※メールが正しく表示されない場合は、こちらでご覧ください >>

コラム「モーリー・ロバートソンの不思議BOX」

【16】サーキット・ベンド

新商品/特価情報

【キャンペーン】

RME

Fireface UCX AR+

¥158,760

RME Fireface UCX に『 Advanced Remote Control 』をプレゼント!Rock oNはAR活用法迄ご案内致します!!

¥20,000以上のValue!内部ミキサー/エフェクトをTotalMix FXを操作するAdvanced Remote Controlをプレゼント。限定品です。ご注文はお早めに!

Fireface UCX AR+

【キャンペーン】

Waves

Mercury Native

¥248,000

数量限定 史上最大のBIG WAVES!この波に乗り遅れるな!最大50万円以上のValue!

Mercury¥248,000、Horizon¥109,800、NPP¥13,800!数量限定のBIGSALE。どれも残りが少なくなっています。買い逃し厳禁!

Mercury Native

【新製品】

Roland

SYSTEM-1

¥59,940

AIRA SYSTEM-1 LEGENDを呼び起こせ!

世界中で大旋風を巻き起こているAIRAシリーズの第四の刺客はどんなサウンドを放つのか!?実機を手にして大興奮のAIRA Rock oN Lab.所長のACID渋谷が徹底レビューを行います!

SYSTEM-1

【キャンペーン】

SLATE DIGITAL

FG-X

¥8,640

Slate Digital 5製品が期間限定で最大50%OFF!作品を際立たせる高品位なサウンドプラグインを手軽にGET!

革新的な新技術と科学的な考証に基づいてオーディオ処理における新たな技術の高さを実現したSLATE DIGITAL 製品が2014年8月29日まで最大50%OFFに!最小のコストで最大のミックス環境のグレードアップができますよ!

FG-X ★数量限定特価!

【キャンペーン】

Prominy

V-METAL & SR5 Special Bundle

¥32,389

Prominy製品が最大77%OFFセール!期間限定で卓越したロングセラーギター/ベース音源がさらに身近に!

8/31までの期間限定!ギター系ソフト音源といえばProminy。最新のメタルギター音源「V-METAL」を始め、SC、LPCと様々なジャンルで重宝するギター音源はロングセラーを更新中!

V-METAL & SR5 Special Bundle

【キャンペーン】

Blue Microphones

Bottle Rocket Stage One

¥95,040

Blue Microphone 人気7機種に最大12万円以上のプレゼントキャンペーン!際立つ存在感のマイクサウンドで楽曲を彩れ!

最大¥129,600もの大型キャンペーンがやってきた!あえて狙ったサウンドカラーを持つBlue Microphonesのマイク群は、現代的な楽曲の中でヌケ良く存在感を放ちます!

Bottle Rocket Stage One ★B6カプセルプレゼント!

【キャンペーン】

RME

Fireface UCX AR+

¥158,760

RME Fireface UCX に『 Advanced Remote Control 』をプレゼント!Rock oNはAR活用法迄ご案内致します!!

¥20,000以上のValue!内部ミキサー/エフェクトをTotalMix FXを操作するAdvanced Remote Controlをプレゼント。限定品です。ご注文はお早めに!

Fireface UCX AR+

【新製品】

Waldorf Music

2-Pole

¥31,104

WALDORF MUSIC 2-Pole 初回特価!手軽に使えるアナログフィルターは楽曲の旨味を倍増させます!オリジナルバンドルは更にお得ですよ!

初回限定特価!通常¥38,880がいまだけ¥31,104に!Waldorf 2-poleはデスクトップスタイルのアナログフィルターです(12db/oct)。CV in にペダルを繋いでカットオフやエンベロープフォロワーを足でコントロールでき、ギタリストもDJも使える!

2-Pole ★初回限定特価!

【キャンペーン】

YAMAHA

CP4 Stage

¥203,657

YAMAHA CP4 Stageに純正キャリングケースプレゼント!軽量ステージピアノをさらに軽々と持ち出せる!

