AIによる自動コンプレッションを実現した初代バージョンのリリースから3年。ナチュラルなコンプレッションとクリアーな音質で非常に高い評価を獲得してきた SONIBLE / SMART:COMP が、ついにバージョンアップしました!
SMART:COMP 2 とは
ディープラーニング技術と膨大なデータ、音響心理学的原理、そして豊富なミキシングの実地経験に基づいた、コンテンツ認識型のシステム「smart:engine」によって迅速に、音源に最も適したコンプレッションを提供します。トラックを SMART:COMP 2 にわずか数秒学習させることでサウンドの特性を分析し、その特性を損なうことなく、2000以上のバンドに及ぶ超マルチバンド・コンプレッションを用いた透明感のあるコンプレッションを実現します。
SMART:COMP 2 の使い方
重要なパラメーターは全て中央に配置され、一般的なコンプレッサーと同じように直感的に使用できます。前バージョンに比べて多くの機能が省スペースに整頓され、デザインもスタイリッシュになっています。
AIがトラックを学習・分析
コンプをかけたい音源を再生しながら丸い緑色の「LEARN」ボタンを押すと、AIがオーディオ信号を学習・分析して、数秒で解析が完了します。バランスよく透明感あるコンプレッションを行うための設定を自動で導き出し、圧縮パラメータ(Ratio, Threshold, Attack, Release)が自動的に設定されるほか、スペクトラル‧コンプレッション機能が使用できるようになります。
ミックスに役立つ独自の機能
スペクトラル‧コンプレッション
入力信号を2000以上のバンドで連続的に分析する、インテリジェントな超高解像度マルチバンド‧コンプレッサーです。AIがオーディオ信号を分析することにより使用可能となる、SMART:COMP 2 の核心といえる機能です。必要な周波数帯域だけ圧縮するため、常に一貫した音色とダイナミック‧バランスを保つことができます。GUI画面中央下にある「Spectral Comp.」ツマミで適用量を調節し、0に設定すると通常のブロードバンド‧コンプレッサーとして動作します。最大値ではハイエンドのアナログアウトボードの評価で使われる「シルキーなサウンド」を感じる、キメ細やかなサウンドを実現しています。
プロファイル
ドラム、ベース、ギター、ボーカルなどの楽器や、ミックスバス用のプロファイルを備え、楽器や音楽の特性を活かしたコンプレッション設定を選ぶことができます。プロファイルは前バージョンの9個から31個に拡張され、幅広い楽器とミックスに対応できるようになりました。AIがサウンドを学習した後、プロファイルを次々に変更して好みのサウンドを探すことも可能です。上の動画では2mix用のプロファイルを試しましたので、下の動画では2mix用以外のプロファイルも試してみました。
荒々しかったサウンドが、スペクトラル‧コンプレッションを使用すると聞きやすいサウンドに調整されました。2mix用だけでなく、ドラムバスやキーボード用のプロファイルを試すと、自分が予測していたサウンドを超えて来る、そんな嬉しい提案も期待できます。
SMART:COMP 2 新機能トピック!
スペクトラル‧コンプレッションに2つのトーンコントローラーが追加
Style
コンプレッサーのキャラクターを透明で繊細な「Clean」と、タイトで暖かくパンチのある「Dirty」の間で調整できるようになりました!!前バージョンで非常に高い評価を得た「Clean」だけでなく、「Dirty」ではパンチの効いたパワフルなサウンドが得られ、コンプレッションによる色付けが可能になったことが大きな特徴です。SMART:COMP 2 は音を整える「守りのコンプ」だけでなく、積極的な音作りを行う「攻めのコンプ」としての能力を備えました。
カラーコントロール
スペクトラル‧コンプレッションが適用される帯域をコントロールして、まるでEQのようにサウンドを暗くしたり明るくしたりできてしまいます。
スペクトラル‧リンク
帯域制限パラメーターで、スペクトラル‧コンプレッションが適用される周波数帯域を設定可能です。帯域制限を指定すると、指定帯域外のオーディオ信号への処理をスペクトラル‧リンクで設定できます。100に設定するとコンプレッションは適用されず、0にするとブロードバンド‧コンプレッションが適用されます。
上の試聴動画では 129Hz以下 を指定帯域外に設定してローエンドを増強しています。高域側も設定できるので、ハイエンドを強調した音作りに活用できます。
伝達関数カーブをエディット可能
圧縮を行う比率を視覚的に表したオレンジ色の棒グラフは「伝達関数カーブ」と呼ばれます。SMART:COMP 2 では伝達関数カーブのプリセットが6つ用意されているほか、ユーザーがカーブを直接エディットする事もできます。カーブの勾配によって音声が圧縮されたり、逆に伸張できるというのが特徴で、コンプレッサー1つでは不可能だった音量の制御を可能にしました。例えば、スレッショルド以上の音を圧縮し、スレッショルド以下を伸張してダイナミクスを揃えたり、レベルの小さな音を更に小さくするゲートとしても活用できます。
Mid/Side 処理に完全対応
センターMONO成分と、左右STEREO成分に、全く別々のコンプレッションを設定することができます。(Style、スペクトラル‧コンプレッション、カラーコントロール、スペクトラル‧リンクの設定は共通)
スレッショルド、レシオ、アタック、リリース、そして処理後のレベルを自動で揃えてくれるオートゲイン機能は、センターとモノで独立して設定可能です。センターだけ太くがっしりとしたサウンドにしたい時や、ステレオ成分を強調したい時などに活用できる機能です。
ドラムソロトラックで実践!
最後にドラムトラックで試してみました。音を圧縮してゲインを上げると、各ドラムパーツのリリースが強調されて長くなるのが通常です。しかし、スペクトラル‧コンプレッションを使うと深めのコンプレッションでもタイトなサウンドを得る事ができます。特にスネアがタイトに引き締まり、ここでもスペクトラル‧コンプレッションの威力を確認することができました。
人工知能が攻めと守りを極めた最強のコンプレッサー SMART:COMP 2
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記事内に掲載されている価格は 2022年8月31日 時点での価格となります。
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