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お疲れ様です!トラックメイカーのミツビシテツロウです。
普段は広告などの楽曲制作をしたり、”カタカナ”、“GEEKS”といったバンドで活動しています。
この連載では、全4回にわたってAbleton Liveの解説をしていきます。
前回はLiveを使ったマニピュレーションについて書きました!
「トラックメイカー ミツビシテツロウのLove Live!」
第3回〜Liveでライブする方法 マニピュレーター(後編)〜
記事はこちら
★それ以前の記事はこちら
第3回(前編)はこちら 第2回はこちら 第1回はこちら第4回の今回は、”Liveを使ったライブセッション”です。
まずはRock oN Companyで行ったセッションの映像をご覧ください。
★360°カメラでの撮影ですので、画面をドラッグするとセッションの映像が回ります!
こちらはボーカル、ギター/ベースの二人と僕の3人でセッションを行った映像です。どのように準備してどのようにパフォーマンスしたのか解説をしていきます。
セッティング
まずは”誰”と”何がしたいか”を決定します。
“誰とセッションしよう?”
相手はミュージシャン友達でも良いですし、同じAbletonユーザーでも良いです。シンセ奏者でもギタリストでも、DJでも大丈夫。
一緒にプレイして楽しくなりそうな人にオファーします。
今回はボーカルとギターの2人を招いてセッションすることにしました。
takenawa projects
公式Twitter都内中心に活動中のギタリスト、レコーディング・ミックスエンジニア。
PYON²、persians、mindsといったバンドのギタリストとして活動中。imo magic orchestraとしてソロ名義の活動も行う。
かみやあいの
公式Twitter都内で活動中PYON²(ピョンピョン)のvocal、作詞作曲を務める。ソロでシンガーソングライターとしても活動している。
“何をするか”
Pushでのリアルタイム演奏にボーカルとギターを乗せてもいいし、ギターのループをmax for liveで処理してもいいなぁと思っていましたが、
今回はセッションビューを使ってリアルタイムでループ素材を作成し、ギターとドラムのループを構築、その上からボーカルを乗せていく事にしました。
そうと決まればデモトラックを作成します。どこで何をしてほしいかを大枠で決めていきます。
セッションなので基本的には即興要素強めではあるのですが、指針だけでも決めておくと曲のゴールがイメージしやすくなります。
この曲はギターを入れる位置とベースを入れる位置、曲が展開する位置だけ決めており、あとは演奏者の即興に任せています。
デモトラックをセッション相手に送ったらラフで録音したwavデータを送ってもらいます。
事前に音色の傾向を把握しておく事でセッションデータ上でEQとコンプの設定をしておく事ができます。
セッション当日のリハーサルで音作りが終わっていたら、準備にかかる時間が減らせていいですよね。
仕込み
デモトラックが完成したら本番に向けて仕込みを終わらせましょう!
今回は名前の通りセッションビューを使ってのセッションします。
マスタートラックにあるシーンを再生すると横軸のクリップが再生され、直前まで再生されていたクリップが止まります。
このシーンの切り替えによって曲が進行していきます。
まずはグローバルクオンタイズを1Barにして1小節で区切るように設定します。
ここは曲のフレージングによって変えていきましょう。今回は1小節ループで曲が進行するので1Barにしています。
次にこちらで用意したクリップを1小節で切り、Loopをオンにします。
これにより1小節がループされ続けます。
こちらはドラムトラックの画像です。
起動直後はクリップの入っていない部分に停止ボタンが配置されていますので、⌘+E/ctr+Eで削除しておきましょう。
ブレイクしたい部分にのみ停止ボタンを残しておきます。
マスタートラックはこのようにシーンごとに区切り色分けしておきます。
セッション中は可能な限り視認性を良くしておきたいので色を分けています。
ちなみにギター等の演奏者用のトラックは録音できるようになっています。
ルーティング
インプットルーティング
演奏者の音をLiveに入力します。音作りが済んでいるトラックのインプットモニターをInにしてレコードアームをオンにしておきます。
その後Send機能を使って演奏者に楽器の音を返してあげます。
もしマシンスペックの問題でレイテンシが発生するようでしたらお使いのオーディオインターフェースの
ダイレクトモニター機能を使っても大丈夫です!その場合はインプットモニターをOffにしてください。
演奏者に音を返していない状態
リターントラックBに音を返している状態
モニターチェック
演奏者へのモニターを確認します。
今回はオーディオインターフェースのヘッドフォンアウトが2系統あったのでボーカルさんに声とトラック、薄めにギターを送りました。ギターにも同様にギターとトラック、ボーカルを薄めに送っています。僕はオーディオインターフェースからLINE OUTした音を他のインターフェースに入力して、それをインプットモニターで聞いています。
Clickのトラックはこのように設定します。出力をSends Onlyにすることによりメイン出力先にClickの音が出ません。
Clickの音があまりに大きいようでしたらSendの量を減らしてバランス調整をしてください。
この画像のようにリターントラックを作り、その出力先を変えてあげればモニターとして使うことができます。
以前のマニピュレーター回で説明した通りですね。
Clickと同じようにこちらで用意してきたトラックも同じように設定して演奏者に音を返しましょう。
セッショントラック
仕込みとルーティングが終わればあとはセッションです!クリックのみのシーンを再生したら演奏を始めてもらいましょう!