残すところあと1台になりました!約1万円相当のお得なキャンペーンをぜひご利用ください!

CP4 Stage ★台数限定キャリングケース付き!

【キャンペーン】

阪田推薦

New Traditional Selection

¥316,999

VPR Custom Fusion Project 始動!ブランド間を超えたスペシャルバンドルであなたのニーズにJUST FIT !!

VPR選びのファーストステップとして、Empirical Labs EL500(電源内蔵シャーシ)と組み合わせ、まるで1Uアウトボードの様に使える2モジュールセットをご提案します!

New Traditional Selection

【新製品】

Native Instrument

MASCHINE Vintage Gold

¥69,800

NI MASCHINEにニューカラー「MASCHINE Vintage Gold」が登場!RockoN限定でプラス一万円にてKOMPLETE 9バンドルも販売いたします!!

ソフトウェアもVer2.1になり、さらなる高みに登りつめた次世代ビートメイキングマシンに待望のニューカラー、MASCHINE Vintage Goldが登場しました!

MASCHINE Vintage Gold

新製品情報やお買い得セール情報、サポート情報にスタッフからのTipsまで、日々更新されるニュースをTwitterでお届けします。まだの方はぜひフォローしてくださいね!

Facebookでも最新情報を日々更新、お届けしています。Facebookだけのイベントも行うなど、Twitterとはちょっと違うお楽しみが盛り沢山です!

本日スタート! 目から鱗の基礎知識&ノウハウでHAPPYを生み出すプロモーション第二弾がスタート! 5つのカテゴリーに加え、知識を活かすメーカー協賛プロモーション + 18回無金利クレジットで7月の音楽制作を徹底アシスト! さらにPro Tools HD導入最大のチャンスMassive Pack Summerがパワーアップ! ユーザー毎にカスタマイズ可能なSupecial Valueを今こそ手に入れて下さい! KOMPLETE Big Bangなどプロモ目白押しの一週間!


AVID MASSIVE PACK SUMMER!!

ROCK ON PRO限定のMassive Valueでお届けするHDX & HD Native 導入プラン! 導入ノウハウはもちろん18回0%金利分割や旧MacProからのトレードプランであなたの移項を万全サポート!

続きはこちらから! >>

九州放送機器展2014 Rock oN ショーレポート!

2004年より始まり昨年10周年を迎えた九州最大のプロ機器/放送機器の展示会『九州放送機器展』をRock oNレポート!

続きはこちらから! >>

KOMPLETE BIG BANG! NI KOMPLETE 9 が衝撃のMAX30% OFF!

Native Instrumentsの最新鋭のインストゥルメントとアグレッシブなエフェクト、極上の音源をパッケージングした究極の総合音源が大特価!無くなり次第の終了となります。お急ぎください!

続きはこちらから! >>

MIM Education 有料セミナー 名匠 エンジニア吉田保 から学ぶ珠玉のレコーディングテクニック

数々の日本の名盤を創造してきた名匠 吉田保氏 から直接、技術やコミュニケーションノウハウを直伝できるEducationセミナーです。実際のアーティスト・レコーディングを行いながら、その流れを学習できるのが特徴です。

続きはこちらから! >>


【16】サーキット・ベンド

「グリッチ」というスタイルの音楽がクラブ・ミュージックの一角に定着している。極端なタイム・ストレッチやグラニュラー処理などで音を加工し、元の音源からなるべく遠ざけていこうとする美意識だ。そもそも「glitch」は「機械の故障や欠陥」あるいは「電力の異常」「プログラムのエラー」などを指す用語だった。ところが、あえて「曲がった」効果を狙うアーティストたちによって肯定的な意味合いを後付けされていった。「グリッチ」と親戚関係にあるのが「サーキット・ベンド」のシーン。身近な音の出るおもちゃを改造し、あえて誤動作させたり、実験的な楽器へと作り変える人々でにぎわっている。

こんな中「ピカチュウのサーキット・ベンド」という動画は26万6000回見られている。製作者は日本人らしい。

Bent Pikachu controlled by MIDI
(画像クリックで再生)

