このシリーズも続いて5回目になりました。やっとお待ちかね?のPresonus Studio One 6がいよいよ登場します。一応、これまでの順番は特に意図はないのですが、よくよく考えると、私自身が触った回数の少ない順になっていたような気がして来ました。(単純に触ったことがないから、やってみたい!という気持ちが先行してこうなったんでしょう、たぶん。)今までDAWの基本操作を見つつ比較してきましたが、最初に言った通り、「そもそものコンセプトは曲を作ること」なので、どのDAWでも出来ることは同じと言っても過言ではないです。改めて自分が初心者だったらどのDAWにするかな…と考えてみると、前回のLiveの時は、隣の多田が詳しかったので、スムーズにできました。やはり周りに詳しい人がいると早いです。これも「縁」ではありますね。
さてさて、本題のStudio One 6に話を移していきます。Studio OneはCUBASEの開発者?的な要素もありますので、CUBASEを触っている方はとても馴染み深いDAWになっております。本当に基本的なDAWでもあり、サウンド面も高評価で、さらにProfessionalシリーズにはマスタリングできるツールも入っているので、このStudio Oneで全ての工程ができるようになっております。果たして、普段通りな使い方で、どんな感じに仕上がるのか、やっていきましょう!イザ!
Studio Oneの新規作成画面
まず始めに、恒例の全体図を見ていきます。早速、立ち上がりからですが、Studio Oneの場合、マスタリングやら、作曲やらDAWとしてのツールが複数あるので、新規セッションを作る時、予めに備わっている機能を知っておかないと困りそうです。アーティストプロフィールやら、ニュースとか何やら、いろんな情報が満載です。なお新しく曲を作りたい方は、左上の新規をクリックし、テンプレート「レコーディングとミックス」で名前をつけてOKを押せばOKです。他のマスタリングとリリースやら、リハーサルとパフォーマンスやらありますが、曲を作りたい方は、迷わず上の方を見て、上からクリックしていけば、いけます。
下部分にあるトランスポーズ
無事に新規ソング(セッション?)ができました。画面を見渡すと、テンポや再生、ストップの表示が下にあるんですねと気付きます。ソングの動作をする機能が下にあるのはLogicとStudio One、あとCUBASEあたりでしょうか。これまで上に再生とかがあったので、つい見上げてしまい探してしまいます。下ですね。なお、Studio Oneのテンポ、拍子も下側にありますが、変更などはとても簡単です。クリックして数字を打つのがテンポ、拍子は一覧の中から選べて、31/8とかにもできます。新時代のソングを作るユーザーは注目です。
次にソングの全体のテンポと拍子は簡単ですが、途中から19/31の拍子に変えたい!っと思ったそこのあなた。どうやってやるの。はい、ググりました。Studio Oneの場合、デフォルトでは隠れてしまっているのですが、タイムラインのところにテンポの欄を表示させる必要があるようです。
画像のように、画面の右上側にプラスボタンの隣にあります。ここでテンポと記号を表示させておくといいでしょう。無事に記号の表示ができたら、好きな場所に右クリックで、拍子の編集を行うことで、オッドタイマーの称号が与えられます。これで世界の時間軸を一つにすることができるでしょう。なお、4/4で今回も作れと言われておりますので、4/4に戻し、いよいよドラムの打ち込みの開始です。
Studio Oneのショートカット
ドラムの打ち込みを始めるにあたり、サクサク打ち込むためにはやはりショートカットを覚えてくのが鉄則ですが、Studio Oneはアイコンの持ち替えがキーボードの番号で変えるか、あるいは打ち込める場所に右クリックするとアイコンツールの一覧が出て、ここでも切り替えできます。Live、CUBASEなどなど大体基本的にはこの方法で切り替えができます。アイコンの持ち替え方と、コピペ、Undo、Redoができれば、もうStudio Oneはマスターだと思ってOKでしょう。なおStudio Oneは予めショートカットが用意されてはいますが、CUBASE、Bitwigの様にカスタマイズが可能なので、お好きな様に設定ができます。ショートカットの好みの設定は、ある程度触って「自分この機能しか使わないな」と感じ始めたら、コマンドに親指を置いて、キーボードを見つめ、お好きな様に配置するといいでしょう。CUBASEユーザーはテンキーに配置するなどが多いかと思いますので、Studio Oneもテンキーに良く使うショートカットを充てるとベストです。
ドラムの音源選び
それではドラム音色を物色し選んでいきます。何があるかなーと思いつつ探します。Studio Oneの場合は右側のリストでわかりやすく音色がグラフィック付きで選べるようになっておりますので、とても探しやすいです。ドラムは「Impact」というサンプラー音源がありますので、こちらをチョイスしていきます。ドラム自体のサウンドは悩みましたが「TM Jazz Kit 2」にしました。最初「Balkan Line」だったのですが、スネアのゴーストノート(転がしサウンド)をやりたかったのですが、やや粒立ちが良すぎたので、悩んだ末、OpenのスネアサウンドがよかったJazz Kitにしました。
ドラムマップ画面
サンプラー系の弱点としては連符を打ち込むとどうしても、いかにもUchikomiDAYO!ってなるんで、難しいんですよね。でも、ベロシティもランダムにいじったら自然ないい感じになってきましたので、結構激し目に上下させてもいいかもです。ベロシティ(ボリューム)で変化を加えたりもできるのですが、もっと自然にしたい!という方は、この「Impact」を2つ立ち上げて、ドラム音源を2個体制で攻めていくとベターです。