録音が始まると再生ボタンが赤い状態でクリップが生成されますので、1小節分演奏されたら停止ボタンで録音を止めて再生します。
さぁ!ここまで準備ができたらあとは本番です。
録音した音をループ再生しながら曲を進行させていきましょう!
余裕があれば録音したクリップにクオンタイズを行いヨレた部分を修正してもいいですね。
エフェクトラック & Push
録音しながらシーンを切り替えていく作業は正直大変ですが、慣れてくるとむしろ暇な事もあります。
仲間内だけのセッションならまだしも、ライプパフォーマンス中に棒立ちしてしまうと見栄えもよくありませんし、リアルタイム感も薄くなってしまいます。
で!あればどんどんいろんなことをしてみましょう。曲に大きく影響を与えるのもアリですし、微細な変化を繰り返すのもかっこいいです。
エフェクトを使ってみよう!
各トラックにエフェクトをかけてリアルタイムで音色を変化させていきましょう。マスタートラックにかけても
外部プラグインを使ってもいいのですが、Liveには優秀なリアルタイムで演奏可能なプラグインが多く収録されています。
BeatRepeat
音を抜き出して連続で鳴らすエフェクトです。タタタタ…..と連続音が鳴ってくれます。
このエフェクトは一瞬鳴らしてオフにするだけで印象的なエラー音を生成できます。
セッション中はRepeatをオンにして、Chanceを100%するとエフェクトのオン オフでリピートのオンオフが操作できます。
Echo
Live10で導入されたEchoもセッションに有効です。リアルタイムで演奏している音にEchoをかけて音を飛ばすと展開がつけやすく、次の展開に入る直前に100%にして使います。
Auto Filter
Auto Filterはセッションを行う上で最重要エフェクトです。
フレーズやリズムが変わる直前にFreqを絞って展開感を演出します!
Knob1シリーズ
Knob1シリーズはAudioEffectRackに入っているエフェクトで、ノブ1つで音をフリーズさせ伸ばし続けたり、極端なディレイをかけたりすることができます。画像のもの以外にもたくさんのKnob1シリーズがありますので試してみましょう!
とりあえずリアルタイム演奏してもらうトラックに入れておき、なんとなくノブを回すだけで大きく音が変化します。
Map8
max for liveのエフェクトの中でもセッション向きのものがMap8です。
各トラックのすぐにアクセスしたいエフェクトパラメータをアサインしておきましょう。トラックを切り替えなくても1画面で完結してくれます!
Pushで演奏してみよう
Live専用コントローラーPushがあればシーンの切り替えもPushで行え、エフェクトへのアクセスも簡単です。
Live画面だけで操作していると同時に1つのパラメータのみしか操作できませんが、Pushを使うことで同時にいくつものパラメータにアクセスできます。
リバーブのルームサイズを上げながらミックスの量を変化させることも可能です。
もちろんパッドを使ってドラムを演奏しても良いですし、シンセサイザーを演奏することもできます!
エフェクトラックで紹介したMap8を使うとPushのノブ全てを使って全トラックのエフェクトにアクセスすることもできます!
以上!今回のセッションについての解説でした!
ギターやボーカル以外にもシンセを接続しても良いですし、LINK機能を使えば複数のLiveやLINK対応機器を使ったマシーンライブも可能です。
慣れればセッション中にエフェクトをインサートしたり、新しいインストゥルメントを作ったりすることもできます!レッツ即興!やってみてくださいね!
Writer. ミツビシテツロウ
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