この他、ファービー人形やカシオの廉価版キーボード、初期のゲーム機などが改造の素材として好まれている。

「サーキット・ベンド」の呼称を最初に用いた人物、Reed Ghazala氏へのインタビュー動画もあった。

Soundbuilders: Reed Ghazala | VICE United States
(画像クリックで再生)

1960年代からおもちゃの改造実験を進め、その後1970年代末に子供向けの教育玩具として広く普及した「Speak and Spell」をベンド。最近よくEDMのサンプル素材に「Speak and Spell」が使われているのも、同氏の業績かもしれない。

任天堂のコントローラーを使って「Speak and Spell」の類似製品をベンドするという作例も見つけた:

Circuit Bent Nintendo Power Glove
(画像クリックで再生)

サーキット・ベンド作品によくある要素を列挙すると、以下のようになる。

  • 電子回路の知識を持たない素人にもできる。習うより慣れろ、という姿勢。
  • 安価な素材やリサイクルで作れる。
  • 往々にして回路のコンタクトが剥き出しの状態。
  • 指で触ったり光を当てたりして、音を変調できる。
  • 偶然や事故をエンジョイ
  • 世界に一つしかない作品が出来上がる

つまりインターネット文化に固有の「水平化」や「多様化」が、すでに初代のサーキット・ベンドから組み込まれていたことになる。

手作りで1個ずつ作っていく、少数生産のシンセ・メーカーも出現している。こちらの販売サイトでいくつかの機種を確認できる。

CVを使ったモジュラー・シンセに近い代物もあるが、ユーロラック対応のメーカーに比べてよりおもちゃっぽく、DIY精神が前面に押し出されている。

サーキット・ベンドを含むハッキング文化は欧米で一定の市民権を獲得している。例えば個人が作った商品を取引するサイト「Etsy」のカタログにもサーキット・ベンド作品が見つかる。

「Etsy」ではまた著作物をモディファイ(改造)した二次創作の商品も堂々と売られている。その代表例が「白雪姫」のMacBookステッカーだ。

MacBookのアップル・ロゴにちょうど合うように貼り付けることで、これらのステッカーは新たな「ものがたり」を提供する。かっこいいのと同時にアップル社の画一的なブランディング戦略への反抗でもある。白雪姫のモディファイはその後「ミーム」と化し、ゾンビの白雪姫やコカイン吸引中の白雪姫など、よりアウトローな方向へと進化が続いている。

ここで気になるのがパクられる側にあるディズニー社の対応だ。かつてのように一件ずつ潰して回るのではなく、むしろ肯定的に野放しにしているのだが、それはSNSやインターネットのカルチャーを理解できているからだろう。ディズニーのような大企業がコピーライトを露骨に独り占めせず、ゆるく回遊させれば世代を越えたターゲットを育成できる。同時にユーザーたちも新たな付加価値を生み出し、対流が起こる。 暗黙の了解で自社の文化アイコンを素材として使ってもらううちに、ユーザー・コミュニティーの中で白雪姫は育てられ、どんどん進化していく。そのため中長期的にはディズニー社も利益を最大化させられる。このようにマスの製品や原案をエンド・ユーザーが改造したり、バッタモンを作る文化圏は今後も有機的に成長し、力をつけていくだろう。

サーキット・ベンドをより詳細に検索し続けるうちに、ちょっと驚く情報にも出会った。どうも「サーキット・ベンド」という呼称が付く以前の1950年代、あのサージ・シンセサイザーの設計者であるサージ・チェレプニンがすでにトランジスタ・ラジオを改造した作品を作っていたらしい。つまり「サーキット・ベンド」の始祖はサージということになる。