ドラムの打ち込みは鉛筆でコツコツやっていくか、矢印アイコンでもダブルクリックで打ち込みが可能です。私は気分で使い分けてます。(いちいちアイコンを切り替えるのがめんどくさいので、ダブルクリックが多いかもです)ドラムの打ち込みはピアノロールな画面ではなく、配置されている音色のところに打ち込めるドラムマップな画面で見やすくなっております。無事にドラムの打ち込みもこれで完了しました。
ベース音源とエフェクト
続いてベースの打ち込みも行なっていきます。ベース音源は「Presence」をチョイス。選んだ理由は、右側のインストゥルメントリストから音源の一覧が出るのですが、なんと内部のプリセットまで表示されており「Contemporary Bass Finger」と書いてあれば、もうこれじゃんって感じで決まりました。このPresenceはおそらくシンセが基本となっておりますが、ベースのフィンガーの感じがしっかり作り込まれております。いいですね。加えて、ベース用のエフェクターあるかな?と思い探すと、これもすぐにいいのが見つかりました。「Ampire」です。もう文句はないでしょう。なおエフェクトは「Amp SVT」って書いてあるので、名前だけで幸せです。キャビネットも10インチの8発。十分でしょう。ドライブさせたかったので、GAINをあげましたが、なんとマイクのMIXでさらに音作りの追い込みもでき、だいぶいい感じのSVTサウンドになりました。これはビビる。もうちょっと自然さを出すにはノートの長さなど工夫するといいかもです。ベースの打ち込みも無事に完了です。
Pedalboardのプラグイン
打ち込みも終わりましたので、最後にギターの録音です。Studio Oneも他のDAWと同様にオーディオトラックを立ち上げます。ギターのエフェクターにはベース音源でも使用した「Ampire」を立ち上げます。当然マーシャルを選びたいですね!そして後から気付いたのですが、どうやら「Ampire」の下のところにStompがセッティングできる様になってみたいです。とりあえずストンプの種類は選べるのですが、どうやらここではパラメーターはいじれず。あれ?んん?っとなり、一応「Pedalboard」というエフェクターがあったので、これは別々で立ち上げるべきなのかな…と思い、一旦別のプラグインをインサートして音を作っていきます。
Stompレイアウトの表示させ方
音を作って、録音も終わったところで、やはり「Ampire」で本当にストンプはいじれないのか?いや、隣の天野が見つけました。なんと、3つの枠みたいなアイコンの下側をクリックすると、ちゃんと出てきました。ほほう。そうか、最初からここを表示させてストンプを組み合わせればよかったですね。DPだとそれぞれ別々のプラグインだったので、てっきりそういうものだと思いましたが、いずれも結果は同じですかね。
Mic MIX Link
アンプの音作りがある程度固まってきたところで、先ほどのベースと同様にマイクのMIXも変えていきます。なお、マイクレイアウトで、左側のリンクボタン「Mic Mix Link」を外すと、個別のマイクレベルを調整できます。ギターはこっちの方がいいような気がします。多分。今回はアンプとOverDrive的なのを組み合わせて使ってみました。もっと練習必要ですね…!
良いテイクだけをピックアップ
さて、音作りもできたので、いよいよギターの録音開始になります。早速ガーと弾いていきますが、Studio Oneすごいです。何度も弾き直していると、どんどん新しいテイクがトラック別になっていき、ボツになった前のテイクがしっかり残っていきます。しかも、このテイクを使いたいよ!ってなったらトラックにある上矢印ボタンを押すと、そのトラックがビュッとメインのトラックに入っていきます。これは簡単。さらに自分みたいに途中からパンチしたい場合も上矢印のもう一個別の方を押すとそのデータだけをメインに持っていけます。デフォルトからこの機能がついてるので、ユーザー目線的にすごい使いやすい機能となっております。後、テイク毎の配色もされるので、見た目上でもわかりやすいかと思います。
Studio Oneのクロスフェード
そしてパンチする場合の波形のつなぎ目ですが、もちろんStudio Oneにもクロスフェードあるでしょうと思うわけですが、こちらは隣のボンドに聞いたら教えてくれました。「X」を押せば一発です。もちろんクロスフェードの幅も変えられます。とても簡単ですね。
Out Of The Arena Presnous Studio One 6バージョン完成!
っとこんな感じでStudio Oneでも無事にいつもの曲が完成しました。改めて全体を通して聞いてみると、全体の音が破綻する感じもなく、結構すんなりとバランスも整えれました。なおドラム、ベースには「FAT Channel」というプラグインをインサートし、気持ちコンプとEQを施しつつ、マスターには気持ちのLimiterを入れております。
DAWごとの仕上がり比較
改めて他のDAWと比較すると、Studio Oneバージョンはドラムの感じやギターの感じなどまとまりがあって、いい感じになっております。良い意味で優等生なDAWと言えるサウンドで、FLやBitwigは荒々しいですが、だいぶ個性が前面に出てくるので好きですね。しかし改めて聞くとLiveが一番ガッツありますね。DAWによって個性の出し方は変わってきそうです。ちなみにStudio Oneでミキサー画面を出す際、表示が全て出ていない時に、ノートだとスクロールしたくなるのですが、スクロールするとInput Outputのレベルがそこで動いてしまうので、ご注意してください。私は何度もやって戻せなくなりました。きっとコツがあると思います。
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記事内に掲載されている価格は 2023年5月3日 時点での価格となります。
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