンプリングとモデリングの”良いとこ取り”のような技術で、従来のサンプリング方式だけでは得られなかった音の強弱変化の滑らかさや楽器本来の持つ幅広いダイナミクスをよりリアルに表現することができるようになった。また、アコースティックピアノ音色だけでなく、Rhodes、Wurlitzerといった往年の名機からDXまでエレピサウンドも充実しており、少し聴けばひとつひとつの音色のクオリティの高さがすぐにわかる。もちろんプリセットでも十分に良い響きを期待できるが、「ストロークポジション」と呼ばれるトーンバーとピックアップの距離や、ハンマーの材質を変えるパラメーターの操作によって音色を更に作り込むことも可能。また、ピックアップ ⇒ プリアンプ ⇒ エフェクト ⇒ パワーアンプ ⇒ スピーカーというように、エレピの内部構造をブロック単位でモデリングした音作りが行えることから「エディット」ではなく「カスタマイズ」と呼ぶのがしっくりくる程の自由の高さだ。
鍵盤部には、これもまた新しく開発された「NW-STAGE鍵盤」という新方式が採用されている。これはヤマハのグランドピアノと同じ加工技術を採用した木製鍵盤によって、打鍵時の振動や鍵盤の歪みを抑え、滑りにくい安定した演奏性を実現したもの。搭載されている様々なアコピ/エレピのサウンドキャラクターに、最適なタッチと弾き心地を与えてくれる。また、シンプルながら存在感のあるデザインで、フロントパネルのロゴマークが光るというのも印象的。更にはUSBケーブル1本でコンピューターと接続できるUSB TO HOST端子を装備しているため、PCと連動した快適な音楽制作環境を構築でき、ライブステージだけでなくスタジオワークでも大いに活用できるという点も見逃せない。またダンパー、ソフト、ソステヌートの3ペダルユニットが付属しており、別売りの専用スタンドやハードケースの発売も予定している。
第一線で活躍する多くのプロフェッショナルの声を吸い上げ、ジャズピアニストのチックコリア本人が「これに変えたい!」と絶賛したというエピソードもあるほどの「CP1」。正式発売日は12月25日、Rock oN渋谷店でも週明けから展示予定だ。最新にして最高のデジタルピアノを是非体感して欲しい。
▲ヤマハのシンセサイザー担当プロダクトスペシャリスト:小松正人氏による実演デモ
記事内に掲載されている価格は 2009年12月18日 時点での価格となります。
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