この記事以外にソースはあまり見当たらないが、実は筆者には思い当たる節もある。

1980年代中盤にサージの弟であるイワン・チェレプニン(故人)に師事していた頃、事務室の引き出しにしまってあったサージの試作品を2点見せてもらったことがある。ひとつは改造されたトランジスタ・ラジオ、もうひとつは葉巻箱の中に電子回路が貼り付けられただけの原始的なシンセサイザーだった。どちらもすでに動かなくなっていたので音を聴くことはできなかったが、イワンの説明によれば改造されたAMラジオは電波を拾って音声が複雑に変調され、狼が吠えているように聞こえたそうだ。コントローラーとなるツマミ等はなく、ハンダ付けで固定された「パッチ」だったとも言える。

そのAMラジオは日本製だったかもしれない。プラスチックのケースは扉が開くように出来ていたが、扉の内側には作家ウイリアム・バロウズの白黒写真が貼り付けてあった。少しフォーカスが甘い写真で、本から切り取った写真というよりは至近距離で撮影したものだった。ビート文学者たちの快楽主義的で危険な世界。そのすぐ近くにサージがいたことの暗示だった。

話を2014年に戻そう。サーキット・ベンドの要素の一つである「自由にその場で接続を変えられる」という構造を組み込んだモジュラー・シンセがあったので紹介したい。「Make Noise」社の「Teleplexer」だ。動画でしか確認できていないが、使い方は一目瞭然。

導線を穴の中に差し込んで固定するという概念を覆し、コンタクトの金属プレートに触れた瞬間、スイッチングが起きるように設計されている。動画を見る限りでは、複数のコネクションを同時にスイッチングすることも可能。もちろん非常に荒々しい切り替えになるのだろうが、グリッチな効果をあえて楽しむことが目的の一つらしい。

この「Teleplexer」モジュールはサーキット・ベンドや手作りシンセと同じ美意識を持ちながらも、よりプロフェッショナルなユーロラック仕様で設計されている。ただし、単に手作りだったものを洗練させているだけではない。「ちゃんとした音を正確に出そう」というパラダイムを逸脱し、パンクな方向へと一歩推し進めているのだ。

今後サーキット・ベンドのシーンがモジュラー・シンセと合流していく可能性を筆者は感じ取っている。その一例をこちらの動画に見て取れる。ローランドのTB-303をサーキット・ベンドした「Devilfish」とユーロラックのコラボだ。

Devil Fish-Sequencing Intellijel Atlantis
(画像クリックで再生)

サーキット・ベンドのいたずらっぽい衝動をモジュラー設計者たちが製品へと落とし込んでいく流れには、アンテナを立てておきたい。


前回のコラムを読む>>


モーリー・ロバートソン プロフィール

日米双方の教育を受けた後、1981年に東京大学に現役合格。日本語で受験したアメリカ人としてはおそらく初めての合格者。東大に加えてハーバード大学、MIT、スタンフォード大学、UCバークレー、プリンストン大学、エール大学にも同時合格。1988年ハーバード大学を卒業。在学中に作曲家イワン・チェレプニンに師事、モジュラー・シンセを専門的に学んだ。現在はテレビ、ラジオ、講演会などで活躍中。

2014年4月に独自の英語塾「リアル・イングリッシュ」を開催。


電子書籍:
自分を信じていい時代(角川ミニッツブック)
「知的サバイバル」セミナー(角川ミニッツブック)

公式サイト:Office Morley
Twitter:@gjmorley



   

本文中に記載の仕様、価格、内容等は、予告無く変更となる場合があります。

本文中に記載の会社名、製品名、規格名は、各社の商標または登録商標です。

本文中の内容は情報提供を目的とするもので、特定の用途・使用環境での動作を保証するものではありません。

本メール内容に関するご質問・お問合せは、roc-support@miroc.co.jp 宛までメールにてお送りください。

配信先アドレス変更・配信停止は、roc-support@miroc.co.jp 宛までメールにてお送りください。

発行:株式会社メディア・インテグレーション Rock oN Company

〒150-0041 東京都渋谷区神南1-8-18 クオリア神南フラッツ1F

TEL:03-3477-1756/FAX:03-3477-1255

ホーム:http://www.miroc.co.jp | オンラインストア:http://store.miroc.co.jp